ブラックロック「IBIT」に投資
フランスの金融大手BNPパリバは1日、米証券取引委員会(SEC)に公開証券のポートフォリオを開示するレポート(13Fレポート)を提出した。ブラックロックのビットコイン(BTC)現物ETF「IBIT」を購入したことが記載されている。
BNPパリバは、2024年第1四半期(1~3月)にIBIT 1,030株を1株当たり40.47ドルで購入している。総額約4万1,600ドル投資したことになる。
これはビットコイン一個分の時価に満たない額であり、同社のポートフォリオでごくわずかな部分を占めるに過ぎない。
ただ、ビットコイン現物ETFの立ち上げにより、機関投資家の参入が増えるという予測に対応する事例の一つだといえる。
暗号資産(仮想通貨)インデックスファンドを提供するBitwiseのマット・ホーガン最高投資責任者は4月、2028年までのビットコイン市場を予測。この際、ETFが機関投資家の参加を促すことで、ビットコインのボラティリティ(価格変動)が小さくなっていくだろうと意見した。
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また、米資産運用企業ARK Investmentのキャシー・ウッドCEOは3月、もし機関投資家がポートフォリオの5%強をビットコインに割り当てた場合、ビットコイン価格は2030年までに380万ドル(約5.9億円)になる可能性があるとの強気予測を展開している。
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ビットコインETFとは
ビットコインを投資対象に含んだ上場投資信託(Exchange Traded Fund)のこと。投資信託とは、投資家から集めたお金を1つの資金としてまとめ、株式や債券などに投資して運用される金融商品。運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みになっている。投資信託の中でもETFは証券取引所に上場しているため、株式と同様に売買ができる。
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ブラックロック責任者は新たな波を予想
1月に立ち上げられた10社のビットコイン現物ETFからは4月24日以降流出が続いているところだ。1日には、IBITでも初の流出超過が見られ、3,690万ドル(約56億円)の資金が抜けた。また、10社合計では約5.6億ドル(約856億円)の流出となっている。
一方で、ブラックロックのデジタル資産責任者を務めるロバート・ミッチニック氏は、現在の小康状態の後には、新たな流入の波が来る可能性が高いと楽観的な見方を示している。
ミッチニック氏は、「年金、寄付金、政府系ファンド、保険会社、その他の資産運用会社、ファミリーオフィス」など様々な機関投資家がビットコインETFに関心を示しており、ブラックロックは彼らに知識を提供しているところだと話した。
また、デジタル資産分野では、「仮想通貨、ステーブルコイン、トークン化」という三つの柱が資本市場に利益をもたらす可能性を持っており、相互に関連しているとも意見した。
ステーブルコインについては、Bitwiseのマット・ホーガン最高投資責任者(CIO)が、米国で包括的なステーブルコイン法案が可決されれば、ビットコイン現物ETFと同等またはそれ以上のインパクトをもたらすと指摘したところだ。
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現実資産(RWA)トークン化分野では、大手金融企業、各国政府などで取り組みが見られている。例えば日米欧中銀など7つの中央銀行は、トークン化預金とCBDCによる国際決済をテストする計画だ。
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