
*本レポートは、クリプトアナリストである仮想NISHI(@Nishi8maru)氏が、CoinPostに寄稿した記事です。
仮想通貨マーケットレポート(2/26 AM7時)
仮想通貨(暗号資産)市場は、米国の5つの州でビットコイン準備金法案が廃案となったことを受け、失望感から大きく下落した。さらに、BinanceアカウントがGoogleメール経由での資金盗難の影響を受け、大規模なデフォルトログインから強制ログアウトされたとの報道が出たことで、市場は一段と下落した。

出典:Tradingview
関連:米国複数州でビットコイン準備金法案が否決続く BTC価格急落の要因に
2月25〜26日相場状況
デリバティブ市場では、25日朝時点で売られすぎの状況が続いていたが、米国の5州でビットコイン準備金法案が廃案となったことを受け、相場はニュートラルな状態となった。しかし、Binanceにおける大規模なデフォルトログインからの強制ログアウトの報道が流れた際、アクティブOIは大きく下落した(下画像赤枠)。多くのユーザーがログアウトされポジションを動かせないタイミングでロングポジションが清算され、売りが売りを呼ぶ形で価格が急落した可能性がある。

オプション市場参観者のポジションから逆算される日足の上限下限のバンドを見ると、日足の想定内下限値範囲まで戻してきており(下画像黄枠)、下限値の範囲内にまで価格が戻っており、想定外のパニック売りは一旦収まりつつあると考えられる。

ただし、オプション市場に目を向けると、プットコールレシオ(PCR)が上昇しており、市場参加者の投資態度は弱気になっていることが見受けられる。

現状分析(2/26日AM8時)
米国の州でのビットコイン準備金法案の事実上の否決が続く中、仮想通貨を法定通貨へと換金する売り圧力が高まる米国の確定申告(4月)が近づいており、実需ベースではネガティブな状況が広がっている。
一方、ユタ州やアリゾナ州など、ビットコイン準備金法案が可決される可能性が高い州の動向は、今後のビットコイン市場に大きな影響を及ぼすことが予想される。オクラホマ州ではビットコイン準備金法案が委員会で可決され、法案化に向けたプロセスが進んでいるという報道が26日に出ていることなど、米州のビットコイン準備金法案の動向を注視する必要がある。
今後の重要な日程
- 2/27日 米実質GDP
- 2/28日 米PCEデフレータ
- 3/4日 ISM製造業景気指数
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