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時価総額が355兆円規模に、上半期の仮想通貨市場=バイナンスレポート

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市場の拡大と技術的進歩

暗号資産(仮想通貨)取引所大手バイナンスは16日、2024年上半期の仮想通貨市場についてのレポートを発表。仮想通貨の時価総額は年初から37.3%増加し、約2.27兆ドル(355兆円)の規模に拡大したと報告した。

特に第1四半期の成長は目覚ましく、時価総額は60.2%増加した。しかし、第2四半期には、14.3%減少し、トータルでは37.3%の成長となった。

ビットコインは、4回目の半減期、Runes Protocolの立ち上げ、米国のビットコイン現物上場投資信託(ETF)のローンチなどの複数の要因から、引き続き市場で優位な地位を保っている。ビットコイン現物ETFは、新たに多くの機関投資家を惹きつけ、これまでに147億ドル(2.3兆円)を超える大量の資本が流入した。

イーサリアムはEIP-4844の実装とリステーキング市場の急速な拡大に牽引され、イノベーションをリードしている。また、米国における現物ETFの承認の影響も注目される。

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伝統的な金融投資と比較すると、パフォーマンスという観点では、ビットコインとイーサリアムは、それぞれ年初来48%と43%のリターンで、アルファベットやアマゾンの株式を凌駕した。

ビットコインとよく比較される金(ゴールド)は13%、原油は14%だった。

出典:バイナンス

その他のレイヤー1ブロックチェーンの技術的進歩として、バイナンスはBNB ChainのopBNBとGreenfieldの開発(スケーラビリティと分散化)、ソラナのミームコイン分野での発展と「Blinks」のローンチ(相互運用性)、アバランチのサブネットを通してのエコシステム拡大などをあげた。

レイヤー2とDeFi

レイヤー2のエコシステムでは、特にゼロ知識(zk)プロジェクトで多くのエアドロップが行われ大量の資本が流入した結果、L2にロックされた価値の合計(TVL)は、この6ヶ月で90%増加し、430億ドル(6.7兆円)に達した。

Arbitrumは最も高いTVLを誇り、L2のトップの地位を守っているが、急速に成長するBaseやBlastのローンチに支えられたOptimismが勢いを増している。ApeChainやAnimeChainなどの新たなプロジェクトが、L3チェーンにArbitrum Orbit スタックを使用することを計画しており、今後OptimismのOPスタックに対し競争力が高められるかに注目が集まる。

DeFi分野も大きく成長しており、年初からTVLは72.8%増加し、941億ドル(14.7兆円)に達した。DeFiはより多くのユーザーを惹きつけており、月間の平均ユニークユーザー数は490万人から、過去最高の890万人に急増した。

ステーブルコイン市場の回復

ステーブルコインの30日間の取引量は1.5兆ドル(235兆円)を超え、ユニークユーザーは3,000万人以上となっており、金融におけるステーブルコインの重要性を示している。

2024年6月末の時点におけるステーブルコインの時価総額は、1,610億ドル(25.2兆円)で2年ぶりに暴落前のピークに近づいている。ステーブルコイン市場では、依然としてテザー社のUSDTが優勢だが、サークル社のUSDCおよびEthenaのUSDeが市場シェアを拡大し、大手フィンテック企業PayPalもPYUSDの提供で市場に参入した。

高金利環境ではステーブルコインは非常に魅力的なビジネス案として注目されており、選択肢の増えた多様なステーブルコイン・エコシステムは、市場全体の安定性と採用の増加につながる。

NFTとWeb3ゲーム

NFT市場は上半期に混乱が続き、販売量は減少し、主要プロジェクトのフロア価格は50%以上下落した。

一方、Pudgy Penguinsなどのプロジェクトは、デジタル資産と収集可能なおもちゃを提供することで、物理世界とデジタル世界のギャップを埋め、一定の成功を収めた。マーケットプレイスのBlurは、ポイントシステムやBlastトークンのエアドロップなどのインセンティブ戦略で、優位性を維持している。

Web3ゲームプロジェクトは、2024年前半に著し​​く勢いを増し、ゲームトークンの合計時価総額は3月に320億ドル(5兆円)でピークに達した。しかし、その後、市場は冷え込み、現在の時価総額は178億ドル(2.7兆円)に下落した。

Web3ゲームの時価総額はWeb2ゲームの約9.4%に相当し、まだ初期段階にあると考えられているが、ベンチャーキャピタルの投資家は、Web3ゲームをより注目しているようだ。2024年第一四半期のベンチャー投資は、前期比で94%増加。資金調達ラウンド数は28%増加した。

ゲームプロジェクトの主要チェーンは、イーサリアム、ポリゴン、BNBで、ゲームプロジェクト総数の50%以上をサポートしている。

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2024年後半に注目されるトレンド

バイナンスは最後に、今年後半にかけて注目する分野として、以下の六つを取り上げた。

  • 機関投資家による継続的な仮想通貨の採用
  • 米国のマクロ経済環境:11月の大統領選や利下げ予想
  • ビットコインのスケーラビリティとビットコインDeFi市場
  • 所有権経済の普及:DePINとDeSoc(分散型物理ネットワークインフラと分散型ソーシャルメディア)
  • 現実資産(RWA)のトークン化
  • Web3ゲーム人口の増加とコミュニティ構築:ゲーム内経済ソリューションの革新に期待

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