CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン急騰時に急落した「USDT」が18カ月ぶりの最低水準を記録|テザー疑惑を振り返る

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

USDTの急下落と価格乖離
15日、ビットコインの急騰と逆相関を示すような形で、テザーが急落して異常値を付けた。発行会社を運営するビットフィネックスで価格乖離が生じたことから、相場操縦疑惑も再浮上しつつある。
テザーとは
米ドル(USD)法定通貨と連動した価値を持っており、基本的に「1USDT≒1USD」の図式が崩れることはない。その性質上、仮想通貨売買における基軸通貨の一つとして扱われているが、同額のUSDが担保されていない可能性も浮上、一部で問題視されていた。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

USDTの急下落と価格乖離

10月15日、が仮想通貨市場で全面高が見られた中、安定通貨の仮想通貨USDT(テザー)価格は逆相関を示し、今年4月以来となる年初来安値を更新した。

出典: CoinMarketCap

昨日見られたUSDTの下落は、仮想通貨取引所ビットフィネックスにおけるビットコイン価格の乖離にもつながった可能性があり、海外大手メディアCoindeskでも示唆されている。

CoinPostの関連記事

本稿執筆時点でも、CoindeskのBTC価格6492ドルに対し、ビットフィネックスの価格は6698ドルと約200ドルの乖離が生じている。

出典:Bitfinex

出典:CoinDesk

このような価格乖離を受け、以前から疑問視されていたUSDTとビットフィネックスの関係性が再び問題として浮上しており、投資家はUSDTからジェミニ取引所が発表したGemini Dollar(GUSD)やTrueUSDのような他のドル建てのステーブルコイン、ビットコインなどに資金を移動している可能性が指摘されている。

以前から疑問視されていたUSDT

米CFTCからの召喚状

仮想通貨取引所ビットフィネックスは、USDTを発行するテザー社を運営している事が理由で、癒着などの問題で以前から懸念視されていた。

昨年12月にはテザー社とビットフィネックスがアメリカのCFTC(商品先物取引委員会)から召喚状が発令されていたなど、USDTの安定通貨としての性質への疑問点は今に始まったことではない。

過去にCFTCは、USDTを裏付ける「ドルや安定通貨を利用した市場操作の可能性」を理由に召喚状を発令していた。

市場操縦を指摘するテキサス大学の論文

また6月には、アメリカのテキサス大学から「ビットコインは本当に繋がれていないのか」と題された論文が発表され、仮想通貨市場に波紋を呼んだ。

出典:University of Texas

ビットコインは価格操縦に利用されている。

と概要部分に記述されている上、文中では

アルゴリズムを使い、ブロックチェーン上の取引記録を分析したところ、市場が低迷しているタイミングで、テザーによるビットコイン購入を合わせたことにより、ビットコイン価格の大幅な上昇を招く結果になったということが判明した。 ビットコインにおいては50%、上位仮想通貨では64%の、急激な価格上昇が関連づけられる。

このようなパターンは、投資家からの需要の表れとしては、説明がつかず、テザーが価格を下支えし、仮想通貨価格を操作するために使用されているという、供給に基づく仮説が、最も合理的な説明だ。

と厳しく批判した。

対抗するかのように公開されたテザー社報告書

なおその後、テザー社は6月15日に法律事務所Freeh Sporkin & Sullivan LLPが行った同社の担保資産に関する調査結果を開示している。

出典:Tether.io

米国の法律事務所であるFSSは、テザーの利用する2つの銀行口座を数週間に渡り分析した結果、6月1日時点でのテザー社の保有するドル額は約25億4000万ドルに達した事が判明している。

しかし、テザー社が利用している2つの銀行口座の銀行名は公開されておらず、FSSも

FSSは会計事務所ではないため、今回の審査と確認は、一般に公正妥当と認められた会計原則を用いて行われたものではない。

と説明を加えていた。

回復しているUSDT価格

なお、本稿執筆時点で、『ステーブルコイン』と称される仮想通貨USDTは時価総額8位にランクインしており、月曜日の下落から.97セント(109円)台まで回復している。

USDTに関する近日の動きに関してはこちらからどうぞ。

ビットコイン急騰の全容がチャートから明らかに、今後の懸念点も考察|仮想通貨市況
ビットコイン相場は週末続いたボラティリティの低い相場から一点大きく価格が乱高下した。しかし、その動きを追っていくとチャートから価格暴騰の全容と懸念点が見えてきた。
【速報】仮想通貨ビットコイン価格、70万5000円の「フィボナッチ78.6%」を超え急騰
仮想通貨ビットコインは、bitFlyerにて、697000円付近から743000円付近まで、46000円幅、5%弱の急騰を記録。3度も跳ね返されていたフィボナッチ61.8%ライン(705000円付近)を抜けたことが大きな要因と考えられる。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
10/05 土曜日
14:30
Ubisoft新作「Captain Laserhawk: The G.A.M.E.」、アービトラムでNFTリリースへ
新ゲーム「Captain Laserhawk」 フランスの大手ゲーム会社Ubisoftは、近日中にイーサリアムレイヤー2のアービトラム上で1万体のNFTコレクションを発売する計…
13:00
26000以上のBTC保有 米マラソン、ビットコインHODL戦略を継続
米マイニング大手マラソンがビットコインHODL戦略を継続。9月に売却を行わず26,842BTCを保有している。9月の採掘実績も発表した。
11:30
ビットワイズ、ビットコインとイーサリアム先物ETFで戦略変更 米国債ローテーションを採用
ビットワイズが3つの仮想通貨先物ETFの戦略変更をSECに申請。独自の「トレンドワイズ」戦略で市場下落時に米国債へローテーション。
10:45
EigenLayer、8億円の仮想通貨EIGENが不正売却 公式側が調査
イーサリアムのリステーキングプロジェクトEigenLayerで約8億円相当のEIGENトークンが不正売却。投資家のメールが侵害され、攻撃者がトークンを売却。
07:40
IMF「エルサルバドルはBTC投資に制限を」
仮想通貨ビットコインへの公的な投資に制限を課すことなどをIMFはエルサルバドルに勧告。IMFの報道官が会見で、同国のビットコイン政策に言及した。
07:15
コインベース、欧州でUSDTなどのステーブルコイン廃止へ MiCA法準拠で
大手仮想通貨取引所コインベースは10月4日、年末までに欧州連合(EU)域内で規制に準拠していない「ステーブルコイン」の上場廃止を行うと発表した。
06:45
ビットコインクジラ、2009年採掘のBTCを5億円分取引所へ送金
古参のビットコインクジラが5日、5億円相当のビットコインを米仮想通貨取引所クラーケンに送金したことが明らかになった。
10/04 金曜日
23:26
Sanctum(サンクタム)でソラナのステーキング利益最大化
仮想通貨ソラナ(SOL)のブロックチェーン上のDeFiプロトコル「Sanctum(サンクタム)」を詳しく解説。LSTの仕組みやCLOUDトークン、具体的な使用方法、将来展望まで。SOLのステーキングなど、投資利益を最適化したい方向け。
17:30
Bunzz Audit、AI搭載監査でWeb3事業のセキュリティを強化【独自取材】
Web3時代のセキュリティ課題に挑むAI駆動スマートコントラクト監査サービス「Bunzz Audit」を解説。従来の監査の問題点と革新的解決策を探る。DeFi、NFT事業者向け。
16:38
バイナンス、4種類の仮想通貨取引ペアを取扱い中止
海外の暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスは4種類の現物通貨ペアの取扱いを中止した。流動性向上を目的とした戦略の一環で、他の通貨ペアは引き続き利用可能。
15:00
ソラナの猫系ミームコイン「MEW」、米クラーケンに新規上場
米大手仮想通貨取引所クラーケンは8日にソラナ(SOL)基盤の猫をモチーフにしたミームコイン「MEW」を新規上場する予定だ。
14:30
リップル社、ラテンアメリカ大手仮想通貨取引所と協業
仮想通貨を活用した国際送金を変革するため、リップル社がラテンアメリカ大手取引所Mercado Bitcoinと協業。今後のユースケースなどを発表した。
13:00
ビットコイン発明者「サトシ・ナカモト」の正体に迫るHBOドキュメンタリー公開へ
ビットコイン考案者サトシ・ナカモトの正体を追うドキュメンタリーが近日公開。関係者へのインタビューなどで開発状況に迫る。
12:29
ビットコイン6万ドルの節目で下げ渋る、SEC控訴でXRPは急落
暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコインが6万ドルの節目で下げ渋り反発した。SECのリップル控訴を受け、XRPは急落している。
12:00
おすすめ国内仮想通貨取引所 投資家のクチコミ比較ランキング
コインチェック、bitFlyer、bitbank、GMOコインなど、国内大手のおすすめ暗号資産(仮想通貨)取引所のメリット・デメリットについて個人投資家の口コミ評価を集め、比較ランキングにしたページです。優先して口座開設すべき取引所探しに役立てて下さい。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア