はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

Uniswap v4の開発計画発表、資本効率とガス効率が大幅に向上する見込み

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Uniswap V4のビジョン

分散型取引所(DEX)最大手のUniswapは13日、次のバージョンアップ版「v4」の開発計画を発表した。新バージョンではカスタマイズ性に富む機能が導入される予定で、従来(v3)と比較してプロトコルの資本効率、及びガス効率が改善される見込みだ。

Uniswap v4の大きな特徴となるのが、「フック(Hook)」と呼ばれる機能だ。フックとは、ユーザーが流動性プール(LP)を作成する際に、様々なカスタマイズを可能にするプラグインのことだ。フックにより、開発者はUniswapプロトコルの流動性とセキュリティの上に、カスタマイズされたAMM(自動マーケットメイカー)プールを作成できる。

この新機能により、市場状況に応じて手数料を動的に変更したり、指値注文やドルコスト平均法(DCA)のように一定感覚で買い注文を分散させるなどの使用が可能となる。

流動性プールとは

流動性プールとは、仮想通貨を預け入れるスマートコントラクト。2種類のトークン(例:ETHとUSDC)を担保し、所定の価格計算式に基づいてエンドユーザー向けに取引市場を形成する。流動性を預入れたユーザーは、そのプールで発生した取引手数料を得る。

さらに、他のDeFi(分散型金融)アプリケーションとの相互作用性(コンポーサビリティ)も強化される。プールの流動性の一部をレンディングプロトコルなど他のプロトコルに預けることで、追加のリターンを得ることが可能となる。例えば、ETHプールにある一部のETHをリキッドステーキングでの運用に回すといった手法があるという。

そして、Uniswap v4はガス効率の大幅な向上も実現する。これは新機能「シングルトン」の導入によるものだ。シングルトンにより、すべての流動性プールを一つのスマートコントラクト内に保管し、単一のコントラクトでのルーティングが可能になるため、ガス消費量を大幅に削減する。新しいプールを展開する際のコストを99%も削減できると見込まれている。

これらの改善により、さらに多くの流動性と、経験豊富なトレーダーがUniswapに引き寄せられるだろう。Uniswapは以下のように主張している。

フックとシングルトンというアーキテクチャの組み合わせにより、我々は信じられないほど強力なプラットフォームを作り出すことができると確信している。すなわち、それは迅速かつ安全なプールのカスタマイズと、多数のプールにおける効率的なルーティングを可能にする。

関連:AMM(自動マーケットメイカー)とは|仕組みやリスクを解説

Uniswapとは

Uniswap v4は、BLS(ビジネスソースライセンス)のもとでリリースされる予定で、その利用は最初の4年間、商用または生産環境での使用が制限される。その間、プロトコルの使用は、ガバナンスが承認したエンティティに限定される。BLSの期限を迎えると、制限は解除される。

ポッドキャストのインタビューで、Uniswapの創設者Hayden Adams氏は、v4のコードはまだ完成しておらず、セキュリティ監査もまだ実施されていないため、この新しいプロトコルが一般公開されるまでには時間がかかるだろうと述べた。コミュニティが独自の要素を加えて開発できるようにテクニカルホワイトペーパーが公開されており、プロジェクトからのフィードバックを募集している。

最近BinanceやCoinbaseなどの中央集権型取引所(CEX)に対する規制圧力が増加していることから、DEXのCEXに対する取引量比は5月に過去最高値を記録した。

Uniswapは最大のDEXとして存在感を示し続けており、執筆時点でオンチェーン取引量の約57.4%を占めている。DefiLlamaのデータによれば、Uniswapプロトコルへの預入総額を示す「Total Value Locked(TVL)」は5,418億円に上り、その規模は市場でトップの分散型取引所であることを証明している。

Uniswapプラットフォームは、2021年に現行バージョン(v3)をリリースし、集中流動性、複数の手数料階層、リアルタイムのオンチェーン価格オラクルといった新機能を追加して注目を集めた。v3のBLSライセンスは23年4月に期限を迎えていた。

関連:Uniswap v3の商用利用制限が切れる4月にDEX市場が注目される理由

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/09 火曜日
10:22
マイケル・セイラー氏、国家主導のビットコイン銀行システムを提案
ストラテジー社のマイケル・セイラー会長がアブダビで、ビットコイン担保型の高利回りデジタル銀行システムを各国政府に提案。20兆〜50兆ドルの資本流入を見込むが、価格変動性への懸念も。中東の全政府系ファンドと会談を実施。
10:00
ハイパーリキッド・ストラテジーズ、最大約47億円規模の自社株買い実施へ
仮想通貨ハイパーリキッドの財務企業ハイパーリキッド・ストラテジーズは、最大約47億円規模の自社株買いを実施すると発表。延期や中止の可能性もあるが最大で12カ月間実施する計画である。
09:40
アルゼンチン中銀、民間銀行による仮想通貨取引の解禁を検討か=報道
ビットコイン支持のミレイ政権下で、アルゼンチン中央銀行が民間銀行による仮想通貨取引サービスの許可を検討中だと伝えられる。実現すれば普及が促進される可能性もある。
09:35
UAE初、イスラム系銀行ルヤがビットコイン投資サービスを開始
UAE拠点のイスラム銀行ルヤが8日、仮想通貨インフラプロバイダーのフューズと提携し、モバイルアプリを通じてビットコイン投資サービスを開始した。イスラム系銀行として初めて顧客にBTCの売買を可能にする。
08:15
PLUMEとJUPITERがコインベースに新規上場、機関投資家向けアクセスも提供
米コインベースが12月9日にプルームとジュピターの現物取引を開始する。RWAトークン化のプルームとソラナ系DEXアグリゲーターのジュピターが新規上場し、機関投資家向けアクセスも利用可能になる。
07:55
SECがOndoへの捜査を訴追なしで終了、トークン化証券のハードルをクリア
トークン化プラットフォームのオンド・ファイナンスが、バイデン政権下で開始されたSECの捜査が訴追なしで終了したと発表した。トークン化証券が米国資本市場の中核となる時期が到来したと同社は期待。
07:15
仮想通貨投資商品、先週は1110億円超の資金が純流入
仮想通貨投資企業CoinSharesは、デジタル資産投資商品全体の先週の資金フローは約1,116億円の純流入だったと報告。ビットコイン、XRP、チェーンリンクの投資商品の需要が高かった。
07:02
ビットコイン担保をデリバティブ市場で使用、米CFTCがトークン化パイロットプログラムを開始
米CFTCがビットコイン、イーサリアム、USDCなどのデジタル資産をデリバティブ市場で担保として使用するパイロットプログラムを開始した。トークン化担保に関する新たなガイダンスも発行している。
06:25
ストラテジーが約1500億円でビットコイン押し目買い、7月以来の規模に
マイケル・セイラー率いるストラテジーが先週約10億ドルで10624BTCを追加購入した。7月以来の大口購入となった。
06:02
リップルの780億円資金調達、異例の年10%リターン保証で株式売却 投資家ヘッジに応じて=報道
ブルームバーグによると、リップルが11月に実施した5億ドルの株式売却で、投資家に3〜4年後に最低10%の年間リターン保証で未上場株式を売却する権利を提供していた。企業価値は400億ドルと評価されている。
05:35
ブラックロックもステーキング商品提供へ、イーサリアム現物ETFで
世界最大の資産運用会社ブラックロックがステーキング機能を備えたイーサリアムETFの登録届出書をSECに提出した。グレースケールやフィデリティなど他の発行体も仮想通貨ETFにステーキング機能を追加している。
12/08 月曜日
16:57
マクロン仏大統領、米仮想通貨規制緩和に警鐘 「金融不安定化のリスク」と指摘
フランスのマクロン大統領が米国のステーブルコイン規制緩和について警告を発し、金融不安定化のリスクを指摘。欧州中央銀行に金融政策の見直しを求め、欧州の金融主権維持を主張。ステーブルコイン市場は3000億ドル超に急拡大。
16:42
決済データDePINのSyFu、Finverseと提携しアジア5カ国のオープンバンキング展開へ
決済データ活用プロジェクトSyFuが、オープンバンキングプラットフォームFinverseと提携。香港、シンガポールなどアジア5カ国の約40金融機関と接続し、日常の支払いデータをトークンやNFTに変換できる仕組みを構築。欧州とアジアで世界規模のネットワークを確立。
14:58
トランプ大統領支援者所有の米Monet Bank、仮想通貨サービス事業に参入
トランプ大統領支援者アンディ・ビール氏所有のモネ銀行が仮想通貨特化型金融サービスに参入する。トランプ政権下での規制緩和により、エレボール銀行やN3XTなど仮想通貨対応銀行が相次いで誕生する中、資産60億ドルの小規模地域銀行がデジタル資産の保管・融資を提供開始する。
14:23
トランプ政権の国家安全保障戦略、仮想通貨に言及せず AI・量子技術を優先
トランプ政権が発表した最新の国家安全保障戦略で仮想通貨への言及がゼロ。AI・量子技術を重視する一方、「仮想通貨大統領」を公言してきた経緯との整合性をめぐり議論が起きている。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧