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金融庁夏の陣:中間とりまとめ公表によって起こる日本の仮想通貨市場の3つの変化

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

金融庁と仮想通貨市場
金融庁は8月10日(金)、「仮想通貨交換業者等の検査・モニタリングの中間とりまとめ」を公表した。この中間とりまとめは、日本の仮想通貨市場にどのような変化をもたらし、今後は何を期待できるのか。3つのポイントに絞って解説している。

金融庁、立ち入り検査中間とりまとめ公表へ

先日、8月10日(金)に金融庁は「仮想通貨交換業者等の検査・モニタリングの中間とりまとめ」を公表しました。

以前から、立ち入り検査等の総括を行う等などが報じられておりましたが、では一体この中間とりまとめが公表された事によって、国内の仮想通貨業界にどのような影響があるのか、考察して参りましょう。

変化① 新規登録申請業者の登録審査本格化へ

日経新聞などでも報じられておりますが、今回登録業者やみなし業者への立ち入り検査中間とりまとめが行われた事により、仮想通貨交換業者が抱える問題やリスク等が総括されました。

これにより、金融庁が仮想通貨取引所における立入検査の関連業務に追われていたことで長らく「保留」状態となっていた新規申請業者の登録審査が本格化される事が期待できます。

現在、登録審査待ちの企業が100社以上にものぼり、登録業者、みなし業者以外の新規参入者への審査が止まっている中で、国内の仮想通貨業界が停滞するとの懸念の声が出ていましたが、ようやく少しずつ解消されていくことになるでしょう。

国内企業だけでなく、グローバルに展開する仮想通貨取引所HuobiやOKcoinの日本法人がJCBAに加入し、着々と国内の登録取得に向けて準備を進める動きもあり、今後金融庁や自主規制団体監督下、法に則った形で仮想通貨交換業が増えてくれば、再び日本の仮想通貨業界に活況が戻る可能性も考えられます。

変化② コインチェックを含むみなし業者の登録可否判断間近へ

登録業者とみなし業者の立ち入り検査の結果をまとめた事で、審査待ちで行列を作っていた「みなし業者」の登録可否判断が間近と推測する向きが、大手新聞社をはじめ報道されております。

現在、みなし業者であるコインチェックをグループ(子会社)化したマネックスグループの松本社長も、トムソン・ロイター社の取材に対し、「8月中には登録を受けて事業を再開したい」と、抱負を述べていました。

あくまで、これは8月中に登録を目指すという意思表示、目標を社外に示した形でに過ぎませんが、何かしらの情報のインプットや動きを見ている中で目標を立てたものと思われます。

前回、4月の記者会見やCoinPostが実施した松本社長へのインタビューの際にも、対応の手応えを示して「6月目標」と語っていたのに対し、6月下旬に”認可済み”の大手取引所を運営する6社に下された「業務改善命令」などの都合で、延期を余儀なくされていたという見立てもあり、市場からも再開が待ち望まれています。

現在ではコインチェックの他、みんなのビットコイン社、LastRoots社の計3社が、現在みなし業者として登録可否の審査待ちとなっております。

変化③ 中間とりまとめが行われた事で論点や課題が明確化された

当たり前と言えば当たり前かもしれませんが、これは非常に大きいです。

既に4回開催されている、金融庁設置の「仮想通貨交換業等に関する研究会」では、一体何が論点なのか、何が問題なのか、リスクなのか等課題が明確ではないまま、漠然と議論がされていましたが、こうして総括的なものが出てくると、「何が課題で、どのように対処していかなければならないのか」というものが明確化され、議論も進展し、法整備に向けたアプローチ方法も見えてくるでしょう。

仮想通貨に関する議論は交換業者の運営実態等だけではなく、ICOや海外業者への対処、グローバルな基準での法整備をどう進めていくかなど挙げれば非常に多く、金融庁側も限られたリソースでどう対処していくのか苦慮している事でしょう。

まずは交換業者・みなし業者への立ち入り検査結果の中間とりまとめが行われた事で、交換業者の課題や論点等が整理ついた事で、制度設計に向けた議論が一つ進展すると期待できるでしょう。

最後に

日本の仮想通貨業界は、2018年に入って以降、苦境を迎えております。

特にコインチェック事件以降、今までイノベーションや産業育成の観点から仮想通貨業界を見守ってきた金融庁も、監督責任の観点や世論に対応する形で態度を硬化せざる得なくなり、対応に追われ、新規参入業者への登録審査も停滞しました。

また、仮想通貨全体の時価総額も大きな下落が続き、まさに正念場を迎えておりますが、2017年4月を振り返ると「改正資金決済法」が施行された事により、新規参入者が多く市場に参入してきました。

法整備が整う事は一朝一夕で行われる事ではありませんし、ある程度の議論を経なければなりませんが、このプロセスは業界にとって必要不可欠です。

経済大国であり先進国である日本が、世界に先駆けて仮想通貨に関する法律を適切に定めることで、業界を取り巻くさまざまな懸念を払拭し、安心してビジネスや投資を行いやすい「健全な市場環境」に変わってきたと次第に認知されるようになれば、個人投資家の新規流入はもちろん、”新しい資産クラス”として魅力を感じた機関投資家の参入など、再び日本の仮想通貨市場は活況を取り戻す事ができるでしょう。

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