はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

世界有数の会計事務所が『仮想通貨のハードフォーク問題』を指摘:KPMG報告書

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨が直面する「6つの重要課題」
世界有数の会計事務所KPMGが指摘した、仮想通貨が直面している”6つの重要課題”として、規制義務の遵守や税制のほかに、BCHハードフォーク問題を受けて、ブロックチェーンの分岐を伴う「フォークの管理とガバナンス問題」についても記載されている点が注目される。

仮想通貨が直面する「6つの重要課題」

ビットコインキャッシュの分裂騒動で、年初来安値を更新しているビットコインをはじめとする、仮想通貨相場の厳しい現状を示唆するかのような報告書が、”BIG4”と呼ばれる世界四大会計事務所の一つであり、オランダに本拠を置く「KPMG」から発表された。

先週公開された「暗号資産の制度化」と題した報告書では、ビットコインなどの暗号資産は、「価値の尺度」ではあるが、未だ「価値の保存」や、「価値の交換」手段の機能を備えた正式な通貨であるとは言えないと結論づけている。

そして、普及が進まない主な理由として、投資家からの「信用と信頼性の欠如」に加え、ボラティリティの高さやスケーラビリティ問題を挙げた。

KPMGのチーフエコノミストで、報告書の共同執筆者であるConstance Hunter氏は、「仮想通貨は、画期的であり大きな飛躍だが、”真の通貨としての基準”を満たすには十分ではない」と述べ、世界的に受け入れられるようになるためにはの、いくつかの大きな障壁があるとしている。

 報告書では、仮想通貨が直面している「重要課題」として、6つの側面を取り上げ、詳しく掘り下げている。

  • 規制義務の遵守
  • 顧客と資産の由来の確認 (KYC)
  • サイバーセキュリティと資産保護
  • 会計および財務報告
  • 税制の影響
  • ・フォークの管理とガバナンス

一方で、2018年には、セキュリティトークンプラットフォームやステーブルコインなどの、新たな仮想通貨関連事業や、インターコンチネンタル取引所(ICE)や米金融大手のFidelity Investmentsに代表される、既存の金融サービス機関による市場参入者の大きな流れが生まれていることを指摘し、「暗号資産は、もう無視できない」ところまで成長している事実も認めている。

出典:KPMG

さらに、この報告書が最大の焦点を当て、議論を展開しているのは、”暗号資産がどのようにして、将来成功を収められるか”という点であり、その鍵は、「制度化」にあるとしている。 

具体的には、世界的な金融サービスのエコシステム内の、伝統的なプレーヤー(銀行、ブローカーディーラー等)と新興のプレーヤー(取引所、決済業者、フィンテックやその他スタートアップ)が、仮想通貨市場へ本格的に参画することで、信頼を築き、かつ規模拡大を促進することを意味すると述べている。

また、暗号資産が可能にするイノベーションのなかで、最も大きな影響力をもつ重要なユースケースとして、トークン化経済の例を挙げている。 トークン化が進展するにつれ、さらに多くのユースケースが生まれ普及が進み、エコシステムが発達することで、より大きな制度化に繋がるという道筋を報告書では描いている。

出典:KPMG

KPMGの暗号資産サービス部門責任者で、報告書の共同執筆者であるKiran Nagaraj氏は、暗号資産に関する議論はまだまだ収束してはいないとしながらも、次のように強調している。

「暗号資産には多くのユースケースがあるが、成功するためには、制度化こそが、トークン化された経済の成長を促進するために必要な次のステップだと言える。」

また、Nagaraj氏は、暗号資産は、「問題を見つけようとしている解決策」ではないと、次のように述べている。

「暗号資産が取り組もうとしている現実的な問題がある。 現在の世界経済に存在する摩擦や非効率性を削減する能力によって、その持続力は定義されるのだ。」

報告書は、歴史的に「摩擦を減らすこと」が、金融革新の鍵となってきた事実に触れ、今日の世界経済の摩擦が、暗号資産の発明へと繋がったと述べている。 そして、その摩擦こそが、我々が期待する暗号資産の存続力を定義するものであり、暗号資産は、世界の金融エコシステムに革命をもたらす可能性があると結んでいる。

CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれるLINE@。

CoinPostの関連記事

四大会計事務所PwC、ステーブルコイン発行の環境整備に意欲的|仮想通貨規制の不足が課題
国際的コンサルティング企業PwCの香港支部であるPwC Hong Kongが積極的にステーブルコインの普及と促進に積極的な姿勢を見せている。監査法人の介入が裏付け資金の保証等、信頼回復につながるのか。
世界最大の会計事務所デロイトトーマツ:コマースにおけるブロックチェーン利用を促進
デロイトトーマツは、早期からブロックチェーンの研究に取り組んできた企業の一つであり、設立から2年が経過したアイルランド拠点のラボは世界に誇るものとなっている。同社は現在、コマース事業における取引間信用創出のため、ブロックチェーンの利用を進めようとしている。
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
06/10 火曜日
17:45
ポール・アトキンスSEC新委員長が米国のイノベーション奨励姿勢を鮮明に 
米証券取引委員会のポール・アトキンス委員長は、ワシントンDCで開催された仮想通貨円卓会議において、分散型金融(DeFi)活動の根幹には、経済的自由や私有財産権、イノベーションといった米国の価値観が存在すると強調。SEC職員に対し、DeFiに適合する規制改正の検討を指示したことを明らかにした。
17:39
イーサリアム投資商品、7週連続で資金が純流入
仮想通貨投資企業CoinSharesは、先週におけるデジタル資産の投資商品への資金流入はイーサリアムが最も多かったことを報告。一方、ビットコインの投資商品からは純流出した。
17:37
Aptos、大阪・関西万博で記念スタンプラリー開始 メールアドレスのみでWeb3体験が可能
大阪・関西万博のデジタルウォレットが27万アカウント突破。Aptosが6月9日よりWeb3体験型スタンプラリーを開始。エンタメとゲームの2フェーズで展開し、日本市場への本格参入を加速。
15:35
SBI、米Circle社IPOで5000万ドル出資
SBIホールディングスとSBI新生銀行が、NYSE上場のステーブルコイン大手Circle社に総額5000万ドルを戦略投資。世界最大級のUSDC発行企業との提携で日本の金融エコシステム統合を加速。株価は初日に倍増の83ドルで終了。
12:35
DeFiを後押しするブロックチェーン規制確実性法、米CLARITY法案の一部に
米下院議員らがブロックチェーン規制確実性法をCLARITY法案の一部に組み込んだ。DeFi開発者などが不当な送金事業者登録を求められることを防ぐ法案である。
12:11
ビットコイン過去最高値に接近、上場企業の大量保有も相次ぎ供給不足のシグナルも
仮想通貨市況 暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)が上昇。前日比+3.76%の1BTC=109,700ドルとなり、一時11万ドル台を回復した。 5月22日に記録…
09:56
マイクロストラテジーが1045BTC買い増し ビットコイン保有総額9.3兆円に
米マイクロストラテジーが仮想通貨ビットコインを約160億円相当買い増し、保有総額が9.3兆円に達した。欧州ブロックチェーングループも大規模資金調達でBTC取得を拡大する。
08:58
国内衣料上場企業ANAP、ビットコイン事業を開始
衣料販売の国内上場企業ANAPは、同社連結子会社が仮想通貨ビットコインの事業を開始すると発表。今後の戦略や計画に加えて、ビットコイン建ての増資も公表した。
08:46
ビットコイン11万ドル回復、SEC委員長アトキンズ氏の発言で市場急騰|仮想NISHI
X-Bank仮想NISHIアナリストのマーケットレポート。ビットコインが24時間で約70万円上昇し、2週間ぶりに11万ドルを回復。SEC新委員長アトキンズ氏の「自己保管権」擁護発言が好材料。オプション最大建玉14万ドルで市場は強気継続。
06/09 月曜日
16:02
リップル社がJETRO支援の「Web3 Salon」と連携、日本のスタートアップ育成へ
リップル社が日本のWeb3スタートアップ支援を強化。JETRO支援の「Web3 Salon」と提携し、XRPL上のプロジェクトに最大20万ドルを助成する新施策を開始する。
15:30
金融庁、AMM実証実験を支援へ
金融庁は6月6日、FinTech実証実験ハブ第10号案件として、DeFi研究会による実証実験の支援を決定。SBI VCトレード、大和証券グループ、3メガ信託等9社が参加し、KYC・AML対応のAMM機能を検証。
14:58
リミックスポイント、約10億円でビットコイン追加購入
リミックスポイントが6月6日に10億6250万円でビットコイン71.5BTCを追加購入。ビットコインを含む保有暗号資産の時価総額は138億円、評価益19.3億円に。累計1000BTC保有を目指す。
13:45
『優勝賞金は1ビットコイン』 ネットフリックス番組「House of Streams」
マルタで制作されたリアリティ番組「House of Streams」では、8人の人気Twitchストリーマーが共同生活を送る中、1ビットコインをかけて競う。出演者と視聴者とのリアルタイムな交流により、番組の内容も影響を受ける画期的な内容となっている。
11:25
神谷議員、米国のビットコイン準備金政策紹介 税制改正も要望
参政党の神谷代表が国会質疑で米国のビットコイン準備金政策を紹介した。また、仮想通貨税制改革を要望し、二重課税問題を指摘している。
11:00
Injectiveが「目的特化型ブロックチェーン」の成功例とされる理由|Four Pillars
汎用ブロックチェーンから目的特化型への移行が加速する中、「金融向けに構築されたブロックチェーン」Injectiveが注目を集めている。BlackRock BUIDLファンドのトークン化、2024年選挙先物市場、Mercuryoとの決済統合など、金融特化インフラを活用した実践的ユースケースを詳細分析。豊富なブロックスペース時代における差別化戦略の成功モデルを解説する。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧