cbBTCをソラナにも導入の計画
大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースの責任者は21日、cbBTC(コインベース・ラップド・ビットコイン)トークンをソラナのネットワークにも導入する計画だと述べた。
コインベースの、シンガポール地区ディレクターを務めるハッサン・アーメド氏が、カンファレンス「Solana Breakpoint 2024」で次のように話している。
Bitcoin 🤝 Solana
— Solana (@solana) September 21, 2024
Just in from Breakpoint: @Hassan_NY announced that @coinbase plans to bring cbBTC to Solana! pic.twitter.com/e1UdoUDgbY
コインベースは最近Base上でcbBTCをリリースしたが、当社のユーザーはソラナを気に入っており、私たちも気に入っている。そこで、cbBTCをソラナにも導入する予定だ。
なお、具体的なローンチ時期については明かしていない。cbBTCとは、現物ビットコインに裏付けられた、イーサリアムERC20基準のトークンだ。これまでにイーサリアムとBaseのチェーン上で立ち上げられている。
ビットコインによるDeFi(分散型金融)活動を拡大することを狙っており、特にDeFiプロトコルにビットコインの流動性を提供したいユーザーや、他の資産の担保としてビットコインを使用したいユーザーによる利用が考えられる。
cbBTCは、ビットコインをDeFi(分散型金融)エコシステムで使用するためのトークン化されたビットコインであるが、cbBTCをソラナネットワーク上で利用することで、ビットコインの保有者がDeFiプロトコルにアクセスできるようになる。そうなれば、ビットコインをステーキング、貸付、流動性提供など、DeFiのさまざまな機能で活用できるようになる可能性がある。
cbBTCは今月12日にイーサリアムとBaseで立ち上げられ、CoinGeckoによると、現在の時価総額は約1.7億ドル(約245億円)だ。
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ラップドトークンとは
ラップドトークンとは、他の仮想通貨の価値と紐付けられた仮想通貨のこと。預けられたオリジナル資産を裏付けとしたトークンを作成することで、実質的に様々なブロックチェーンでそのトークンを活用できるようになる。一例としては、ビットコインをイーサリアム上で使えるようにしたラップドBTC(wBTC)が挙げられる。
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アーメド氏は同カンファレンスでその他に、Jump Cryptoによるソラナの独立系バリデータ・クライアント「ファイアダンサー」開発を、ブロックチェーンの多様化を促進する事例として特に挙げた。
クライアントの多様性を後押しし、ソラナのネットワークの分散化を大幅に向上させるものだと述べている。
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競合「WBTC」の動き
BitGoやKyber Networkが開発した、cbBTCに先行する競合トークンとして「WBTC」が存在している。時価総額は現在約97億ドル(約1.4兆円)だ。
BitGoは11日、WBTCをアバランチとBNBチェーン上でもローンチしたと発表した。相互運用性プロトコルLayerZero(レイヤーゼロ)のトークン規格である「OFT(Omnichain Fungible Token)標準」を利用している。
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BitGoは8月、WBTCのカストディ事業を香港を拠点とするグローバルなカストディ企業BiT Globalとの合弁事業に移行すると発表したところだ。
この事業は、BitGo、トロン、およびトロンの創設者であるジャスティン・サン氏の間の戦略的パートナーシップであり、BitGoは新たな合弁事業の少数株主となる予定だ。
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