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香港のステーブルコイン発行ガイドライン、来年公開目指す

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ステーブルコイン発行を可能にする枠組み

香港の立法会議員のダンカン・チウ氏は19日、「2023年上海ブロックチェーン国際ウィーク」に出席し、香港政府はステーブルコイン発行者向けの規制ガイドラインを2024年半ばに発表できる可能性があると話した。金色財経が報じた。

チウ氏によると、現在、香港の議会はステーブルコインに関する第2回目の協議を行っており、来年半ばまでには関連する規制条件をすべて公開し、業界参加者が香港でステーブルコインを発行できるようになることが期待されているところだ。

香港の証券先物委員会(SFC)は6月1日より暗号資産(仮想通貨)取引所向けの新規制を施行している。個人ユーザーによる仮想通貨取引を解禁すると同時に、「取引所のライセンス制」など投資家保護にも力を入れている。

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チウ氏は新規制に続いて、どのような種類の商品を売買できるか、革新的な商品の開発や、それを購入できる者の条件などが今後検討されるだろうとも続けた。

政府支援の香港ドルステーブルコインを望む声も

香港内では、香港ドルと結びついたステーブルコインの発行を望む声も上がっている。7月に、香港科技大学の副学長で香港web3協会の首席科学顧問でもあるワン・ヤン氏らが政策提案を行った。

ヤン氏らは、民間の機関にステーブルコインの発行を認めようとする香港政府の計画では市場シェアが限定される可能性があると主張している。政府が支援する香港ドル建てのステーブルコインを発行することを推奨する形だ。

政府の支援を受けた香港ドルステーブルコインは、民間のステーブルコインと比較して、信頼性を高く、リスクを低くすることができると述べた。なお、ステーブルコインのリスクとしては技術的リスクや短期的な為替レート変動などを挙げている。

ヤン氏らは、こうした政府のステーブルコインは、香港が脱ドル化に向けて実質的な一歩を踏み出し、USDCやUSDTなど仮想通貨エコシステムにおける米ドルの支配に挑戦するのに役立つとも主張していた。

さらに、政府の投資プロジェクトに追加の流動性を提供し、伝統的な資産のデジタル化や金融の革新と競争力を促進し、透明性を高めることもできるとしている。

ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

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Web3産業を育成

香港政府は、Web3産業の成長促進にも力を入れている。2月には、Web3の開発促進に向けた予算として68億円を計上。7月には、Web3誘致を促進するタスクフォースを立ち上げた。

2023-2024年の予算では、Web3エコシステム開発推進のために、約9億円を確保し、これを政府が全額出資するテクノロジー関連企業向けの起業支援事業「サイバーポート(Cyberport)」に割り当てている。

サイバーポートの最高経営責任者であるサイモン・ヤム・キンシュン氏によると、サイバーポートは香港の恒生銀行と協力し、9月には中央銀行デジタル通貨(CBDC)であるデジタル香港ドルの一般消費者向けテストを実施する予定だ。

サイバーポートには現在、190社以上のWeb3企業があり、ブロックチェーンインフラストラクチャー、金融技術、デジタルエンターテインメントなど、様々な分野に取り組んでいる。

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Web3とは

現状の中央集権体制のウェブをWeb2と定義し、ブロックチェーン等を用いて非中央集権型のネットワークを実現する試みを指す。代表的な特徴は、仮想通貨ウォレットを利用したdAppsへのアクセスなど、ブロックチェーンをはじめとする分散型ネットワークのユースケースがある。

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