- 仮想通貨の下落率がドットコムバブルを超える
- MV Index Solutionsが提供する主要10仮想通貨の指標”MVIS CryptoCompare Digital Assets 10 Index”は、1月の最高値から80%の下落を記録し、9月12日に今年最低値を更新した。この下落率は、2000年ドットコムバブル崩壊の際のNasdaq Composite Indexの下落率78%を超える。
- ドットコムバブルとは
- 日本では「ITバブル」と呼ばれ、1990年代末期から2000年代初期にかけて、アメリカ市場を中心に発生した。インターネット黎明期に関連企業の株価が短期間で異常に高騰し、その後大暴落を引き起こした。
アルトコイン市場の崩壊
ビットコインだけでなく、時価総額上位の主要アルトコインはそれ以上に大きな下落に苦しんでいる。特に、時価総額2位の仮想通貨イーサリアムは、投資家心理を測る指標RSIにて過剰売りを検知するほどの売り浴びせに遭っている。
”仮想通貨元年”と呼ばれた2017年は、日本円で200万円を超えたビットコインだけでなくアルトコイン全体が爆発的な価格高騰を見せ、半年〜一年間で投資資金が数十倍になる投資家も珍しくないような、バブルの様相を呈していました。
しかし、2018年に以降に巨額のハッキング事件やテザー騒動、中国の規制などネガティブなニュースが続発、高値圏から一転してバブルが弾けるかのような暴落を続け、ビットコインは70万円ほどで取引されています。
そして、MV Index Solutionsによって提供されている主要10仮想通貨の指標”MVIS CryptoCompare Digital Assets 10 Index”は、9月12日に今年最低値を更新し、1月の最高値から80%の下落を記録しました。
このMV Index Solutionsは、昨今ビットコインETFで話題になっているアメリカの投資会社VanEckが母体となって運営されており、”MVIS CryptoCompare Digital Assets 10 Index”は、以下の主要10通貨とそれぞれの比重によって算出されています。
そして注目すべきは、”MVIS CryptoCompare Digital Assets 10 Index”の-80%という下落率が、ドットコムバブル崩壊時の「Nasdaq Composite Index」における驚異の下落率-78%をも上回ったという事実でしょう。
実際、ドットコムバブルの際は、ナスダック市場から数兆ドル(数百兆円)規模で時価総額が消失したことを考えると、仮想通貨業界はわずか6,400億ドル(約71兆円)程度の時価総額の減少に留まっており、その規模の差は否めません。
為替取引プラットフォームMarkets.comのチーフ市場アナリストを務めるNeil Wilson氏は、以下のように言及しています。
アルトコインの止まらぬ下落
下落が続くビットコイン市場ですが、アルトコインの下落率はそれを遥かに凌駕しており、底抜けて年初来安値の通貨が頻出するなど、下落に対して歯止めが効かなくなっています。
投資家の心理状態を測る際の、テクニカル指標RSI(Relative Strength Index)では、一般的にRSIが30%以下になれば、過剰売りの傾向にあるとされていますが、イーサリアム(ETH)に至っては30%を大きく下回る20%に接近するなど、不名誉なことに仮想通貨市場の下落を牽引していると言えるでしょう。
さらに、一時期200円以上で取引されていた仮想通貨ネム(XEM)も、9/12時点で昨年5月と同水準の9円以下(1ケタ台)にまで下落しています。
Wilson氏は、この状況を受け、以下のように主張しています。
ドットコムバブルは、価格回復に至るまで長い歳月を要しています。
しかしその一方で、仮想通貨市場はドットコムバブルを超える「第4次産業革命」とされており、市場規模拡大スピードは歴史上類を見ないという見解もあり、過去にも暴落と暴騰を繰り返してきました。