ビットコイン投資の季節性
暗号資産(仮想通貨)取引企業QCPは3日、ビットコインにとって10月は最も強気な月であると指摘した。
過去9回の10月の内、8回で平均22.9%のリターンを生み出していると説明。一方、9月はあらゆる金融資産にとって弱気な月であるとも指摘している。
「coinglass」のデータを見てみると、たしかに10月のパフォーマンスは高く、リターンの平均は22.9%で、中央値は27.7%。データのある2013年以降マイナスになった年は2回で、他の月に比べると少ない。
なお、マイナスになった年が2回と最も少ない月であることは2月も同様。参考までに24年2月のビットコインのリターンは43.55%だった。
QCPは今回、10月の強気相場到来を裏付ける要因の1つとして、オプション市場でコール(買う権利)が継続的に買われていることに言及。具体例として、24年12月が限月で権利行使価格が8万ドル(約1,160万円)のコールが、アジア時間に追加で150件買われたと報告した。
オプションとは
仮想通貨以外の資産でも行われるデリバティブ取引の一種。将来のあらかじめ定められた期日に特定の資産を、現時点で取り決めた価格で売買する「権利」を取引する。先物取引が売買の契約であるのに対し、オプション取引は権利を取引するという違いがある。
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その上で、この季節性が今年も機能するのであれば、9月にビットコインを買い集め、10月の価格上昇を期待することも戦略の1つになりうると述べている。
今後の相場
一方で、投資戦略を立てるには様々な要因を考慮する必要があり、過去の季節性だけしか見ないことにはリスクがある。例えば、パフォーマンスの高い2月は今年、米国でビットコイン現物ETFがローンチされた直後で、ETFへの資金流入が多かった。
これからビットコイン価格が上昇するかは、ETFへの資金流入が大きく影響するとの見方は多い。これから機関投資家の参入が本格化するとの指摘もあるが、最近はETFの資金流入が細っている。
しかしながら、ビットコインが年末にかけて上昇するとの予想は多い。この根拠の1つには、ビットコインが今年4月に半減期を迎え、新規発行量が半減したことがある。
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また、米国では米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を転換し、利下げを開始するとの見方も以前からあった。FRBのパウエル議長は9月の利下げ開始をすでに示唆しており、金融政策の転換がビットコインなどのリスク資産に追い風になる可能性もある。
他にも、今年11月の米大統領選に向けて、共和党のトランプ候補が仮想通貨支持の姿勢を明確に示している。トランプ氏の支持率や人気が高まったり、実際に再選を果たしたりすれば、ビットコインなどの仮想通貨の価格が上がることもあるだろう。
一方、共和党やトランプ氏のみが仮想通貨支持を表明している現状にはリスクもある。民主党候補のハリス氏の人気が高まったり、仮想通貨支持を表明しないまま当選したりすれば、仮想通貨の価格が下落する可能性があるからだ。
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仮想通貨の投資戦略を立てるには、このように大統領選の動向、他にも中東情勢、破綻企業の債権者やマイナーによる売り圧なども総合的に考慮する必要がある。
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