はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

WTO年次報告書、仮想通貨とブロックチェーンの影響を掲載|リップル社の将来性などを評価

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

デジタル化が貿易に及ぼす影響についての大規模な報告書
デジタル技術が今後15年の世界貿易にどのような影響を与えるかについて分析し、ブロックチェーン、特にRipple社が将来的に既存銀行システムを含む世界の金融システムに重大な影響をもたらしうると肯定している。
各プロジェクトの評価
236ページに及ぶ「世界貿易報告書」は、ビットコインやイーサリアム、アイオタといった仮想通貨に加え、リップル社の将来性を高く評価。デジタル技術が今後15年の世界貿易にどのような影響を与えるか分析した。

世界貿易機関(WTO)は、「世界貿易の未来:デジタル技術がどのように世界の商取引を変えつつあるか」と題して、236ページに及ぶ2018年版の世界貿易報告書を公開した。

世界貿易機関(WTO)は「World Trade Report2018」と題する主にデジタル化が貿易に及ぼす影響についての大規模な報告書を発表し、ブロックチェーン、特にRipple社が将来的に銀行システムを含む世界の金融システムに重大な影響を与えうるとしている。としており、デジタル技術が今後15年の世界貿易にどのような影響を与えるかについて分析している。

以下がRipple社に関する原文となる。

Ripple社はDLTを通して、従来の仲介銀行を必要とせず、しかもわずかな手数料で送金決済のできるシステムの構築を目指している。現在同社はすでに100以上の銀行と提携しているが、大規模のオペレーションは限られており、ほかの多くの銀行はこのシステムを試行中である。

その中で、WTO事務局長のRoberto Azevêdo氏は、「今、我々は前代未聞の技術変革の時代を生きている」と述べ、具体的には、AI、IoT、3Dプリンター技術と並んで、ブロックチェーン技術は、「誰と、何を、どのように取引するかといった商取引の方法を抜本的に変える可能性を持っている」と主張した。

ブロックチェーンをベースにした具体的な仮想通貨に関しては、ビットコインとイーサリアムを取り上げ、サイバー攻撃に高い耐性を持つ点を評価している。

一方で、ブロックチェーン技術が「人々の生活を変える」ほど普及するかという論点では、パブリックブロックチェーンの持つスケーラビリティの問題にも触れ、次のように記している。

まず第一に、主要なパブリックブロックチェーンのスケーラビリティは、ブロックの所定のサイズと、ネットワークの電力供給レベルにより、制限されている。

たとえば、ビットコインプラットフォームは平均で毎秒7回のトランザクションを処理し、パブリックブロックチェーンのイーサリアムの場合はその2倍の量にとどまる一方、Visaは毎秒2,000トランザクションを処理し、最大では1秒あたり56,000トランザクションを処理できる。

同時に、国際取引ではより一般的に試験運用されている、許可制のブロックチェーン にも言及し、Hyperledger Fabricのように、毎秒3500のトランザクションが可能な例も引き合いに出している。

また、ブロックチェーンは最もよく知られた分散型台帳技術の一つではあるが、唯一のものではないとして、ブロックチェーンをベースとしない分散元帳技術であるIOTAの画期的な仕組みについても言及している。

さらに、ブロックチェーンのこれからの課題として、異なるブロックチェーン同士の相互運用性の問題や、規制の管轄範囲や責任の所在などの法的問題があることも付け加えている。

しかし、総括して、ブロックチェーンは、「信用機構(=a trust machine)」であると米エコノミスト誌の引用をもって定義し、その活用分野は、金融から財政、土地の登記、オンライン投票、そしてサプライチェーンの統合にまで及ぶと高く評価している。

さらに、世界的リサーチ企業、Gartnerのブロックチェーン動向報告書を引用し、「限られた成功事例と非合理的な盛り上がり」を見せている現在の状況から、2022年から2026年の間には、「より大きな集中投資と多くの成功事例」が見られ、2026年以降は、ブロックチェーン技術は「世界規模の大規模な経済的付加価値」となり、2030年までにブロックチェーンはコスト削減と収益増加により、世界で3兆ドル(339兆円)の価値をもたらす可能性があるとしている。

経済の面において、デジタル技術が国際取引にはどのような影響を与えるかについては、別項を設けて解説をしており、その中で、取引コストを下げる取り組みの一つとしてRipple社の例を取り上げて、次のように記している。

Ripple社は、分散型台帳プラットフォームを介してコルレス銀行(外貨の中継金融機関)のシステムを回避するという野心を抱いている。コルレス銀行に頼ることなく、わずか数秒で、ゼロまたは、ほんの僅かなコストで、資金を様々な通貨に、直接変換できる能力を銀行に提供する。Ripple社は100を超える銀行や金融機関と提携をしているが、これまで、大規模な運用は限られており、システムは依然として試験段階にある。

一方で、貿易金融の法的な観点からは、次のように付け加え、新しい技術を冷静に見極める態度は崩していない。

最終的に、ブロックチェーンが貿易金融のデジタル化に成功するかどうかは、現行の規制上の課題に、効果的に対処することができるか、また、技術の使用に伴う便益が、既存のシステム(単にデジタル化された書類を送る)から離れることを上回るかどうかに、かかっている。

現在のシステムは、コストが高く、紙を大量に消費し、面倒かもしれないが、法的保護の観点からみると、まだ効率的だと言える。結論はまだ出ていない。

しかし、WTOがブロックチェーンならびに仮想通貨について、年次報告書で肯定的な態度を示したことは、仮想通貨業界にとって、大きな朗報だと言えるだろう。

参考記事:www.wto.org

CoinPostの関連記事

SBI Ripple Asia:リップルDLTベースの支払いアプリ『マネータップ』一般サービス開始
SBI Ripple Asiaは、米リップル社のxCurrent技術を搭載、財務局認可済みスマートフォン支払いアプリ『マネータップ』の一般サービスを10/4に開始した。iOSとAndroid版でインストール可能に。3銀行で送金手数料を無料にすることで、少額送金のキャッシュレス化を促進する。
リップル『SWELL 2018』前夜にRippleNet委員会発足|イベント内容はYoutube発信予定
リップル社最大級の国際カンファレンス「SWELL」の内容は、公式サイトやSNS、Youtubeで発信予定。前夜開催のRippleNet委員会には、三菱UFJやSBI、バンクオブアメリカ、メリルリンチ、アメックス等の代表が集結した。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/10 水曜日
11:05
「ビットコイン・アフターダークETF」申請 夜間取引時間の高パフォーマンスに着目
ニコラス・ウェルスが米国夜間取引時間のみ仮想通貨ビットコインを保有する新たなETFを申請した。夜間の高リターン傾向に注目したものだ。ヘッジ型ETFも同時申請した。
09:50
プライバシー重視のステーブルコイン「USDCx」、Aleoのテストネットでローンチ
仮想通貨のステーブルコインUSDCを発行するサークルは、プライバシー機能を持つL1ブロックチェーンAleoのテストネットでUSDCxがローンチされたことを発表。ユースケースなどを説明した。
09:48
仮想通貨市場は政策待ち姿勢 ビットコインとイーサリアムに資金集中=Wintermute分析
Wintermuteの最新市場分析によると、仮想通貨市場は米FRBや日銀の政策決定を前に様子見姿勢を強めている。資金はビットコインとイーサリアムに集中し、レバレッジ水平は低位。先週金曜の急落後も市場は底堅さを保ち、質への選別が進む。レンジ相場継続の見通し。
09:05
プライバシー重視ブロックチェーン「Octra」、30億円規模のICO実施へ
完全準同型暗号技術を採用する仮想通貨プロジェクト「Octra」が2000万ドル規模のトークンセールを実施する。これまでも分散化重視で資金調達を行ってきた。
08:40
コインチェック、NACの新規取扱いを検討 NOT A HOTELとRWA領域で協業強化へ
コインチェックがNOT A HOTEL DAOの暗号資産NACの取扱い検討とRWA領域の協業強化を発表。NACの活用や共同サービスの開発方針について解説します。
08:20
「仮想通貨市場は次の10年間で最大20倍成長する可能性」Bitwise幹部
Bitwiseの最高投資責任者は、仮想通貨市場は次の10年間で10倍から20倍まで容易に成長する可能性があるとの見方を示した。ビットコインなどを例に挙げ、根拠を説明している。
12/09 火曜日
17:40
リミックスポイント、エネルギー事業の中期経営計画を発表 3年で営業利益3.7倍目指す
リミックスポイントが2027-2029年度の中期経営計画を発表。エネルギー・蓄電事業で売上高692億円、営業利益91億円を目指す。日本蓄電池と提携し系統用蓄電所7カ所を共同運営。同社は242億円超の仮想通貨も保有し、多角的な事業展開を推進。
15:52
補正予算の国会質疑で仮想通貨税制が議題に 国民民主党が質問、高市首相は「与党税調で検討中」と答弁
補正予算の国会質疑で暗号資産(仮想通貨)税制が議題に。国民民主党は雑所得として最高税率55%が適用される現行制度を見直し、分離課税化を要求。高市首相は税制改正大綱に基づき与党税調で検討を進めていると答弁した。
13:35
米XRP現物ETF、全期間で純流入を記録 約1459億円に到達
米XRP現物ETFが上場以来全期間で純流入を記録し、約1,459億円に到達。仮想通貨ETF史上2番目の速さで8億ドルを突破し、機関投資家の継続的な買いが続いている
13:20
カナダ税務当局、仮想通貨利用者の4割が未申告と推定
カナダ歳入庁が過去3年間で仮想通貨関連監査により1億カナダドル以上を徴収したが、2020年以降刑事告発は行われていない。同庁は仮想通貨プラットフォーム利用者の40%が未申告または高リスクだと推定している。
12:50
『ガス先物市場』、ヴィタリックがイーサリアム手数料を安定させるアイデアを披露
仮想通貨イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏がガス代先物市場を提案した。将来の手数料をヘッジ可能にする構想であり、コミュニティ内で議論が活発化している。
12:00
XRPの買い方|おすすめ取引所と購入手順を図解【初心者向け】
暗号資産(仮想通貨)XRPの特徴から買い方、将来性、リップル社の最新動向や取引所の選び方も紹介します。ドナルド・トランプ次期米大統領の思惑やSECゲンスラー委員長交代による規制環境の変化、価格への影響を分析。
11:45
米大手銀行CEO、上院議員と仮想通貨市場構造法案を協議予定 ステーブルコインの利息付与に反対表明へ=報道
バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ウェルズ・ファーゴのCEOが9日、上院議員と会談し仮想通貨市場法案を協議する。銀行側はステーブルコインへの利息付与に反対し、仮想通貨分野での競争能力確保を求める姿勢だ。
11:23
テザーのUSDT、アブダビで「法定通貨参照トークン」認定範囲が拡大 9チェーン追加
テザーのUSDT、アブダビで法定通貨参照トークンの認定範囲を拡大。新たに9つのブロックチェーンで規制業務が可能に。USDC、USD1、RLUSDも承認済み。UAEがステーブルコイン規制拠点として台頭。
10:43
スイ(SUI)の買い方|元Meta開発者が手掛ける仮想通貨の将来性、おすすめ取引所
仮想通貨(暗号資産)スイ(SUI)の特徴や将来性、国内取引所での購入方法を初心者向けに詳しく解説します。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧