仮想通貨取引所の方針
暗号資産(仮想通貨)取引所Bitstampは、マウントゴックスの債権者に対する資産の返済を即座に開始する意向であることがわかった。情報を入手した海外メディアが報じた。
Bitstampが、マウントゴックスの弁済において代理受領業者に指定されていることはBitstamp自身が公表している。債権者への弁済期間は60日設けているというが、Bitstampは資産を受け取り次第、即座に対応を開始する模様だ。
マウントゴックスとは
2010年から2014年にかけて運営された、東京を拠点とする仮想通貨取引所。かつて、ビットコイン取引量の70%以上を占めていたが、ハッキング被害により2014年に閉鎖した。
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マウントゴックスは5日、仮想通貨取引所などを通じて、一部の債権者に対してビットコインおよびビットコインキャッシュによる弁済を行ったと発表。これによって10年越しに、債権者への弁済が本格的に開始した。
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Bitstampのように、債権者が資産を受け取るためにマウントゴックスに協力するのが代理受領業者。日本ではビットバンクやSBIVCトレードがこの役割を務めることがわかっており、5日にはマウントゴックスとマークされているウォレットから、ビットバンクのアドレスに送金が行われたこともわかっていた。
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債権者にとってはようやく弁済が開始したことになるが、投資家は弁済が売り圧につながる可能性があると警戒している。そのため、いつ債権者に資産が返されるのかは注視されており、代理受領業者の方針や動向は関心度が高い。
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弁済の期限は10月末
5日には、実際に債権者が資産を受け取るには最大3カ月待たなくてはいけない可能性があることが報じられた。
その理由は、代理受領業者のクラーケンが弁済に90日間という期間を設けていることだという。一方、マウントゴックスは以前から弁済の期限は10月31日であると伝えてきた。
上述した以外に、「The Block」によれば、ビットバンクやSBIVCトレードの弁済期間は14日間、BitGoは20日間の模様。そして、これらの5社が代理受領業者であることが判明していると報じている。
また、The Blockは、ビットバンクとSBIVCトレード以外への送金は確認されていないとも伝えた。そして、クラーケンとBitGoが資産を受け取った後、即座に返済対応を開始するかは現時点では不明確だとしている。
マウントゴックスの売り圧について、データ分析企業「CryptoQuant」のKi Young Ju CEOは9日、マウントゴックスのビットコインの大部分が債権者に渡っていないと指摘。
そして、投資家が懸念するドイツ政府のビットコイン売却は全体の流動性と比較するとわずかであるとも述べ、ビットコイン相場は心理操作に大きな影響を受けているとの見方を示した。
#Bitcoin market is still heavily influenced by psyops.
— Ki Young Ju (@ki_young_ju) July 8, 2024
Govt BTC selling is negligible compared to overall liquidity, and most Mt. Gox BTC holdings haven't moved to creditors.
CT still blames the drop on govt selling. Smart money is replacing dumb money. We're still early.
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