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米地裁、SECの文書に関するバイナンスの要請を却下

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

裁判所はSECの言い回しに介入せず

米国のバーマン・ジャクソン地裁判事は26日、米証券取引委員会(SEC)がバイナンスに対して起こした訴訟で、SECの文言を非難するよう裁判所に求めるバイナンス側の要請を却下した。

ジャクソン判事は、要請却下の理由について、次のように説明している。

この訴訟におけるすべての弁護士は、常に倫理的な義務を守るべきだが、その点を再確認するための裁判所の介入が現時点で必要であるとは思えない。

また、裁判所が当事者のプレスリリースの言い回しに介入することが必要であるとも、適切であるとも思えない。さらに、SECのこれまでの広報活動が、この訴訟手続きに重大な影響を与えることも明らかでない。

背景として、バイナンス側は、SECがバイナンスには顧客資産の不正転用の可能性があると記述していたことについて、陪審に不利な影響を与える可能性があるとして問題視していた格好だ。

この文言は、SECとバイナンスが、バイナンスUS資産の凍結を回避することで合意した時にSECが出したプレスリリースに書かれていた。

その中でSECは、バイナンスのチャンポン・ジャオ(CZ)CEOとグローバル版バイナンスが、バイナンスUSの顧客資産を管理し、顧客資産を自由に転用したりすることができる状況にあったと申し立てている。

バイナンス側は、SECが証拠を提示することもなく、こうした主張をしているとして反論していた。

関連SECとバイナンスUS、資産凍結の回避で合意

また、バイナンス側の弁護士は先週、「SECのプレスリリースは、市場に不当な混乱をもたらすことを目的としているようで、バイナンスの顧客を保護するどころか逆に損害を与える可能性がある」と裁判所に申し立てていた。

「被告(バイナンス)の行動の証拠に関する、誤解を招く説明を行っており、陪審員の印象に影響するリスクがある」とも主張している。

判事は今回、こうした申し立てについて、SECのプレスリリースの文言に裁判所が介入することはないと判断した形だ。

ジャクソン判事は、本訴訟における、バイナンスの書面での申し立て提出日について9月21日を期日として設定している。

SECとは

1934年設立。公正な取引の確保と投資家保護を目的としており、インサイダー取引や企業の不正会計、相場操縦などを防止する。仮想通貨が有価証券に該当するかという判断も行う。SECは「Securities and Exchange Commission」の略で、日本では「証券取引等監視委員会」が近い役割を担っている。

▶️仮想通貨用語集

SEC側の主張

SECは、バイナンスに対する訴状で、CZ氏が管理する「Merit Peak」「Sigma Chain」という2社のアカウントが、バイナンスや他の関連主体も含め、何百億ドルもの米ドルの送金に利用されていたとしていた。

さらに、Sigma Chainがこうした資金で、約15億円(1,100万ドル)のヨットを購入していたとも主張している。

SECはこうした疑惑の裏付けとしては、2022年の監査や、仮想通貨企業へもサービス提供していたシルバーゲート銀行およびシグネチャー銀行から入手した銀行記録の詳細を挙げていた。

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