はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

Sui開発企業CEOが語る、Web3ゲームの課題とSuiの優位性|WebXインタビュー

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Sui開発企業のCEOに取材

ディエム(旧リブラ)系L1ブロックチェーン「Sui」の開発企業Mysten LabsでCEOを務めるEvan Cheng氏は、7月開催のWebXカンファレンスでCoinPostの取材に応じた。

ディエムは、メタ(旧フェイスブック)が開発を主導していた仮想通貨プロジェクト。Mysten Labsはメタ出身のメンバーが創設したため、Suiはプログラミング言語など、ディエムの技術を継承している。

Cheng氏はメタで働き始める前、10年超の間アップル社で勤務。アップル社では複数の技術部門でシニアマネージャーを務めた。

関連「GM Radio」 次回はディエム系L1「Sui」の開発企業Mysten Labsが参加

Suiはスマートコントラクト機能を備えたL1ブロックチェーン。並列処理を行うなどして処理能力が高いことが大きな特徴だ。

今回Cheng氏には、以下の6点を質問した。

質問内容

アップル社での経歴を踏まえた上で、Web2とWeb3の類似点と違いは何か。またWeb3業界で働き始めた理由は

Cheng氏

私は技術者として自分のキャリアを築き、アップル社で10年、フェイスブックで6年勤務しました。これまで旧式のシステムや問題のあるシステムを完全に改善することで評価を得ています。この評価が、Web3業界で働き始めた理由です。

Web3は、コンセプトに興味を持ちました。所有権の変更、プロダクト体験の改善、価値や資産の移動に対する考え方の変化といった点に関心を持ったのです。

しかし、ガス代やネットワークの混雑、拡張性といった課題がWeb3にはあります。こういった課題を解決し、実世界の問題に対応するためのツールがSuiです。

Web3ゲームやDeFi(分散型金融)のユースケースにおけるSuiの優位性は

Cheng氏

水平方向の拡張性、実現可能で効率的なコストモデル、シームレスなユーザー体験が、Web3ゲームやDeFiにおけるSuiの重要な優位性です。

例えば、イーサリアム(ETH)のブロックチェーンではトランザクションを行うのに平均12秒かかるのに対し、Suiは0.5秒でNFTを売ることができます。ブロックチェーンのパワーユーザーは、12秒の待ち時間を非常に長く感じるでしょう。

もう1つの強みは、Suiのプログラミング言語「Sui Move」です。開発者はSui Moveを使うことによって、より速くて安く安全なだけでなく、柔軟な分散型アプリを作ることができます。

Suiの最初の完璧なユースケースはゲームでしょう。なぜなら、ユーザーがすでに存在しているからです。

ゲーマーはこれまでお金と時間をかけ、「フォートナイト」や「リーグ・オブ・レジェンド」のようなゲームで自分のアバターをカスタマイズしたり、強化したりしてきました。

彼らは、Suiが提供する「デジタル資産における真の所有権」の価値を理解しています。

Web3ゲームの市場や普及の障害は何か

Cheng氏

ゲーマーは、Web2の速さや便利さに慣れています。高い手数料やネットワークの混雑を我慢することはあまりできないでしょう。ゲームを買うよりも、遊ぶ方にお金がかかるようでは、魅力的なゲームとは呼べないと思います。

また、Web3ゲームの多くは、遊びやすさよりも収益化を優先する傾向にあります。それでは遊ぶ楽しみを提供できないので、そこも問題だと感じます。

SuiとMysten Labsから見て、アジアのゲーム市場の優位性は何か

Cheng氏

アジアのゲーム市場は巨大で、急速に発展しています。全ゲーマーの55%がアジアに住んでいるとも言われ、日本のスクウェア・エニックスのような大きなブランドがWeb3ゲームを開発するために、すでにブロックチェーン企業とパートナーシップを締結しました。

分散型のインフラや真の所有権というWeb3のメリットと、遊びやすさというWeb2のメリットを組み合わせたゲーム体験のために、アジアの市場は成熟していると思います。

欧米と比較して、アジアのゲーム市場をどうみているか

Cheng氏

アジアは欧州と比較して、ゲーマーが様々な「体験」を優先するというデータがあります。例えば、アジアのゲーマーはシューティングゲームよりも、eスポーツを好む可能性があるという意味です。

しかし、基本的にはゲーマーはゲーマーであり、彼らは全員、人を引きつけ、没入感のある体験を求めています。特に、アジアでも欧米でも市場はモバイルゲームに価値を感じており、モバイルゲームがWeb3ゲームへの入口になると思います。

日本のWeb3ゲーム業界でSuiの競争力を高めるには、どのようなパートナーシップが必要か

Cheng氏

Mysten Labsは、電通のような日本企業とのパートナーシップを歓迎します。電通との協業は7月に発表しており、我々は日本で急速に発展するクリエイターエコノミーの拡大を支援していきます。

また、我々は、モバイルゲームに特化したパートナーシップをグリーと締結しました。このように、魅力的なゲーム体験を作る優れたスタジオとのパートナーシップは、ゲームに最適なプラットフォームとして、Suiの発展を推進してくれると思います。

関連Aptos、Sui、Linera—注目のDiem(旧Libra)系L1チェーンを比較|前編

関連Aptos、Sui、Linera—注目のDiem(旧Libra)系L1チェーンを比較|後編

日本企業とのパートナーシップについて

日本のソーシャルゲーム大手グリーは今年6月、Mysten Labsと戦略的パートナーシップに係る覚書を締結したことを発表した。

このパートナーシップによって、グリーの100%子会社で、シンガポールを拠点とする「BLRD PTE LTD.」が、Suiのバリデーションを開始すると説明。さらに、日本国内のIP(知的財産)を利用したWeb3ゲームについて、Suiでの展開に向けた取り組みを加速させる計画だと述べている。

関連グリーがMysten Labsと提携、「Sui」のバリデーター参画とWeb3ゲーム開発を計画

また、7月には電通が、Suiブロックチェーン上で、クリエイターエコノミーの形成に向けたプロジェクトを開始したことを発表した。

日本のゲーム産業やデジタルエンターテインメント産業に向け、Sui上でエコシステムの普及とクリエイターエコノミーの形成を推進すると電通は説明している。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/09 火曜日
11:45
米大手銀行CEO、上院議員と仮想通貨市場構造法案を協議予定 ステーブルコインの利息付与に反対表明へ=報道
バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ウェルズ・ファーゴのCEOが9日、上院議員と会談し仮想通貨市場法案を協議する。銀行側はステーブルコインへの利息付与に反対し、仮想通貨分野での競争能力確保を求める姿勢だ。
11:23
テザーのUSDT、アブダビで「法定通貨参照トークン」認定範囲が拡大 9チェーン追加
テザーのUSDT、アブダビで法定通貨参照トークンの認定範囲を拡大。新たに9つのブロックチェーンで規制業務が可能に。USDC、USD1、RLUSDも承認済み。UAEがステーブルコイン規制拠点として台頭。
10:22
マイケル・セイラー氏、国家主導のビットコイン銀行システムを提案
ストラテジー社のマイケル・セイラー会長がアブダビで、ビットコイン担保型の高利回りデジタル銀行システムを各国政府に提案。20兆〜50兆ドルの資本流入を見込むが、価格変動性への懸念も。中東の全政府系ファンドと会談を実施。
10:00
ハイパーリキッド・ストラテジーズ、最大約47億円規模の自社株買い実施へ
仮想通貨ハイパーリキッドの財務企業ハイパーリキッド・ストラテジーズは、最大約47億円規模の自社株買いを実施すると発表。延期や中止の可能性もあるが最大で12カ月間実施する計画である。
09:40
アルゼンチン中銀、民間銀行による仮想通貨取引の解禁を検討か=報道
ビットコイン支持のミレイ政権下で、アルゼンチン中央銀行が民間銀行による仮想通貨取引サービスの許可を検討中だと伝えられる。実現すれば普及が促進される可能性もある。
09:35
UAE初、イスラム系銀行ルヤがビットコイン投資サービスを開始
UAE拠点のイスラム銀行ルヤが8日、仮想通貨インフラプロバイダーのフューズと提携し、モバイルアプリを通じてビットコイン投資サービスを開始した。イスラム系銀行として初めて顧客にBTCの売買を可能にする。
08:15
PLUMEとJUPITERがコインベースに新規上場、機関投資家向けアクセスも提供
米コインベースが12月9日にプルームとジュピターの現物取引を開始する。RWAトークン化のプルームとソラナ系DEXアグリゲーターのジュピターが新規上場し、機関投資家向けアクセスも利用可能になる。
07:55
SECがOndoへの捜査を訴追なしで終了、トークン化証券のハードルをクリア
トークン化プラットフォームのオンド・ファイナンスが、バイデン政権下で開始されたSECの捜査が訴追なしで終了したと発表した。トークン化証券が米国資本市場の中核となる時期が到来したと同社は期待。
07:15
仮想通貨投資商品、先週は1110億円超の資金が純流入
仮想通貨投資企業CoinSharesは、デジタル資産投資商品全体の先週の資金フローは約1,116億円の純流入だったと報告。ビットコイン、XRP、チェーンリンクの投資商品の需要が高かった。
07:02
ビットコイン担保をデリバティブ市場で使用、米CFTCがトークン化パイロットプログラムを開始
米CFTCがビットコイン、イーサリアム、USDCなどのデジタル資産をデリバティブ市場で担保として使用するパイロットプログラムを開始した。トークン化担保に関する新たなガイダンスも発行している。
06:25
ストラテジーが約1500億円でビットコイン押し目買い、7月以来の規模に
マイケル・セイラー率いるストラテジーが先週約10億ドルで10624BTCを追加購入した。7月以来の大口購入となった。
06:02
リップルの780億円資金調達、異例の年10%リターン保証で株式売却 投資家ヘッジに応じて=報道
ブルームバーグによると、リップルが11月に実施した5億ドルの株式売却で、投資家に3〜4年後に最低10%の年間リターン保証で未上場株式を売却する権利を提供していた。企業価値は400億ドルと評価されている。
05:35
ブラックロックもステーキング商品提供へ、イーサリアム現物ETFで
世界最大の資産運用会社ブラックロックがステーキング機能を備えたイーサリアムETFの登録届出書をSECに提出した。グレースケールやフィデリティなど他の発行体も仮想通貨ETFにステーキング機能を追加している。
12/08 月曜日
16:57
マクロン仏大統領、米仮想通貨規制緩和に警鐘 「金融不安定化のリスク」と指摘
フランスのマクロン大統領が米国のステーブルコイン規制緩和について警告を発し、金融不安定化のリスクを指摘。欧州中央銀行に金融政策の見直しを求め、欧州の金融主権維持を主張。ステーブルコイン市場は3000億ドル超に急拡大。
16:42
決済データDePINのSyFu、Finverseと提携しアジア5カ国のオープンバンキング展開へ
決済データ活用プロジェクトSyFuが、オープンバンキングプラットフォームFinverseと提携。香港、シンガポールなどアジア5カ国の約40金融機関と接続し、日常の支払いデータをトークンやNFTに変換できる仕組みを構築。欧州とアジアで世界規模のネットワークを確立。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧