はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

Matter Labs、ハイパーチェーン構築可能な「ZK Stack」公開

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

2種類のハイパーチェーン

イーサリアム(ETH)のレイヤー2スケーリングソリューションZkSync Eraの開発を手掛けるMatter Labsは26日、モジュール型のオープンソースフレームワーク「ZK Stack」を公開した。

ZK Stackは、外部のプロジェクトがゼロ知識証明(ZK)技術を用いて、自身のネットワークを構築するためのもの。完全にカスタマイズ可能な第二層(L2)ネットワークや、ZkSync Era上の第三層(L3)としてのネットワーク構築が可能となる。

前者は、シーケンサー選択からデータ可用性モード、独自のトークンエコノミクスまで、制約なしにカスタマイズ可能。後者は、zkSync Eraと相互に運用でき、また共有の流動性プールにアクセス可能になることを意味する。

ZK Stack上のL2ネットワークも、必要に応じてHyperbridgeと呼ばれる機能を使用して他のネットワークと接続できる。Hyperbridgeはハイパーチェーン同士の相互接続を可能にし、信頼性のある高速な運用を実現する。

ZK Stackは、MIT/Apacheのオープンソースライセンスのもとで開発され、誰でも無償で利用可能です。Matter Labsは、今年中に最初のハイパーチェーンが稼働することを期待している。「ZK Stackは、コミュニティが(エコシステムを)拡張するためのツールキット」とブログ投稿で述べている。

私たちの最優先事項は、より多くのチームがZKスタックを理解し、その開発に貢献できるようにすること。ハイパーチェーンが増えることで、コアとなる貢献者の数が増え、コミュニティがzkSyncネットワークの真の所有者となり、ZK Credoの理念と価値観を守る力を得られるだろう。

ゼロ知識証明とは

ゼロ知識証明とは、証明(Proof)プロトコルの一種であり、証明者が「自身の主張は真実である」以外の情報を検証者に開示することなく、その主張が「真実である」と証明するメカニズム。

関連:Matter Labsが示す「ZK信条」、ゼロ知識証明の新たなビジョン

基本機能とセキュリティ

セキュリティ面では、ハイパーチェーンは自己完結型のブロックチェーンネットワークとして動作し、その安全性はイーサリアムの第一層(L1)に依存する。つまり、ハイパーチェーンは他のハイパーチェーンや外部の要素に依存せずに機能し、トランザクションの最終確認やセキュリティ保証はイーサリアムL1に委託する。これにより、ハイパーチェーンは高いセキュリティ保証を得られる。

Matter Labsの技術担当SVPであるアンソニー・ローズ氏は、仮想通貨メディアThe Blockに対して、ハイパーチェーンを実行する場合はシーケンサー(証明を検証するノード)を実行する必要があるが、すべてのプロジェクトが必要とするわけではないと明らかにした。

さらに、ZK Stackはネイティブなアカウント抽象化(プログラム決済機能)を提供。オラクル更新といった外部データを利用するトランザクションタイプは、ZK Stackを用いることで、他のロールアップ方式を使用するよりも大幅にコスト削減が可能だと述べている。

最近では、ブロックチェーンプロジェクトが自身の技術群を活用し、独立したブロックチェーンを作成する事例が増えている。この流れに沿って、第二層(レイヤー2)のプロジェクトも同様の取り組みを始めている。

例えば、OptimismにはOPスタックとスーパーチェーンがあり、既に米国の仮想通貨取引所Coinbaseが採用している。ここで注目すべき違いは、Optimismがオプティミスティックロールアップに基づいて構築されているのに対し、zkSyncはすべてのトランザクションでゼロ知識証明を使用して構築されている。

Optimistic Rollupとは

Optimistic Rollupは、オフチェーンでトランザクションを処理し、まとめてレイヤー1に提出する技術で、L2から送られる取引データが正しいことを前提に動作する。もし不正があった場合は、「不正証明」によって取引を無効にし、関係者に罰則や報酬が与えられる。

関連:コインベースの L2「Base」、テストネットのハードフォーク延期

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
06/21 土曜日
13:55
イーサリアムETF純流出に転じるも、ビットコインETFは9日連続流入 地政学リスク下でも需要堅調
6月20日、イーサリアム現物ETFが1134万ドル純流出で連続流入が途切れる。ビットコイン現物ETFはわずか636万ドル流入で9日連続流入を継続。地政学リスク下でも仮想通貨投資商品需要は堅調か。
13:05
ソラナ基盤Jupiter、DAO内部対立でガバナンス投票を2026年まで停止へ トークン価格に影響か
仮想通貨ソラナのDEXアグリゲーターJupiterのチームがDAO投票を2025年末まで停止すると述べた。投票権集中化などをめぐる内部対立が起きていたところだ。
11:05
テキサス州知事、ビットコインの「準備金保護法案」に署名 
米テキサスのアボット知事は300法案に署名したが、SB21には署名せず。準備金保護法案HB4488は署名済み。最重要なSB21が6月22日に自動成立見込みだ。
10:00
USDC発行サークル社の株価が大幅続伸 投資銀行シーポート「買い推奨」などで
ステーブルコインUSDC発行のサークル社株価が20%上昇した。投資銀行シーポートが買い推奨したことを受けたものだ。金利収益や規制法案の進捗により投資家に注目されている。
09:05
ソラナやXRP現物ETFの承認確率90%超か、ETF専門家がSEC前向き姿勢を評価
ブルームバーグのETF専門家が仮想通貨ETF承認確率を90%超に引き上げ。SECの積極的な関与を好材料と評価し、ソラナ現物ETFは2-4カ月以内承認の可能性。
08:45
メキシコの大富豪、ビットコイン価格の最低8倍上昇を予測
メキシコの大富豪リカルド・サリナス・プリエゴ氏は、仮想通貨ビットコインは近くゴールドよりも価値を高めるとの見方を示した。ビットコインの価格は最低8倍上昇すると概算している。
07:35
11万ドル突破後需要鈍化、ビットコイン現物購入が減速=CryptoQuant
クリプトクアントが6月19日にビットコイン需要分析を発表。現物需要は成長継続も拡大ペースが減速し、クジラとETFの購入が半減。サポートラインは9万2000ドルと分析。
06:40
米ワイオミング州のステーブルコインWYST、パイロットプログラムでAptosとSeiを選定
ワイオミング州ステーブルコイン委員会が政府発行ステーブルコインWYSTのパイロットプログラムでアプトスなどを選定。32点の最高評価でソラナと並ぶ。
06:00
ノルウェー政府、仮想通貨採掘の新規設立を一時禁止へ=報道
ノルウェー政府が電力集約的な仮想通貨マイニング新設を一時禁止すると発表。電力を他産業に優先配分し、雇用創出効果の低いマイニング事業を制限する方針。
05:40
ナカモトとカインドリーMD、ビットコイン戦略強化で75億円追加調達完了
ナスダック上場のカインドリーMDが72時間以内に75億円の追加資金調達を完了。ナカモトホールディングスとの合併に向けビットコイン購入資金を確保。
06/20 金曜日
18:58
ビットコインは"国の富"となり得るか? 通貨を超えた「戦略資産」として注目される理由
ビットコインはもはや単なる通貨ではない。米国の戦略的準備構想、ブータンの国家収益源活用、中国シンクタンクの準備資産検討など、各国がビットコインを戦略資産として位置づけ始めている。金とドルの特性を併せ持つデジタル資産として、秩序なき時代の新たな価値基準となりつつあるビットコインと日本はどう向き合うべきか。
13:55
ビットコイン、オンチェーン取引が空洞化=Glassnode
Glassnodeの最新レポートによると、ビットコイン市場の構造が大きく変化。オンチェーン取引が減少する一方で、中央集権型取引所での現物・先物・オプション取引が急拡大しており、オフチェーンでの活動が主流になりつつある。
13:30
世界最小島国ナウル、太平洋初の仮想通貨規制当局を設立
太平洋の島国ナウル共和国が仮想通貨規制当局「CRVAA」を設立する法案を可決。気候変動リスクに対する経済的回復力強化と新たな収益源確保が狙い。
13:00
DeFiレンディングのTVLが過去最高8兆円を記録、AAVE・Morpho・Mapleがけん引
DeFiレンディングプロトコルの預かり資産総額が過去最高の8兆円を記録した。AAVE、Morpho、Mapleが牽引しており、SEC委員長のDeFi支持発言も追い風となっている。
11:54
ビットコイン10万4000ドル台で推移、現物市場の需要後退も機関投資家は資金流入継続
ビットコインは前日比+0.2%の104,560ドルで推移。中東情勢の緊迫化とFRBの高金利継続姿勢が重石となる中、現物市場では売り圧力が優勢に。一方でビットコインETFには5日連続で13.9億ドルが流入し、機関投資家の中・長期的な買い姿勢は堅調だ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧