はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

テザー社が560億円相当のUSDTを「破棄」 仮想通貨業界における新たな疑惑は論争に発展

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

560億円相当のUSDTが破棄される
USDTの発行企業テザー社は、5億USDT(560億円相当)を破棄(焼却)し、トークンを売却した事が明らかになった。発行とは逆の工程を行い、USDに戻し、テザーを破棄することになる。

560億円相当のUSDTが破棄される

USDTの発行企業テザー社は、5億USDTを破棄したことが明らかになった。

出典:omniexplorer.info

USDTの動きをトラッキングするOminiブロックチェーンデータにて、テザー社は5億USDTを同社の金庫アドレス(1NTMakcgVwQpMdGxRQnFKyb3G1FAJysSfz)からUSDTの発行用アドレスへ移され、その後破棄されたことが確認できる。

なお、同社はこの発行アドレス(3MbYQMMmSkC3AgWkj9FMo5LsPTW1zBTwXL)を明かしているため、同アドレスの用途については確認済みだ。

トランザクションが確認された直後、そのUSDTは流通量から排除され、完全に破棄されたという。

なお日本時間2:29に、テザー社は今回USDTの破棄に関する以下のような公式声明を発表している。

出典:tether.to

先週、テザーは流通していた多くのUSDTを換金した。

よって、5億USD(560億円相当)に相当するUSDTをテザー金庫から破棄し、残り4億6600万USDTはそのまま金庫のウォレットに保管し、将来の発行に当てる。

当初、テザーの発行と換金はテザーのホワイトペーパーに記載してある通り、OMNIブロックチェーンにより、閲覧できるようになっている。

要するに、発行とは逆の工程を行い、USDに戻したUSDTを破棄したことになるが、CoinDeskの報道によると、その大半がBitfinexからのものとされている。

存在しないUSDTデータをめぐる論争

また、ビットフィネックス/テザー疑惑の新たな火種が話題になった。

米仮想通貨メディアCoinDeskが10月23日に掲載した「ビットフィネクスは存在しないテザー市場のデータを公開している」と題した記事に対し、米仮想通貨取引所BitfinexがTwitter上で反論した。

このAPIは、ビットフィネックスからの、USDTの入金/出金の合計だ。弊社は、偽の数字を”公表”してはいない。 そのAPIは、’movement_volume’と呼ばれるもので、弊社のティッカーAPIではない。弊社から公表されるのではなく、コインマーケットキャップ社が取り出すものだ。ビットフィネックスとテザーに対する恐怖や不安、疑念を煽る、あまり上手くない別の例にすぎない。」

事の発端は、CoinDeskが、テザーと米ドル(USDT/USD)のペア取引がBitfinexの取引サイトには存在しないにも関わらず、仮想通貨データ集積サイトのCoinMarketCap社のBitfinex市場ページに、第2位の出来高として表示されていることに疑念を抱いたことから始まる。

出典:CoinMarketCap

実際、Bitfinexのユーザーは、自身の口座を介して、米ドルとテザー(USDT)の入出金はできるものの、このペアで直接取引は提供しておらず、売買を行うことはできない。

この疑念に対し、CoinMarketCap社のグローバルマーケティング責任者である、Carylyne Chan氏は、このBitfinex社のAPIが何を表しているのか「困惑している」と語り、Bitfinex社に直接、何度もコンタクトをとって回答を要請したものの、Bitfinex側から明確な回答は得られていないとしていた。 

その当時、Bitfinex社のマーケティング責任者は、「Bitfinexには直接のUSDT/USDペアは無いので、それは何かの入出金だろうと思う。」と回答を寄せていたものの、CoinDeskの記事掲載で問題化した後に、「あるウォレットへの入出金を監視するものだ」という追加説明を、ウォレットのアドレスと共に告知し誤解をといた。

これにより、間違った出来高が、CoinMarketCapのbitfinexデータ上に表示されていることが明らかになり、価格にも影響しているのではないかとの指摘がされたのだ。

それに対し、CoinMarketCap社の広報主任であるLuke Wagman氏は、「弊社の表示する価格は、出来高加重平均価格で表示しており、Bitfinex社のUSDT/USD市場は、その平均価格に2%以下の影響しか与えないため、集積されたテザー全体の価格に顕著な影響はない。」と述べている。

なお、この報道を受け、前出のCoinMarketCap社のChan氏は、Bitfinex社の出来高が反映されないように表示方法を修正、未だデータとして削除こそされていないものの、該当データは平均価格算出データからは外されたようだ。

テザーの懸念は依然晴れず

しかし、米ドルと連動するステーブルコイン、USDTを取り巻く状況は、大局的にはあまり芳しくないように見受けられる。 裏付けとなる米ドル準備金の不透明性や、経営陣を同じくする、発行元のテザー社と取引所Bitfinexの関係に対する疑惑、一連の預託銀行ならびに監査法人との関係解消問題などに対する鬱積した不安感が、今月に入り一気に、USDTの価格の下落という形で表面化した。

USDT/USDペア取引を提供している、つまり、USDTを米ドルに換金できる、少数の仮想通貨取引所の一つKraken では、10月15日には、一時、USDT最安値である0.85ドルの値をつけ、その取引高も過去最高を更新した。 執筆時のUSDT価格は、0.986ドルに回復しているものの、ペグ通貨の優位な特性とされる1:1を保つことはできていない。

著名な仮想通貨投資家で、ビットコインの熱烈な支持者でもあるMike Novogratz氏は、最近市場に参入した他のステーブルコイン、例えば、取引所Geminiが発行するGUSDの方が、USDTより「より筋が通っている」とし、USDTは「仮想通貨市場における”透明性“という点では機能していない」と述べ、批判している。

本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

仮想通貨USDTを売却可能な米取引所にテザーが集中「保有量が2倍以上に」|時価総額は1ヶ月で25%減
10月に入り、USDTの価格が大きく揺らいだ。15日には一時最安値0.85ドルの値をつけ、ペッグする法定通貨のドルと15%も価格乖離が発生。1ヶ月でおよそ25%の時価総額が減少した。また、疑惑募るUSDTが米取引所に集まっている事実が明らかになった。
ビットコイン急騰時に急落した「USDT」が18カ月ぶりの最低水準を記録|テザー疑惑を振り返る
15日、ビットコインの急騰と逆相関を示すような形で、テザーが急落して異常値を付けた。発行会社を運営するビットフィネックスで価格乖離が生じたことから、相場操縦疑惑も再浮上している。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11:15
テザー 今年2.3兆円の利益見込む、米国向け「USAT」は1億米国ユーザーへのリーチ目指す
テザーは今年の利益が2.3兆円に達する見込みだ。米国向けのステーブルコインはUSATは12月にローンチ予定。
10:40
大口投資家、4日間で74億円相当のソラナを購入 ビットコインの大口購入も
オンチェーンアナリストの報告によると、大口投資家が直近4日間で約25万ソラナ(SOL)を購入したことが明らかになった。
10:00
中規模保有者(ドルフィン)の需要がビットコイン市場を牽引=CryptoQuantレポート
CryptoQuantが仮想通貨市場の最新レポートで、中規模保有者「ドルフィン」がビットコインの蓄積を続けていると指摘した。重要な価格水準や動向を解説している。
09:05
米民主党議員、トランプ大統領によるCZ氏恩赦を批判
米下院金融サービス委員会のランキングメンバーである民主党議員は公式声明で、トランプ米大統領が仮想通貨取引所バイナンスの共同創設者CZ氏に恩赦を与えたことを批判。恩赦の背景などを説明している。
07:55
JPモルガン、コインベースのBaseトークン発行で最大5兆円の価値創出を予測
JPモルガンがコインベースのBaseトークン発行により最大340億ドルの価値が創出される可能性があると分析した。
07:00
CZのバイナンス復帰確率高騰、トランプ大統領の恩赦を受け
トランプ大統領がバイナンス創設者CZを恩赦したことを受け、ポリマーケットでバイナンス経営復帰予測が活発化。確率は一時82%まで急騰後30%付近で推移。トレーダーGarrett Jin氏は恩赦を予測し2倍リターンを達成した。
06:50
リップル、Hidden Road買収完了でプライムブローカー事業参入
リップルがヒドゥン・ロードの買収を完了し、仮想通貨企業初のグローバル・プライム・ブローカー運営企業となった。
06:15
ポリマーケット、独自トークン「POLY」発行とエアドロップ実施を正式表明
人気イベント賭けサイトのポリマーケットがPOLYトークンの発行とエアドロップを正式に表明した。米国市場再進出後になる見込みだ。
05:50
スペースX、今週2度目のビットコイン大量移動 ウォレット再編成か
スペースXが24日に約204億円相当のビットコインを移動したとアーカム・インテリジェンスが報告した。
05:35
トランプ大統領、CFTC委員長にSEC仮想通貨タスクフォースのセリグ氏を指名
トランプ大統領がCFTC委員長にSEC仮想通貨タスクフォースのメンバーを指名する方針を固めたとブルームバーグが報道した。
10/24 金曜日
18:48
米金融最大手JPモルガン、ビットコイン・イーサリアム担保融資を世界展開へ
JPモルガンがビットコイン・イーサリアム担保融資を2025年末開始することがわかった。米金融最大手の参入で暗号資産(仮想通貨)が機関投資家市場で本格化。モルガン・スタンレーなど大手金融も相次ぎサービス拡充している。
17:14
モブキャストHD、仮想通貨ソラナ(SOL)の取得・保有を開始
ソラナ特化のトレジャリー戦略で財務基盤強化へ モブキャストホールディングスは10月24日、暗号資産ソラナ(SOL)の取得および保有を開始したと発表した。 同社はかつてゲーム事業…
16:46
日本初の円建てステーブルコインJPYC、正式リリースへ
JPYC株式会社が10月27日午後1時、日本初の円建てステーブルコインJPYCを正式リリース。発行・償還・送金手数料は無料。第二種資金移動業者として第1号の認可取得。
16:30
米トランプ政権、量子コンピュータ企業へ株式取得型支援検討か 関連銘柄が急騰=WSJ報道
トランプ政権が量子コンピュータ企業への出資型支援を検討していると報道され、政府と協議中とされるIonQ、Rigetti、D-Waveなどの関連銘柄は最大20%上昇した。
13:25
イーサリアム『フサカ』12月3日実装へ、次期『グラムステルダム』準備も
イーサリアム開発者は第223回ACDE会議で、フサカアップグレードの12月3日実装と、次期グラムステルダムの提案締切(10月30日)を決定。BAL技術導入やEIP 8058の追加など、スケーラビリティ強化に向けた計画が明らかに。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧