リップル社も出資
米リップル社は、デジタル資産のマーケットメイカー「Keyrock」に出資した。Keyrockが11月30日に発表した。
今回はシリーズBのラウンドで、Keyrockが調達した資金は合計で約99億円(7,200万ドル)。リップル社のほか、SIX Fintech VenturesやMiddlegame Venturesも出資した。Keyrockは調達した資金で、インフラやスケーラビリティツールを開発し、欧州や米国、シンガポールで事業認可の取得を目指す。
マーケットメイカーとは
常に市場で取引が円滑に行えるようにするために、資産を継続的に売買して流動性を提供している業者のこと。日本語で「値付け業者」とも呼ばれ、買値と売値のわずかな差額で利益を得たりして事業を行なっている。
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Keyrockは2017年に創設。金融資産の流動性を向上させ、全ての参加者が効率的に市場にアクセスしやすくなることを目標に事業を行なっている。創設後は、世界の中央集権型取引所(CEX)や分散型取引所(DEX)における85超の取引市場でマーケットメイクを実施。昨年には取引高を3倍に増加させたという。
同社は今年、従業員を100人超に増やし、人員を倍増。現在、暗号資産(仮想通貨)市場は低迷しているが、来年はさらに人数を倍に増やす計画だと説明している。今は英国にオフィスを構えており、2023年初めにはスイスとシンガポールにも進出するとした。
今回の発表で、リップル社の機関投資家市場部門のMaxime Fagesディレクターは、以下のように述べている。
Keyrockはデジタル資産市場において、リップル社も含めた全ての利害関係者に、拡張性の高い流動性ソリューションを提供してきた。我々はすでに3年以上協業しており、Keyrockの成功を実際に見ている。
高品質なソリューションを提供し、規制準拠を一番に考えるアプローチによって、Keyrockはキープレイヤーの地位を確立した。
また、KeyrockのKevin de Patoul最高経営責任者(CEO)のコメントは以下の通り。
我々は過去5年間、長期的な視点にこだわってきた。近道をしなかったことで、強固な事業基盤を持っている。
今回調達した資金で事業を拡大し、全てのデジタル資産に流動性ソリューションを提供するというビジョンを加速させていきたい。
FTX Japanも顧客
CoinPostの提携メディア「The Block」は今回、KeyrockのPatoul氏にインタビューを実施。The Blockによると、国内取引所「FTX Japan(旧Liquid)」もKeyrockの顧客だったという。
同氏はこの件に関して以下のようにコメントした。
我々は、カウンターパーティリスクを早く察知できるように管理している。FTX Japanが出金を停止する前に、我々は資産を引き出すことができた。
そのため、FTX破綻による影響は、我々の資産も顧客の資産も受けていない。
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