マイナー株の目標価格引き下げ
米金融大手JPモルガンは23日のレポートで、暗号資産(仮想通貨)マイニング企業株式の目標価格を引き下げた。
ビットコイン価格の下落や、ビットコイン現物価格の想定が68,000ドル(約982万円)から60,000ドル(約866万円)に下げられたことなどが要因となっている。
また、平均的なネットワーク・ハッシュレートの想定が、600 EH(エクサハッシュ)/秒から615 EH/秒に引き上げられた。これらの要因により、マイニング企業のEH/sあたり目標粗利益の見積もりが減じた格好だ。
ハッシュレートとは
マイニングの採掘速度のこと。日本語では「採掘速度」と表現される。単位は「hash/s」。「s」は「second=秒」で、「1秒間に何回計算ができるか」を表す。マイニング機器の処理能力を表す際や仮想通貨のマイニングがどれくらいのスピードで行われるかを示す指標として用いる。
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銘柄別の分析
JPモルガンのアナリスト、レジナルド・スミス氏らは次のようにコメントしている。
目標価格は、株式数の希薄化、ビットコイン価格の下落、ネットワークハッシュレートの上昇により、全体的に下落した。
当社は引き続き、トップピックのアイリスエナジー(IREN)とライオット(RIOT)をオーバーウェイト(他の銘柄より多く持つことを推奨)に、マラソン(MARA)をアンダーウェイト(他の銘柄よりも非推奨)に、サイファーマイニング(CIFR)とクリーンスパーク(CLSK)をニュートラルにしている。
アナリストらは、アイリスエナジーとライオットについて、最近の不振は投資家にとって買いのチャンスであると意見した。
ライオットについては、コルシカナの施設に浸漬冷却方式のマイニングマシンを設置した後、稼働時間と生産指標が改善されていると指摘。
また、過去3週間アイリスエナジーの株式が下落しているが、これは電力ヘッジ取引の損失によって7月の電力コストが上昇したものであり、修正可能だと述べた。
クリーンスパークとサイファーマイニングも数四半期にわたり、業界トップの稼働時間と経費管理を実現していると、その安定性を評価している。
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残り130万枚
JPモルガンは、マイナーによって採掘される残りのビットコインは130万枚で、その価値は現在のビットコイン価格で約740億ドル(約11兆円)だとも指摘。今後4年間の採掘報酬機会は約370億ドル(約5兆円)と推定した。
これは6月初旬から19%減少しているが、去年の8月より価格が約142%上昇したため前年比では85%増加している。ビットコインは最終的な発行枚数が設定されている資産であり、上限は2,100万枚だ。
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