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法制化が必要
米大手銀バンク・オブ・アメリカのブライアン・モイニハンCEOは26日の講演で、米国政府によるステーブルコイン合法化への楽観的な見通しを示した。同氏は「完全にドル裏付けされたステーブルコインが登場することは明らかだ。これは小切手アクセス付きのマネーマーケットファンドや銀行口座と本質的に変わらない」と述べ、合法化されれば「バンク・オブ・アメリカ コイン」として事業に参入する意向を表明した。
米国でステーブルコイン法制化の機運が高まる中、サークルやテザーなどの主要発行体は競争態勢を強めている。2024年12月にはリップルが、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)の最終承認を取得し、RLUSDステーブルコインを発表した。米ドル建てステーブルコイン市場はすでに2,300億ドル以上の規模に達しており、米国政府がバンク・オブ・アメリカのような伝統的銀行機関に道を開けば、市場は大幅に拡大する見込みだ。
モイニハンCEOはワシントンD.C.のエコノミッククラブでの講演で、規制が成立すれば同行はステーブルコイン事業に「一気に飛び込む」準備があると言明。JPモルガンに次ぐ米国第2位の銀行であるバンク・オブ・アメリカは、最新の決算発表によると総資産2.6兆ドルを保有しており、その参入はステーブルコイン市場に大きな影響を与えるだろう。
銀行がステーブルコイン事業に参入したい最大の理由の一つは、テザーのUSDTが示す驚異的な収益性と考えられる。テザー・ホールディングス・リミテッドが発表した2024年第4四半期の保証報告書によると、第4四半期だけで230億ドル以上のUSDTを新規発行した。また、同社の年間純利益は130億ドルを超え、グループ全体の資本は200億ドル以上に増加した。
USDT収益の主要な源泉は、テザーが準備金として保有する米国債から得られる利息である。この圧倒的な収益性がバンク・オブ・アメリカをはじめとする大手銀行のステーブルコイン市場への参入意欲を高める要因となっているようだ。
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