メタバース領域の投資傾向
香港のWeb3大手企業アニモカブランズは2022年の現時点で、Web3型メタバース領域の資金調達において、最も多くの出資を受けていることがわかった。
このデータは、ナスダックが19日に寄稿記事として公開。2023年に向けて、オープンメタバースが投資対象として好まれていると述べている。近年は、創業間もない企業よりも先に、事業が軌道に乗ってきた企業に資金が集まっている模様だ。
関連:アニモカ、2,000億円規模のメタバースファンドを計画
関連:次世代の仮想空間サービス「メタバース」とは|ブロックチェーンとの関係も解説
今回の記事では、2023年に備えるため、2022年のベンチャー投資の状況を分析。独自の方法で分析した結果、メタバースについては合計で216件の投資契約があり、出資総額は約2,630億円(20億ドル)だったという。
資金調達額の上位は以下の通り。アニモカの調達額は約740億円(5.6億ドル)である。
メタバース領域の投資については、メタバースプラットフォーム自体よりも、体験を構築するための各種サービスの需要が高いという。ゲームデザイナーやAI(人工知能)開発者、コンテンツクリエイターといった業種に出資が集まっているとした。
他にも、テーマの分断化が見られることもメタバース投資の特徴。スポーツ、アート、消費者ブランドが、最も投資先として人気のあるテーマだと指摘した。また、Web3ゲームに再び注目が集まっていることも特徴だという。
投資契約の件数も、以下の通りアニモカが1位。投資契約は今年、1Q(1月〜3月)から4Q(10月〜12月)にかけて減少しており、今回の記事では、これは暗号資産(仮想通貨)市場の低迷と関係しているとした。21年4Qから22年1Qにかけては投機的な出資もみられたが、現在は、顧客に本当の価値を提供できる企業に資金が集まっている。
なお、メタバース企業への投資は、ブロックチェーン関連の全ての投資に比べると、小規模だと説明した。
来年の傾向を予想
今回の記事では、今年の投資傾向から判断すると、2023年もオープンメタバースの人気は高いと予想。仮想通貨市場が低迷しても、開発者らはイノベーションを継続していると説明しており、今こそ業界の発展をサポートするスタートアップ企業を見つけ、投資機会を探る時期だと主張した。
そして、2023年は以下のようなトレンドを予想している。
- AIやアバターなどに関するサポート企業に最も投資が集まる
- オープンメタバースが多額の投資をして、エコシステムを拡大する
- 困難な時期を乗り越え、Web3ゲームが発展する
- 音楽のコンサートやライブなど、新しい領域がオープンメタバースにユーザーを呼び込む
関連:米国のNFT・メタバース関連の商標登録申請数が急増、前年比2.7倍