はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

分散型SNSの2つの潮流、普及のカギは?|「WebX」レポート

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ソーシャルメディアの分散化

7月25日、WebXカンファレンス(WebX実行委員会主催、Coinpost協力)にて、「なぜ今、分散型SNSが求められているか」というテーマでのパネルディスカッションが開催された。

業界のトップリーダーたちが一堂に会し、Web3技術によるソーシャルメディアの分散化のメリットや、ビジネスモデルの将来像について深く議論した。

このセッションに参加したのは、ツイッター(X)など向けのWeb3要素の拡張機能を展開する「Mask Network」創業者のヤン・スジ氏、分散型コンテンツレイヤー「ReadON」の共同創業者Y.ネオ氏。

分散型SNS「Phaver」共同創業者・CEOのリンターラ・ヨナタン氏、動画NFTソーシャル「REVO」の共同創業者チャン・ティム氏。

モデレーターはトークン型コミュニティ管理システム「collab land」の共同創業者兼CCO、ヤング・アンジャリ氏が務めた。

出典:WebX

関連:分散型ソーシャルグラフ「CyberConnect」がBaseチェーンへ拡張、ネイティブトークンをローンチへ

分散型SNSの潮流

分散型SNSの市場には、マストドンやブルースカイのように分散型サーバーを利用するものと、Phaver、Lensプロトコルのようにブロックチェーン技術を活用するものという、2つの主要なアプローチが存在している。チャン・ティム氏によれば、これらのアプローチは、アプリケーションがデータを持たず、ユーザーがデータのコントロール権を保持するという共通の特性を持っている。

イーロン・マスク氏がツイッター(現「X」)を買収して以降、そのプラットフォームにおける認証機能の変更や表示アルゴリズムの修正などが大きな話題となっている。こうした変化に対する中央集権的な方針への不満から、一部ユーザーが分散型のソーシャルメディアプラットフォームへの移行を開始している。

この動向について、チャン・ティム氏は「権威はアプリケーションの中心にあるべきではなく、真の権威はユーザーにあるべきだ。」との見解を示している。

さらに、PhaverのCEO、ヨナタン氏はRedditの事例を引き合いに出しながら、特定のスレッドへの独断的な制限について言及。「10年以上もコミュニティを運営してきたモデレーターだろうと、自らの投稿コンテンツに対する真の所有権がないことに気づきはじめた。」と指摘している。このようなユーザーに向けて、従来のSNSの使い勝手を保持しつつ、分散型のメリットも享受できる形を提供するのが、新たな分散型SNSの使命だとヨナタン氏は述べている。

一方、ネオ氏は分散型SNSの特色として、クリエイターが制御権を持ち、自分のデータにアクセス権を管理すること。つまり、データに金額をつけ、そこで発生する利益の一部を得られるようになるとまとめた。

関連:ツイッター社から独立した分散型SNS「Bluesky」、アップル社のアプリストアでテスト配信

プラットフォームの持続可能性

従来のSNSのビジネスモデル、例えば「X」や「facebook」は、ユーザーが商品であり、そのデータを通じて広告を配信することで利益を生む形態を取っている。この方式は無料でのサービス提供を可能としているが、分散型SNSの舞台ではそのモデルが大きく変わる可能性が高い。

この問題を掘り下げる中で、ヤン・スジ氏は分散型SNSの持続的な存続と成功のためには、外部の資金提供やサポートが不可欠だと指摘。アメリカ独立の過程で重要な役割を果たしたベンジャミン・フランクリンの事例を引き合いに出し、分散型SNSのコミュニティが外部の力を利用して資金調達を行う「革命的な気運」が高まっているとの見解を示した。

ベンジャミン・フランクリンは1776年から1785年までアメリカのフランス大使として活動。彼の働きかけにより、フランスの経済的な支援や参戦を確保することに成功した。

現在、Nostr、Lens、Farcaster、CyberConnectといった分散型SNS及びプラットフォームが稼動中で、それぞれが新しい取り組みや実験を進めている。ユーザビリティや収益モデルの探求は、各プラットフォームの課題となっている。

過去を見れば、facebookやTikTokなどの主流となるSNSは主に若者を中心に急速に拡大してきた。分散型プラットフォームの採用の獲得はそうならないとヨナタン氏。有力なコンテンツクリエイターたちがこれらの新しい場へ移行することによって促進されると語った。

主流のクリエイターたちが中央集権的なプラットフォームの制約に気づき、自らのコンテンツをよりコントロールできる場へと移行する瞬間が、分散化への大きな転換点となるだろう。

関連:ポリゴン基盤ソーシャルレイヤー「Lens Protocol」が20億円調達 テンセントなどが参加

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10/15 水曜日
18:50
モブキャストHD、ソラナ投資に5億円を投じる計画
モブキャストHDは暗号資産事業への本格参入を決定し、ソラナ(SOL)購入に向け5億円を投資する計画を発表。ステーキング収益も視野に入れる。
18:30
リップル、南アフリカでカストディ事業強化 金融大手アブサバンクと提携
リップルは南アフリカのアブサ銀行と提携し、アフリカで初の大手カストディパートナーを獲得。デジタル資産の安全な保管と事業拡大を進めます。
17:55
イーサリアムFusakaアップグレード、テストネットSepoliaで有効化 12月メインネット実装へ 
イーサリアムの次期アップグレード「Fusaka」が10月14日、テストネットSepoliaで稼働開始した。PeerDAS技術により処理負担を大幅軽減し、取引速度を最大12,000件/秒まで向上。12月のメインネット実装に向けて段階的にテスト展開中。年内2度目の大型アップグレードでスケーラビリティをさらに強化へ。
17:28
コインチェックグループ、機関投資家向け事業を強化
Coincheck Groupが仏Aploの買収を完了し、国内では事業法人向けクリプト・トレジャリー支援を開始。海外と国内の両面で機関投資家向け事業を拡大する。
17:19
コインベース、インド大手の仮想通貨取引所CoinDCXへ投資 評価額3700億円相当
米暗号資産取引所大手コインベース・グローバルが、インドの暗号資産取引所CoinDCXに追加出資。投資後の企業価値は24.5億ドルと評価される。この出資はCoinDCXが今年7月にハッキング被害に遭った数カ月後。コインベースはインドと中東地域での事業拡大を目指す。
15:00
ブラックロックCEO、資産トークン化を次の成長戦略に 620兆円市場狙う
ブラックロックのラリー・フィンクCEOが、不動産から株式・債券まであらゆる資産のトークン化を次なる成長戦略と位置づけた。世界のデジタルウォレットに保管された約620兆円の資金に着目し、ETFのトークン化を視野に入れている。
14:15
ソルメイトが75億円相当ソラナを購入、キャシー・ウッドのアークが主要株主に
ナスダック上場のソルメイト・インフラストラクチャーがソラナ財団から75億円相当のSOLを15%割引で購入。米大手ヘッジファンドアーク・インベストが11.5%の同社株を保有している。
13:45
バイナンス、仮想通貨の上場費用告発を否定
バイナンスはリミットレス・ラボのヘザリントンCEOがトークン供給量の8%要求を告発したことに対し、虚偽で名誉毀損的だと反論。取引所は上場手数料を請求していないと表明した。
13:20
ニューヨーク市、全米初の自治体仮想通貨専門局を設立
ニューヨーク市のアダムス市長が行政命令に署名し、全米初となる自治体の仮想通貨・ブロックチェーン局を設立した。モイセス・レンドン氏が局長に任命され、責任ある仮想通貨の利用を促進する。
11:40
バイナンス、韓国への再進出なるか 当局がGopax買収で二年半ぶりに審査再開=報道
韓国当局が仮想通貨取引所バイナンスのGopax買収審査を約二年半ぶりに再開したと伝えられる。米国での訴訟取り下げが背景で、今年中の役員変更承認の可能性もある。
11:25
テザー、セルシウス破産管財団に約450億円和解金支払う
ブロックチェーン・リカバリー・インベストメント・コンソーシアム(BRIC)は、テザーがセルシウスネットワークの破産管財団に約450億円を支払ったと発表した。2024年8月に提起した訴訟が和解に至った。
10:40
ウィズダムツリー、ステラ(XLM)ETPを欧州市場で上場
米ウィズダムツリーがステラブロックチェーンのネイティブトークンであるXLMに投資できるETPを欧州で立ち上げた。現物裏付け型で管理報酬は0.50%と欧州最低水準となる。
10:25
米カリフォルニア州、休眠仮想通貨の強制清算を阻止する法案成立
米カリフォルニア州で休眠仮想通貨の自動清算を禁止する法案が成立。現物のまま州政府に移転され所有者は価格上昇時に恩恵を受けられるようになる。
10:20
イーロン、ビットコインのエネルギー基盤構造を評価
イーロン・マスク氏は、仮想通貨ビットコインは法定通貨で見られる増刷による価値低下に耐性があるとの見方をXに投稿。最近はマスク氏がビットコインに言及するのは珍しい。
08:00
S&Pグローバル、チェーンリンク経由でステーブルコイン評価を提供開始
S&Pグローバルがチェーンリンクと提携し、ステーブルコイン安定性評価をブロックチェーン上で提供すると発表した。格付け機関の評価がスマートコントラクトで直接利用可能になるのは業界初となる。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧