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債務超過の米BTC採掘大手Core Scientificに救済案 融資会社B. ライリーが提案

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

コア・サイエンティフィックへの救済

米国の投資・金融サービス会社B. ライリー・ファイナンシャルは14日、財政悪化に陥った米暗号資産(仮想通貨)マイニング企業コア・サイエンティフィックの破産を防ぐため、約98億円(7,200万ドル)を追加融資する方針を発表した。

B. ライリーはコア・サイエンティフィックの取締役会に対して迅速に検討するよう要請している。

98億円の新規融資額は、コア・サイエンティフィックに2年以上のランウェイ(猶予期間)を提供する。B. ライリーはこのうち、4,000万ドルを直ぐに貸し出せると述べている。また、この追加融資はビットコイン価格が18,500ドル(250万円)以下の場合に毎月の元本を停止できるなど、借り手にとって有利な条件で提供されるという。

コア・サイエンティフィックは、10月26日に証券取引委員会(SEC)に提出した書類の中で、財務状況悪化により、10月下旬から始まる債権者への支払期限に間に合わず、破産を検討する可能性があると公表。以来、コア・サイエンティフィックの株価(CORZ)は86%下落していたが、B. ライリーの発表を受けて、過去5日間で108.33%上昇している。

関連:仮想通貨マイニングのCore Scientific、1,000億円超の債務抱える

B. ライリーの提案

B. ライリーはこの報告に危機を覚え、破産を防ぎ、長期的な資金回収を達成するためにコア・サイエンティフィックの収益力を分析したと述べている。

B. ライリーの分析によると、コア・サイエンティフィックは満期の近いローンを3億ドル保有、そのうちB. ライリーに対する未払いの融資残高は4,200万ドルある。

これらの融資契約はビットコインが現状より大幅に高い時期に組まれたもので、借りた資産は新たなマイニング設備の建設費に充てられた。当時、コア・サイエンティフィックは保有しているBTCを売却せず、ヘッジも行わなかったことが、致命的なミスとなったと指摘されている。

22年4月、仮想通貨市場の下落相場に資金繰りに追われた同社は、9,618 BTCを490億円(3億6,200万ドル)売却し、多額の損失を計上した。

米ドル建てBTC価格(CME)出典:トレーディングビュー

しかし、B. ライリーは、コア・サイエンティフィック社の問題の大部分は「債権者や株主とのオープンで透明な議論と継続的な参加によって修正可能」と主張。

ビットコイン価格が18,000ドルで、コア・サイエンティフィックの調整後EBITDAが1億4,000万ドルであること。BTC価格が1,000ドル上昇する毎に2,000万ドル追加されることを説明。テキサス州の4,000万ドルの追加施設を加味すれば、BTC価格24,500ドルで調整後EBITDAは約2億7,500万ドルになると、コア・サイエンティフィックの将来的な収益力を強調した。

EBITDA(エビータ)とは

Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization(金利・税金・償却費控除前利益)。本業で稼ぎ出すキャッシュフローを指す、企業業績を評価する際に使用される指標。支払利息控除前の利益であり、債権者と株主双方に帰属する利益とされる。

マイナーの淘汰

Galaxy Digitalのリサーチチームの調べでは、2022年の仮想通貨冬の時代にビットコイン・マイナーの収益性が低下。マイナーの資金繰りが悪化する中、適切なヘッジポジションを構築していなかった事業者の淘汰が進んでいる。

昨年発注した採掘マシンが時間差により市場に到着し、相場の価格下落後に最新鋭の採掘マシンを回し始めるマイナーが増加。ビットコイン価格は、およそ1年前のピーク時価格約725万円(63,500ドル)に対して4分の1程に低下しているが、ハッシュレート(採掘速度)は22年上半期に23%増加している。

関連:ビットコイン価格の大幅下落がマイナーに及ぼした影響とは

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