「OpenSea Studio」をリリース
大手NFTマーケットプレイスOpenSea(オープンシー)は3日、クリエイターが技術的なスキルなしでNFT作成・管理に関する一連のタスクを行えるようにする「OpenSea Studio」をリリースした。
OpenSeaは、この新たなスタジオ機能の導入理由について、次のように説明している。
現在、クリエイターはさまざまなタスクに複数のプラットフォームを使用しなければならないことが多く、NFTプロジェクトを立ち上げるためにテクニカルサポートを外部委託する人もいる状況だ。
こうした一連のタスクを誰でも簡単に行えるように、クリエイターがプロジェクトの立ち上げと管理をワンストップで行える「OpenSea Studio」を立ち上げる。
NFTとは
「Non-Fungible Token」の略称で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。ブロックチェーンゲームの「デジタルアイテム」交換などに用いられるのみならず、高額アート作品の所有権証明や、中古販売では実現の難しかった「二次流通市場」における権利者(クリエイター)への画期的な還元手段としても注目を集める。
▶️仮想通貨用語集
「OpenSea Studio」の主な機能
At OpenSea, we want creators to focus on creativity instead of operational mechanics.
— OpenSea (@opensea) October 3, 2023
Starting today anyone can create and manage a drop end-to-end — including setting up allowlists, uploading media/metadata (with previews), and building the page.
But that’s not all. pic.twitter.com/PgLLn0BrPj
「OpenSea Studio」の機能としては、主に以下のものが挙げられた。
- 許可リストの設定
- メディアやメタデータのアップロード(プレビュー付き)
- ドロップページ(NFT公開ページ)の構築
- NFTを自分のウォレットに鋳造(ミント)
クリエイターは、コーディングなど不要でこうした機能が利用できる。NFTはOpenSeaと互換性のあるほとんどのブロックチェーン上で作成可能だ。また、購入者がクレジットカードやデビットカードを使用してNFTを購入できるようにする。
なお、「許可リスト」とは、NFTの一般販売を行う前に、熱意のあるファンなどに限定して先行で購入を許可できる機能だ。
さらに、今後数か月間で他の新機能も追加される予定である。OpenSeaは特に、ストーリーテリングとエディションの機能について説明した。
「ストーリーテリング」を使うと、NFTコレクションの紹介を充実させることが可能だ。没入型ビデオ、画像、テキストモジュール、ロードマップやFAQなどをコレクターが閲覧し、そのプロジェクトについて簡単に知ることができるようになる。
「エディション」は、販売用のNFTを迅速かつ簡単にアップロードできるようにするものであり、OpenSeaは、その気軽さを表現して「インスタグラムへの投稿」に例えている。
こうした一連のサービス「OpenSea Studio」は、クリエイターがNFTが売れる前にオフチェーンでアイテムを作成できるようにする従来の機能「lazy minting」に代わるものだ。
NFT市場は縮小中
The Block Researchのデータによると、NFTの月次取引高は今年2月から大幅に減少傾向だ。
The Blockのデータによると、2月に週当たり約534億円(約3.6億ドル)の取引高を記録したが、直近の週(9月24日~10日1日)では約83億円(約5,600万ドル)へと縮小している。
また、取引所別の売上高では、2月にロイヤリティを低額に設定するNFT市場Blurが日次取引高でOpenSeaを上回った。
OpenSeaは、ライバルへの対抗も背景に8月、現在のNFT保有者が任意でロイヤリティ設定できる制度を導入した。しかし、これは投資家やNFTスタジオ大手Yuga Labsなどから批判を浴びた。Yuga Labsは、2024年2月までにOpenSeaとの関係を解消すると述べている。
関連:Openseaの新たなロイヤリティモデルに逆風、投資家やYuga Labsから非難