1/18(土)〜1/24(金)の週次レポート
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が、今週の暗号資産(仮想通貨)ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
今週、1/18(土)〜1/24(金)の週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円相場は方向感に欠ける展開。週明けには1700万円に乗せ、史上最高値を更新したが、24日正午時点では1600万円台前半で推移している。
20日米国時間のトランプ氏の米大統領就任式を前に、週明け東京時間のBTC円は上値を追う展開を演じ、初めて1700万円台に乗せた。しかし、就任式での仮想通貨に関する言及や、大統領令の発令もなく、失望感から相場は上げ幅を吐き出した。
一方、米証券取引委員会(SEC)の委員長代行に親仮想通貨派のマーク・ウエダ氏が任命されると、相場は1500万円台後半で下げ止まり、徐々に戻りを試した。
21日には、ウエダ氏が仮想通貨の規制明確化を目的としたタスクフォースを設立し、指揮者に「クリプトママ」ことへスター・ピアース氏が任命されたことが好感され、BTCは1650万円を回復した。
しかし、その後もトランプ氏から仮想通貨に関する大統領令は発令されず、材料待ちとなる中、BTCはジリ安に転じ、23日東京時間からは弱含みに推移し一時は1600万円を割った。
この日の米国時間に差し掛かると、ビットコイン法案を米上院に提出したシンシア・ルミス上院議員がXで「何か大きなものがくる」と期待感を煽り、相場は1650万円周辺まで反発。
その後、トランプ氏が就任4日目にしてようやく仮想通貨に関する大統領令に署名したが、内容は米国の仮想通貨領域におけるリーダーシップ強化を検討するものとなり、即時に変革をもたらす内容ではなかったことから、失望感でBTCは上げ幅を縮小した。
トランプ大統領の就任で戦略的ビットコイン備蓄に動きがあるかと想定していたが、大統領令の中では「デジタル資産備蓄」の検討をワーキング・グループに要求するにとどまった。就任式からの一連の流れは仮想通貨市場にとってやや期待外れではあったが、トランプ氏自身の仮想通貨に対するスタンスが逆転した訳ではない。
大統領令の中でも、財務省、司法省、SECなどの官庁長官らに30日以内に現行規制の課題提起と60日以内に改善案の提出を求め、さらに180日以内に上述のデジタル資産備蓄創設の評価や規制枠組み提出をワーキング・グループに命じており、向こう半年以内に様々な動きが出てくることが期待される。
また、ウエダ委員長代行の下でSECは既に動き始めており、23日には金融機関の仮想通貨ビジネス参入の大きな障壁となっていた会計ルールSAB121撤廃が決定された。ただ、これもこの先時間をかけて暗号資産の産業活性化に繋がる材料という訳で、相場の反応は今のところ限定的だ。
BTCは高値圏で底堅くも揉み合う展開となっており、ブレイクアウトにはよりインパクトのある材料が必要だろう。
こうした中、来週28日〜29日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が控えており、市場の関心も徐々にトランプからFOMCへ移るか。12月の米国のインフレ指標は市場予想比で下振れとなっていたが、引き続き底打ちの様相を呈しており、追加利下げの可能性はほぼ皆無と言える。
ただ、FF金利先物市場も金利据え置きをほぼ完全に織り込んでいることから、年内の利下げの可能性が否定されるなど、余程のタカ派サプライズがない限り、BTCは今月のFOMCを無難に通過するか。
また、FOMCを通過すれば31日には12月の米個人消費支出(PCE)価格指数の発表を控えている。PCEが消費者物価指数(CPI)同様に下振れとなれば、BTCの支援材料となろう。
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