はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

「CBDCの実証実験を行う先進国が増加」国際決済銀行レポート

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

2023年版CBDC調査レポート

国際決済銀行(BIS)は14日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)についての調査結果を発表した。CBDCの実証実験を行う国の増加を指摘している。

調査は2023年に世界の86の中央銀行から回答を得たものだ。28は先進国の中央銀行であり、58は新興国および発展途上国(EMDE)の中央銀行だった。

世界の中銀222のうち約3分の1程度を対象にしたものだが、調査に参加した中銀の管轄区域は、世界人口の81%、経済生産の94%を占めるとしている。対象となった中銀の94%がCBDCを検討していた。

出典:BIS

特に、先進国でCBDC関連の実験の件数が「急増」しており、概念実証プロジェクトが2022年比で35%増加、実証実験が約3倍に増加していた。

調査対象となった先進国の中央銀行のうち、81%がホールセールCBDC関連の概念実証実験を行っており、33%が実証実験も実施している。それぞれ前年の60%と10%から増加した形だ。

なお、ホールセールCBDCは銀行など金融機関同士の用途に使われる。

新興国および発展途上国の中央銀行では、約3分の1が概念実証に、19%が実証実験に取り組んでおり、先進国と比べると依然として少なかった。

なお今年1月、日本政府と日本銀行は「デジタル円」について制度設計の大枠の整理を行う連絡会議を初めて開催したところだ。将来的な発行の有無は決まっていないが、日常的に決済に使えるデジタル通貨として構想されている。

関連: 日銀と政府、デジタル円の連絡会議を初開催 春の法整備に向けて

関連: 日本銀行がCBDC(中央銀行デジタル通貨)実験の進捗報告、Startale HQらが実装に貢献

CBDCとは

各国・地域の中央銀行が発行するデジタル化された通貨を指す。「Central Bank Digital Currency」の略である。仮想通貨との大きな違いは、CBDCは法定通貨であること。通貨の管理や決済等においてコスト削減や効率性向上が期待できる一方で、個人情報やプライバシーの保護、セキュリティ対策、金融システムへの影響など考慮すべき課題は多い。

▶️仮想通貨用語集

他の決済システムとの相互運用性を重視

BISによると、中央銀行がホールセールCBDCについて最も重視しているのは相互運用性だった。

調査対象となった中央銀行の約3分の2が、他の国内決済システムとの相互運用性を確立する可能性があると回答している。先進国で69%、新興国および発展途上国(EMDE)で58%の割合だった。

また、国境を越えた相互運用性についてはEMDEの方が検討している中央銀行が多い。他の国や地域のCBDCとの相互運用を検討するとしたのが先進国で31%、EMDEで53%、その他の国際的な決済システムとの相互運用を検討するとしたのが先進国で23%、EMDEで53%だ。

関連: 日米欧中銀、トークン化預金とCBDCで国際決済実験へ

ステーブルコインの状況

BISはステーブルコインについても調査している。対象となった中央銀行の半数以上が、自国でのステーブルコイン使用は依然としてわずか、またはごくわずかであると回答した。

ステーブルコインについてはG7などから、決済に大規模に使用された場合、金融エコシステムの安全性と効率性に深刻な影響を及ぼす可能性があると指摘されてきた。しかし今回の調査結果からは、まだこうした懸念が高まるほど多く使用されているわけではないということが示唆される。

関連: 国際決済銀行、ステーブルコインの監視システムを開発

ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

▶️仮想通貨用語集

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/05 土曜日
06:10
スウェーデン、違法収益による仮想通貨の押収を強化
スウェーデンのストレマー司法相が警察や税務当局に仮想通貨を含む犯罪収益の押収強化を指示。昨年11月導入の欧州最厳格な没収法により840万ドル相当を押収済み。
05:40
個人マイナーが再びビットコインブロック採掘に成功、3.17BTC獲得
個人ビットコインマイナーが7月4日にブロック903,883を単独採掘し、3.173BTC(約5000万円)の報酬を獲得。ネットワーク全体の0.00026%のハッシュレートで成功。
07/04 金曜日
17:43
マックハウス、仮想通貨事業でゼロフィールドと基本契約
アパレル大手マックハウスが暗号資産事業に参入。国内マイニングシェア1位のゼロフィールドと基本契約を締結し、ビットコイン購入とマイニングの両輪戦略で収益多様化を目指す。
17:11
SMBCグループ、事業共創施設「HOOPSLINK」を丸の内に開設 Web3や生成AIの活用を目指す
SMBCグループが事業共創施設「HOOPSLINK」を丸の内に開設。Web3などを活用し、スタートアップから大企業まで多様なパートナーと新事業を創出。
15:08
みんなの銀行、ソラナ基盤のステーブルコイン事業化に向け共同検討を開始
みんなの銀行がソラナ(SOL)基盤のステーブルコインとweb3ウォレットの事業化に向け共同検討を開始。Solana Japan、Fireblocks、TISの3社と協業し、新たな金融体験の創出を目指す。
13:50
米上場アンバー・インターナショナル、約37億円調達で仮想通貨準備金戦略を加速
米上場のアンバー・インターナショナルが機関投資家から2550万ドルを調達し、1億ドルの仮想通貨リザーブ戦略を強化。パンテラ・キャピタルなど著名投資家が参加。
13:00
米ストラテジー社に集団訴訟 ビットコイン保有リスクを軽視と主張
米国でストラテジー社に対する集団訴訟が提起された。ビットコイン投資戦略を過大評価しリスクを軽視したと主張している。新会計規則適用後の損失計上が争点の一つになっている。
12:55
メタプラネット支援コンソーシアム、タイ上場企業買収でビットコイン戦略を東南アジアに拡大
メタプラネット支援者らが筆記るコンソーシアムがタイ上場企業DV8の買収計画を発表した。日本で成功したメタプラネットのビットコイントレジャリー戦略をタイで再現し、さらに東南アジアに展開する第一歩として注目される。
12:36
オルタナ信託、BOOSTRY・ALTERNAと連携しデジタル証券の管理体制を強化
デジタル証券特化の「オルタナ信託」設立。BOOSTRYとALTERNAが協業を深化し、STの取得から販売まで一貫した新たな枠組みを構築する。
11:35
米雇用統計好調でビットコイン一時11万ドル超、アーサー・ヘイズが下落リスクを警告する理由は?
米国6月雇用統計が予想を上回る14万7000人となり、ビットコインは一時11万500ドルまで上昇した。しかしBitMEX創業者アーサー・ヘイズ氏は、米財務省がステーブルコインを国債購入の受け皿として活用することで市場から流動性が奪われ、8月開催のジャクソンホール会議前に9万ドル水準へ下落すると予測した。
11:00
アルトコイン取引の増加傾向続く 仮想通貨OTCレポートが公開
Finery Marketsは、仮想通貨のOTC取引に関する2025年上半期のレポートを公開。ビットコインやイーサリアム、ステーブルコインの他にアルトコインの取引が増加傾向を継続していると指摘した。
10:35
「1兆ドル予測は楽観的すぎた」、 JPモルガン ステーブルコイン時価総額の2028年予測を下方修正=報道
JPモルガンはステーブルコイン市場の2028年予測を5000億ドルとし、他社の1-4兆ドル予測を否定。決済利用は6%に留まり、主用途は仮想通貨取引と指摘。
10:00
ビットコイン、クジラによる売却と機関投資家の需要が拮抗=報道
仮想通貨ビットコインの大口保有者が過去1年で50万BTCを売却する一方、機関投資家の需要増加により価格が膠着している。今後のビットコイン価格については様々な見解がみられる。
09:30
ロビンフッドCEO OpenAI株式トークン化を「革命の種」と表現も、提携否定で波紋広がる
ロビンフッドがOpenAI株式トークン化サービスを欧州で開始したが、OpenAIは提携を否定。テネフCEOは「トークン化革命」と強調するも、未上場株式の権利問題が浮き彫りに。
09:16
仮想通貨SEI、国内取引所OKJに新規上場へ
国内暗号資産取引所OKJが2025年7月8日からセイ(SEI)の取扱いを開始。ゴールドマンサックス・Robinhood出身者が開発した高速ブロックチェーンで、米国でETF申請も話題。入出庫は7月8日、売買は7月11日17時開始予定。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧