はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

米ウォーレン議員が仮想通貨関連大手企業のロビー活動を批判 コインベースらに説明求める

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨業界のロビー活動

エリザベス・ウォーレン米上院議員は18日、暗号資産(仮想通貨)業界の主要団体に宛てた書簡で、業界による米議会へのロビー活動が、テロ資金供与における仮想通貨使用に対処する取り組みを弱体化させていると批判した。

ウォーレン議員が書簡を送ったのは、米最大手取引所コインベースと業界団体大手のブロックチェーン協会、仮想通貨シンクタンクのコインセンターの3団体。書簡では、米ポリティコ紙の報道に言及し、これらの団体がワシントンでのロビー活動のために、元政府関係者を雇用し利用していると指摘した。

私は、貴協会と他の仮想通貨関係者が、ハマスや他のテロ組織への資金提供における仮想通貨の役割に対処するための議会とバイデン政権における超党派の取り組みを弱体化するために、「それほど秘密ではない武器:元国防、国家安全保障、法執行当局者の小軍団」を利用しているという憂慮すべき新たな報告について書いている。

仮想通貨とテロ資金供与

ウォーレン氏は、10月7日のハマスによるイスラエルへの攻撃以降、仮想通貨が「(ハマスの)作戦活動にとって不可欠なもの」となっていることが明らかになったと主張している。

大手取引所バイナンスが、テロ資金供与防止対策を実施せず、有罪判決を受けた件に言及し、同取引所の「故意の失敗により、プラットフォームを通じてテロリスト、サイバー犯罪者、児童虐待者に資金が流れることを可能にした」と非難した。

このような懸念に対処するため、米議会で「デジタル資産マネーロンダリング防止法案」に対する支持が拡大する一方で、仮想通貨業界の対応は「テロリストや犯罪者による仮想通貨の使用を制限する新たな規則の延期と否定に焦点を当てているようだ」とウォーレン氏は述べた。

仮想通貨業界が反論

ハマス支援のために仮想通貨が利用されたという説には、仮想通貨企業が相次いで反論している。

ブロックチェーンデータ分析企業Ellipticは、「その証拠はない」として、データから事実関係を明らかにする声明を発表。Chainalysisも資金の流れを追跡するレポートで、主流メディアの報道が誤った結論を導き出したと指摘した。

関連:「ハマスへの巨額の仮想通貨寄付の証拠はない」=データ分析企業Elliptic

直近では、米ドルステーブルコイン「USDC」を提供するサークル社が、ハマスの資金調達に関与した可能性を真っ向から否定する公開書簡を議員に提出している。

関連:仮想通貨USDC発行の米サークル社、「テロ資金調達への関与はない」 議員らに書簡

ブロックチェーン協会は、「違法金融とマネーロンダリングに関する仮想通貨の役割についての誤解に対処し、明確にする」ため、仮想通貨企業と元軍関係者及び国家安全保障の専門家40人が署名した書簡を議会に提出した。

「回転ドア」

ウォーレン議員は書簡で、上述のブロックチェーン協会提出の書簡について、「仮想通貨の違法行為を軽視し、政策に反対するもの」として批判している。

同氏は、仮想通貨業界が元当局者という「回転ドア」に数百万ドルを費やし、「自らに正当性という見せかけを与え」、仮想通貨企業の利益を損なう可能性のある「常識的なテロ資金供与防止規則を阻止するために徹底抗戦している」と主張する。

ウォーレン氏は、政府当局者が退職後、「ほぼ即座に」高い報酬が約束された「国の政策に強い関心を持つ民間企業のロビイストやアドバイザー」の職を得られることを問題視している。

現在、議会にはこのロビー活動法の抜け穴を塞ぎ「回転ドアの乱用を制限する」法案が提出されているという。

議会と国民は、仮想通貨企業がどの程度回転ドアを利用しているのか、現行のマネーロンダリング防止法とテロ資金調達法の穴をふさぐ努力と戦っているのかについて、透明性を確保する必要がある

ウォーレン氏は書簡を送った3団体に対し、政府職員を雇用するための回転ドアの利用と職員の仕事の範囲に関する一連の質問に答えるよう求め、その期限を来年1月14日とした。

業界の反応

ブロックチェーン協会のクリスティン・スミス理事は、仮想通貨業界も「テロと戦い、国家の安全を守るという共通の目標」を共有しており、ウォーレン議員の「業界と個人の信用を傷つける」行為は、「残念な一歩」だと述べた。

コインセンターのジェリー・ブリトー常任理事は、Xでウォーレン氏の書簡は「いじめの宣伝行為」に他ならないと批判し、以下のプレスリリースを共有した。

志を同じくする専門家を巻き込んで、違憲であり国家の福祉に有害であると心から信じる法案に反対を唱えることは、「議会における超党派の努力を弱体化する」ことにはならない。むしろ、それは自由に結社し、政府に請願する基本的権利の行使である。それはすべての人の権利であり、誰もそれを行うことを謝罪すべきではない。

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/17 土曜日
14:00
アブダビ政府系ファンド、ビットコインETF買い増しで保有額750億円突破
アブダビのムバダラ・インベストメントが第1四半期にブラックロックのビットコインETFを49万株追加購入。ゴールドマン・サックスは最大保有者として3000万株を保有。
13:05
ビットコインETFフェイクニュース事件、犯人に懲役14か月の判決
米SEC公式Xアカウントを乗っ取り、ビットコインETFについてのフェイクニュースを流した26歳の被告に懲役14か月の判決が下りた。偽情報で仮想通貨市場を混乱させたことが重大視された。
11:00
ビットコイン長期保有数1437万BTCに到達も、利確売り強まる=アナリスト分析
ビットコインの長期保有者が3月から5月にかけて利益確定を加速。支出利益率は71%増加し227%の平均リターンを記録。長期保有量は1437万BTCに達するも、市場サイクルの分配フェーズへの移行を示唆。
10:10
トランプ家のWLFI、民主党議員による調査要請を正式拒否
トランプ一族の金融企業WLFIが上院による調査を拒否した。政治的動機と批判し、同社は説明責任や米ドル優位性を指針としていると主張。倫理規定違反の疑惑なども否定している。
09:02
ETH・BTC比率が5年ぶり急騰、アルトシーズンの到来示唆か
イーサリアム/ビットコイン(ETH・BTC)価格比率が過去5年最低水準から38%急反発。ETFによる買い増し、取引所流入減少などの指標から需要増加・売却圧力低下が鮮明に。「極端な過小評価ゾーン」からの回復が示すアルトコインシーズン到来の可能性を分析。
07:50
ビットコインで利回り獲得、Solvがアバランチ基盤の新トークン発表
仮想通貨ビットコインの保有者にRWAの利回り獲得手段を提供するため、Solv Protocolはアバランチ上にSolvBTC.AVAXをローンチ。ローンチの目的や仕組みを説明した。
07:30
10億ドルのビットコイン投資を検討、米上場のシンガポール医療企業
シンガポールの医療企業バーゼル・メディカル・グループが10億ドル規模のビットコイン投資に関する交渉を開始。ストラテジー社に続く大規模企業BTC投資の新事例として注目される中、「革新的な株式交換契約」を通じてアジア医療企業最強の財務体質構築を目指す。
06:45
米裁判所、SECとリップルの和解案を「手続き上不適切」として却下 再申請へ
米連邦地裁がSECとリップルの和解申請を「手続き上不適切」として却下。民事訴訟規則違反が原因で、両者は適切な手続きでの再申請を迫られる状況に。
06:25
イーロン・マスクの『Kekius Maximus』切り替えでミームコインが2倍以上急騰
イーロン・マスク氏がツイッターのプロフィール画像とユーザー名をミームトークン「Kekius Maximus」に変更し、関連トークンが2倍以上急騰。昨年の900%上昇・急落事例に続くマスク氏のSNS活動による仮想通貨市場への影響力を示す展開に。
06:05
サウジ中央銀行、15億円相当のストラテジー株保有でビットコインに間接投資
サウジ中央銀行がセイラーのストラテジー社の株を25656株取得し仮想通貨ビットコインへの間接投資を開始したことが確認された。
05/16 金曜日
17:00
マスクネットワークとは?仮想通貨MASKの買い方・取引所まで徹底解説
Mask NetworkはSNS×Web3をシームレスに接続するSocial-Fiプラットフォーム。本記事では特徴とMASKトークンの買い方を初心者向けに解説します。
13:50
米ステーブルコイン法案、来週末までの成立視野に 次の「起爆剤」との見解も
米上院のステーブルコイン法案「GENIUS法案」で新たな超党派修正案が決定された。消費者保護や倫理規定が強化され、5月19日に討論終結投票が予定されている。
11:58
ビットコイン高値圏推移もアルトコインは上昇一服
仮想通貨ビットコインは104,100ドルと高値圏で推移、アルト市場ではメイプルストーリー(NXPC)はバイナンス対応で一時高騰したほか、XRPは7,300万ドル相当の大口売りとリップル和解手続き却下で下落した。コインベースはサイバー攻撃で最大4億ドルの損失も被害者への返金を約束した。
11:30
ブラックロックの「BUIDL」、初めてDeFiと接続へ アバランチ利用で
ブラックロックの米国債ファンド「BUIDL」がアバランチ上のプロトコル「Euler」に導入された。セキュリタイズは、機関投資家のDeFi参入を促進する一歩になったとしている。
10:55
加速する企業のビットコイン争奪戦、米上場のDDC社が5000BTC取得計画
香港発DDCエンタープライズが5000ビットコイン取得計画を発表。テザーの4812BTC購入、アデンタックスの8000BTC購入のための交渉、ウクライナの国家準備金構想など、企業・国家レベルでビットコイン争奪戦が激化。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧