米SECの採用方針
米証券取引委員会(SEC)は、SECのメンバーを採用する際に、政治的な考え方を考慮している疑いが持たれている。
3名の議員が10日付でSECのゲーリー・ゲンスラー委員長に書簡を送り、過去の採用におけるやりとりに言及。政治的な考え方をもとにした採用は1978年公務員制度改革法に違反すると指摘し、関連文書や情報の提出を求めている。
今回の書簡に署名しているのは以下の3名。
- ジム・ジョーダン氏:下院司法委員会の委員長
- パトリック・マクヘンリー氏:下院金融サービス委員会の委員長
- ジェームズ・コマー氏:下院監視・説明責任委員会の委員長
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書簡の冒頭では、上記の3委員会はSECの監督を継続していると警告。その上で、取引市場部のディレクターを雇用する際に、政治的な考えが採用に影響を与えたのではないかと疑問を呈した。
今回問題視されているのは、ディレクターが採用前にゲンスラー氏に送ったメールの内容。そこに「私は自分の政治的な考え方は適切であると考えています。必要であれば詳しくお伝えします」と書かれている。
このメールをもとに議員は、SECが採用時に政治的な考えを考慮しているのであれば、法に違反していることになると指摘。この可能性は、SECの上級職に左派(急進的な考え)寄りの人材を採用しているという事実によって裏付けられてもいると述べている。
そして、関連する文書や通信記録を遅くても24年9月24日までに提出するよう求めた。
ゲンスラー氏を巡る動向
今回の内容は暗号資産(仮想通貨)に直接関連する内容ではないが、SECが仮想通貨企業に対し執行による規制を現在でも継続していることや、米大統領選に向けて共和党のドナルド・トランプ前大統領がゲンスラー氏を批判していることなどから、仮想通貨領域でも関心を集めている。
トランプ氏は7月に「ビットコイン2024」のカンファレンスに登壇し、大統領選で再選を果たせば、就任初日にゲンスラー氏を解任すると表明した。
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一方、民主党のカマラ・ハリス候補が勝利した場合については、ゲンスラー氏が財務長官に指名される可能性が高いことも報じられている。
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SECとは
「Securities and Exchange Commission」の略。株や債券など証券の取引を監督する米政府機関のこと。SECのミッションは「投資家を保護すること」「公正で秩序のある効率的な市場を維持すること」「資本形成を促進すること」である。
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