空間コンピューティング技術会社への投資
著名NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club」で知られるYuga Labsは5日、空間コンピューティングとAIを融合させたアプリケーション開発のスタートアップHadeanへの戦略的投資を行ったと発表した。Hadeanは「Otherside」の技術開発を支援するため、米国チームを設立する。
Yugaは投資額の公表は控えたが、自社が進めているメタバース「Otherside」の開発に長期的なコミットメントと更なる注力を示す動きだと表明した。
英国発の分散型プロジェクトHadeanは、AI(人工知能)を駆使した空間コンピューティングを用いて、AR/VR/XR(拡張現実/仮想現実/それら包括)向けアプリケーション開発を専門とする。空間コンピューティングは、物理的な空間とデジタルな情報を融合させる技術であり、精緻でリアルな3Dバーチャル体験をユーザーに提供。
例えば、ARヘッドセットは、この空間コンピューティングの一形態であり、アップルの「Vision Pro」などが代表的だ。
Hadeanは、2022年9月にシリーズAラウンドで3000万ドルを調達し、「フォートナイト」で知られるエピック・ゲームズも出資。さらに今年3月にも500万ドルを調達していた。
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Othersideのパートナー企業
Yuga Labsはまた、先月末にOthersideで大型のマルチアクセスメタバースイベント「Otherside Second Trip」を開催。90分間のイベントでは7,200人以上のプレイヤーが参加し、「従来のWeb3メタバースでは達成できなかったユーザビリティを実現している」との声もあがっている。
更に、Yugaは9月にOthersideを中心とした技術的コラボレーションをAccelByte、Bad Rhino、Farawayといったスタートアップとも発表。その他、イギリスのメタバースの基盤OS開発企業Improbable社も協力。Improbable社の主力製品は、クラウドベースの3Dグラフィック製作プラットフォーム「SpatialOS」、Epic Gamesなど大手企業も提携している。
Yuga Labsは、Bored Ape Yacht Clubだけでなく、CryptoPunks NFTコレクションのIPも所有。2022年3月には評価額40億ドルで4億5000万ドルを調達した。
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