CoinPostで今最も読まれています

急増するステーブルコインの現状調査:仮想通貨市場における位置づけとは

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ステーブルコインの存在意義
一般的な仮想通貨と異なり、ステーブルコインはドルを始めとした現実の法定通貨や金などのコモディティと同じような値動きがなされるよう担保される。その普及により市場のボラティリティが低減することが期待されている。
Blockchain社による市場調査
同社はステーブルコインを取り巻く現在のトレンドを調査し、ステーブルコインの流通量や種類、またステーブルコインが市場のボラティリティ低下の一助になるのかを考察したレポートを発表した。
ステーブルコインの課題
多くのステーブルコインは法定通貨の脅威となりうるため、銀行など様々な経済機関から強い反撃を受けるリスクがある。しかし同レポートでは、ステーブルコインが「仮想通貨資産におけるインフラ、基礎を築く土台」になると予測している。

ステーブルコインの存在意義とは

ステーブルコインはこれまでに多くの投資家の注目を集めてきました。

一般的な仮想通貨と異なり、ステーブルコインはドルを始めとした現実の法定通貨や金などのコモディティと同じような値動きがなされるよう担保され、価格変動(ボラリティティ)が著しく小さいという特徴があります。

ボラティリティの大きさは現在の仮想通貨市場における最大の課題の一つです。

多くの投資家がこの市場への参入に足踏みしているのも、ボラティリティの大きさを懸念していることが関係しており、法定通貨にペッグしたステーブルコインの普及は市場のボラティリティを低減させるポテンシャルを秘めていると言えます。

仮想通貨企業の一つであるBlockchain社は、ステーブルコインを取り巻く現在のトレンドを調査し、ステーブルコインの流通量や種類、またステーブルコインが市場のボラティリティ低下の一助になるのかを考察したレポートを発表しました。

Blockchain社による市場調査

同社の調査では57種類のステーブルコインが調査の対象となり、その中にはTether、TrueUSD、Dai、Digix Goldなどが含まれてます。

そのうち27種類のステーブルコインが現在すでに流通しており、残りについてはプレローンチの段階であるとのことです。

直近1年でステーブルコインの数は急増し、さらに新たなステーブルコインの発行が今年末までに多く計画されています。

これらのステーブルコインの多くは大別して2つのカテゴリー、(1) 「asset-backed(現物資産に裏付けられた仮想通貨)」と(2)「algorithmic(価格を一定に保つために中央銀行のような機能を持つアルゴリズムが組み込まれている仮想通貨)」に分けられると同社は述べています。

およそ77%のステーブルコインが「asset-backed」タイプであり、そのうち約66%がUSドルを現物資産に採用しています。

また、これらのステーブルコインのうち半分以上が、何らかの配当システムを採用しています。

例えば、Digixトークンで採用されている配当システムがその一例です。

ステーブルコインの市場規模

ステーブルコインの中で最も普及している「Tether」は、今やビットコインに次ぐ2番目に取引量の多い仮想通貨であり、仮想通貨ごとの時価総額ランキングにおいてもトップ10に入るほど、その存在感を増しています。

Tetherはステーブルコインの現在の取引量の98%を占めており、46の仮想通貨取引所で売買が行われています。

ステーブルコインの総時価総額は今や30億ドル(約3400億円)にも上り、全仮想通貨の市場の1.5%を占めています。

またステーブルコインの創設にあたって、のべ3.5億ドルがベンチャーファンドにより捻出され、その多くがアメリカ、スイスの法人として運用されてます。

ステーブルコインの課題

多くのステーブルコインは言うまでもなく法定通貨の脅威となりうるため、銀行など様々な経済機関から強い反撃を受けるリスクがあります。

米名門UCLA大学の経済学部の教授であるBarry Eichengreen氏は、現物資産に裏付けられたステーブルコインの発行により、本来得られる国の利益が損なわれる可能性を示唆しています。

ドルを例にとると、投資家たちはステーブルコインを通じてアメリカ政府によって価値が担保されているドルを仮想通貨の購入に使用することとなりますが、その仮想通貨は身元が明らかな機関に発行された通貨ではなく、使用できるかどうかも怪しい場合が多いです。

同氏は、ステーブルコインを利用した取引は資金洗浄や税金逃れなどに終始し、その正当な普及が拡大することは見込めないと述べています。

しかし、同社のレポートでは、ステーブルコインが今後ますます普及するだろうと主張されています。

同レポートの著者は、ステーブルコインを「仮想通貨資産におけるインフラ、基礎を築く土台」と形容しており、仮想通貨エコシステムでバリューを発揮することになるだろうと述べています。

彼らは、市場が成熟するにつれ、ステーブルコインがボラティリティの課題を解決する手段となることを信じています。

CoinPostの関連記事

ペッグ通貨の競争が激化:米サークル社のステーブルコイン「USDコイン」取引開始
現金やクレカの代替手段としても期待されるステーブルコイン。USDCは分散型オープンソースCENTRE基準を満たすことで、政府金融当局規制に準拠する銀行等、他金融機関でも発行可能とされている。
テザー財政審査結果『流通量を上回る裏付け資金』と公表|正式な監査は依然として必要
6月20日、テザー社 (Tether Limited) は、ついに第三者による、USDTの米ドルによる裏付けに関する報告書を発表しました。「透明性の最新情報」と題し、テザー社の一連の疑惑に対する弁明と同社の立場を表明した声明の中に含まれています。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/24 水曜日
09:40
「BTC価格上昇は半減期から50〜100日後」QCP Capital
仮想通貨ビットコインの今後の価格が急上昇するのは半減期から50〜100日後であるとQCP Capitalが分析。また、Bitfinexも半減期後の相場レポートを公開した。
08:45
ソラナJupiter、DEXモバイルアプリ5月公開予定
既存のUltimateウォレットは5月22日から利用できなくなるため、その前に仮想通貨の一時的移転(PhantomやMagic Edenウォレット)を推奨した。
08:10
米国のイーサリアムETF上場申請、5月承認は見込み薄か
申請中の仮想通貨イーサリアム現物ETFの多くは5月に最終判断を迎える予定だが、多くのアナリストは承認の確率が低いと予測。背景には、イーサリアム財団への任意捜査で米SECがETHを有価証券に分類しようとしている点や、ビットコイン現物ETFが承認されてからまだそれほど時間が経っていない状況などがある。
07:10
ビットコインの機能を拡充する新提案が公開
仮想通貨ビットコインのブロックチェーン上でスマートコントラクトなどを実現する開発提案がBIP-420として公開。以前から関心を集めている提案の内容が改めて説明された。
06:35
バイナンスアプリの削除、フィリピン当局がアップルとグーグルに命令
フィリピンはバイナンスの顧客基盤における重要な構成国だが、同SECは2023年11月以降、バイナンスを投資に利用しないよう国民に積極的に警告していた。
05:50
エルサルバドルの国営ビットコインウォレット、ハッカーがコードを流出
今回の漏洩は、4月上旬に報告された510万人のサルバドル人の個人情報リークを含む、一連のChivoウォレット関連のハッキングに続くものだ。
04/23 火曜日
19:00
メゾンマルジェラ MetaTABI NFT発売
メゾンマルジェラがMetaTABI NFTを一般販売開始。デジタル専用設計のタビシューズはThe Fabricantとのコラボで、限定版タビブーツとレザーウォレットが付属。今後のWeb3ブランドイベントにも参加可能。
18:00
ライフカードVプリカ 仮想通貨で購入可能に
ライフカードが暗号資産(仮想通貨)決済サービス事業者Slash Fintechと提携。2024年5月15日から「Slash Vプリカ SHOP」でステーブルコイン等を使ったVプリカギフトの販売を開始する。インターネットショッピングやオンラインゲーム等、デジタルサービスでのプリペイド決済が拡大する見込み。
14:00
ベネズエラ、石油取引で仮想通貨使用を加速か
ベネズエラの国営石油会社PDVSAは原油と燃料の輸出において、暗号資産(仮想通貨)の利用を増やす計画だ。背景には米国による制裁再発動がある。
13:00
SEC弁護士2名が辞任、「重大な権力乱用」と非難受け 
米仮想通貨企業Debt Boxに対する訴訟において、連邦地裁が「重大な権力乱用」を理由に米国証券取引委員会に制裁を課したことを受け、同委員会の担当弁護士2名が辞任したことがわかった。
12:00
「スイス中銀はビットコインを準備資産に持つべき」2B4CHが提唱
スイスの仮想通貨擁護団体「2B4CH」は、スイス国立銀行がビットコインを準備金として持つことを提唱している。国民投票を目指す計画だ。
11:00
米大統領候補ケネディJr氏、ブロックチェーンによる国家予算監督を提唱
米大統領選候補のロバート・F・ケネディ・ジュニア氏は21日、米国の国家予算をブロックチェーンに記録して透明性を高めるという考えを披露した。
10:12
NY証券取引所、取引時間の延伸を検討か
仮想通貨と同様に株式等を24時間取引できるようにすることのメリットなどを、ニューヨーク証券取引所が市場参加者に調査していることがわかった。調査の概要が明らかになっている。
09:25
Xverseウォレット、ビットコインRunes機能対応
XverseはOKXのOrdinalsマーケットプレイスや、Magic EdenのビットコインNFT電子市場で利用可能だ。ライバルの仮想通貨ビットコイン専用ウォレット「UniSat」もRunesに対応済み。
08:00
FTX、ロックされたソラナを個人投資家参加のオークションに
FTXは4月上旬ロックされたSOLを清算するために、高割引として、2,500万~3,000万の仮想通貨SOLを約19億ドル相当で売却。これは、1トークン=64ドルの安値だったが、当時の価格は約175ドルだった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/24 11:30 ~ 13:30
その他 オンライン
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
重要指標
一覧
新着指標
一覧