セントルイス連邦準備銀行:仮想通貨が「トリフィンのジレンマ」を解決するか

セントルイス準備銀行がツイッター上で質疑応答
セントルイス連邦準備銀行がツイッター上で質疑応答セッションを設け、 同行のエコノミストであるAndolfatto氏が仮想通貨などに関する質問に答えた。
経済問題『トリフィンのジレンマ』は、仮想通貨で解決可能か
『トリフィンのジレンマ』は仮想通貨で解決可能かという質問に対し、 Andolfatto氏は世界通貨の立場を仮想通貨が代わってくれるのなら、USドルなどはジレンマから解放されるだとうと語った。

仮想通貨は『トリフィンのジレンマ』を解決できるか

アメリカに12ある連邦準備銀行の一つであるセントルイス準備銀行は、これまでもビットコインに対して肯定的な態度を示すなど、仮想通貨に対して好意のある姿勢を示してきました。

セントルイス準備銀行は、10/2(火)にTwitter上で質問を受け付ける時間を設け、 リサーチ部門でヴァイス・プレジデントを務めるDavid Andolfatto氏(以下Andolfatto氏)を中心に活発な議論が交わされました。

その中でAndolfatto氏は、仮想通貨がUSドルの直面する問題を解決する手段となるかもしれないと語ったのです。

ツイッターのユーザーの一人が、このような疑問を投げかけました。

「仮想通貨は『トリフィンのジレンマ』を解決できるだろうか」

『トリフィンのジレンマ』とは、50年ほど前に経済学者のロバート・トリフィン教授によって指摘された経済問題です。

USドル等のグローバルな通貨は発行国以外の国々も保有したがるため、通貨の追加発給を行って外貨準備の需要を満たしますが、これによって貿易的な損失が発生するという経済的矛盾のことを示します。

USドルが世界通貨としての役割を保つには、アメリカが貿易的損失を被らねばならないのです。

この質問に対し、Andolfatto氏はこのように答えました。

「『トリフィンのジレンマ』は、世界通貨として振る舞うことが、諸刃の剣であることを指す。 もし(USドルなどの実通貨が果たす)世界通貨の役割を仮想通貨が代わってくれるのであれば、 その実通貨はジレンマから解放されるだろう」

準備銀行は仮想通貨をどう扱うのか

質疑応答セッションでは、他にも「仮想通貨がUSドルの代替となりうるか」、 「連邦準備銀行は仮想通貨への金融政策を案じたことがあるか」といったような質問が寄せられました。

Andolfatto氏は明確な回答を避け、仮想通貨が基本的には民間通貨であり、中央銀行の範疇外であることを示しました。

「中央銀行からすれば、民間通貨は実質的に外貨の扱いである。中央銀行は金融政策を管轄するが、民間通貨の成長については責を負う立場にない」

「長期的な予測は立てられないが、仮想通貨がUSドルに取って代わるとは考えない。なぜならUSドルには、分散コンセンサスを使った記録保持など不要だからだ」

「(仮想通貨によって中央銀行がマイナス金利の設定を思いとどまるということは)ありえるが、必然ではない。 準備銀行のある国の状況によるだろう。例えば、スイス銀行の準備金に仮想通貨が成り代わることは考えにくい」

CoinPostの関連記事

セントルイス連邦準備銀行:ビットコインを肯定的に評価する論文を発表
米国セントルイスの連邦準備銀行がビットコインをプライバシー保護の観点から評価する論文を発表。米国の連銀は総じて懐疑的な立場を保ち続ける中、セントルイス連銀は継続して肯定的に捉えている。
セントルイス連邦準備銀行:ビットコインと現金は似通った点が多数存在する
セントルイス連邦準備銀行によれば現金とビットコインは似通った点があるとのことで、現金とビットコインはあらゆる点で異なるという一般の認識とは異なった見解を示しました。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「LINE@」厳選情報を配信!

日本や海外の「重要ニュースまとめ」をいち早く入手したい方は、ぜひ登録してみて下さい。

友だち追加