CoinPostで今最も読まれています

米国土安全保障省が「ブロックチェーン技術コンペ」開催:最大9,000万円の助成金

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米国土安全保障省が「ブロックチェーン技術コンペ」を開催
米国土安全保障省は、最大80万ドルの助成金を交付して、ブロックチェーンの新興企業から「偽造防止ソリューション」の調達を目論む。移民問題や食品偽装などの解決が背景にあり、国家安全保障に活かす方針だ。

米国土安全保障省が「ブロックチェーン技術コンペ」を開催

アメリカ国土安全保障省(Department of Homeland Security、略称: DHS)の主要研究開発部門である「科学技術部門(Science and Technology Directorate、S&T)」は、偽装問題を防ぐためのブロックチェーンソリューションを公募することを明らかにした。

この公募型プログラムは、公文書などの偽装を防ぐことを目的とした「証明書やライセンスの偽造回避」と呼ばれる提案書に関連づけられている。

募集要項としては、従業員200人以下で、過去1年間に政府から約1億円以上の補助金を受けていないことが条件にあり、提案されたソリューションが採用されたスタートアップには、80万ドル(約9,000万円)の助成金が支給される。

偽装回避に伴うソリューションの対象分野としては、下記の6分野が公式サイトに記述されており、提出されるソリューションは、最低1つ以上に該当する必要がある。

  • 旅行時の身分証明
  • 組織証明および、組織代表者の身分証明
  • 旅行時の部族証明書類(Tribal Identity Document)
  • 市民権、移民、労働許可
  • 国際間の石油輸入追跡
  • 原材料の生産元追跡

この条件は、ここ数ヶ月に渡って深刻化している”アメリカの移民問題”が顕著に反映されていると言えるだろう。

今月12月には、アメリカとメキシコの国境に位置するティフアナ市に滞在していた6000人ほどの移民集団のうち、3000人以上の移民が行方不明になった。アメリカに不法入国した可能性があり、今後、偽装身分証明を使用するなどして、不正に労働することが懸念されている。

S&TのSilicon Valley Innovation Program (SVIP)で、技術ディレクターを務めるAnil John氏は、「公式機関は、旅行や市民権、就労許可証、移民、サプライチェーンなどの分野において、様々な資格、ライセンス、証明といった書類を発行しなければならない」と言及し、以下のように続けた。

ブロックチェーン技術や分散型台帳技術の実現可能性、及び実用性への理解は、紙面ベースのものをデジタルベースに移行させる際に非常に重要となるだろう。偽装問題や偽造などの被害を回避するのに役立つ。

実際のブロックチェーン技術の活用

このようにブロックチェーン技術には、改竄がほぼ不可能であることで、証明や記録などの分野で特に需要が高まっている。

例えば先月11月には、アメリカとカナダにおいて「腸管出血性大腸菌 O-157」がロメインレタスを通じて蔓延し、アメリカ疾病管理予防センター(CDC)の公式ウェブサイトなどで注意喚起を行なった。

このことを踏まえ、米国食品医薬品庁(FDA)は、今後同様の”食の問題”が起きた際に、適切で迅速な追跡を可能にするブロックチェーン技術の利用を視野に入れていることを明かした。

ここ数年間で、上海、香港、台北、バンコクなどのアジア地域を中心に、日本茶と偽装された商品が販売されていることも確認されている。

このような状況を踏まえ、「富士山まる茂茶園」は12月、追跡性(トレーサビリティ)と信頼性を高めるため、「VeChain」と呼ばれるブロックチェーン技術を使用し、実証実験を行なっていることを明らかにした。

搭載したNFCチップに固有IDを割り当てることで、商品の流通経路などを確認できる。

日本茶の産地偽装を受け、信頼性やトレーサビリティ向上に向けVeChain技術の概念実証を実施
現在アジア地域を中心に、日本産と謳い産地偽装する事例が多発している。そうした状況を受け、信頼性やトレーサビリティ向上に向け、富士山まる茂茶園がVeChainのブロックチェーン技術とIoTソリューション導入に向け概念実証を行っている。

このように、食品をはじめとする様々な分野でブロックチェーン技術の必要性が高まってきており、今後さらに多くの国々、分野で同技術が使用されていくことが期待されている。

CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者7,000名突破。

CoinPostの関連記事

&from=in_article
国産ブロックチェーンゲームがクラウドセールで売上962ETH(約1000万円)を記録
最注目ブロックチェーンゲーム「My Crypto Heroes」のクラウドセールが終了、962ETH(約1000万円)を記録するなど人気が過熱している。イーサリアムのスケーラビティ問題対応のため、LoomNetworkを採用するなど、国産dAppsゲームの進化と飛躍が期待される。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。
10:00
ソラナ初事例、パラオ共和国がデジタルID発行
主権国家が仮想通貨・ブロックチェーンであるソラナ上で、法的アイデンティティを発行する初めての事例となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア