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短期は下目線か
スタンダード・チャータード銀行のデジタル資産調査グローバル責任者ジェフリー・ケンドリック氏は、ビットコイン(BTC)価格がさらに下落し、週末または月曜日までに「69,000ドルから76,500ドル」の範囲に達する可能性があるとThe Blockに語った。
ビットコインは昨日一時79,000ドルを下回り、現在約84,000ドルで取引されている。ケンドリック氏は、80,000ドル以下への下落が売り圧力の終わりに近づいているかという疑問を投げかけつつ、火曜日の10億ドル超のETF償還に続き、2月28日も大規模な資金流出が予想されると述べた。
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ETF資金流出の重要性については議論が続いており、一部では償還は市場中立的であるという意見がある。これは「キャリートレード」の解消を反映しているとされ、このトレードは低価格でビットコインを借り、ETFを通じて保有し、後にヘッジを行いながら高価格で売却するという戦略だ。しかしケンドリック氏は、これらのキャリートレードがETF資金流出を説明するほど大規模ではないと主張。
代わりに同氏は、ヘッジファンドがショートポジションを増加させていることを指摘し、これは投資家がビットコインに対して積極的に賭けを行っている兆候だと考えている。CFTC(商品先物取引委員会)のデータによれば、米国大統領選挙以降、ヘッジファンドのショートポジションは79億ドルから113億ドルに増加(2月18日時点)し、一方でETFのポジションは235億ドルから402億ドルに増加した後、370億ドルに減少している。最新の2月25日のCFTCデータは本日発表される予定だ。
今後の見通しとして、ケンドリック氏はトランプ大統領の最近の関税発表が市場に織り込まれた現在、ビットコインなどのリスク資産が上昇するか、それとも圧力下に留まるかという疑問を投げかけている。現在の状況を2024年8月の状況と比較しており、その時はビットコインが1週間で70,000ドルから50,000ドルに下落した。市場が同様のパターンをたどれば、現在のレベルからさらに5.5%の下落で、ビットコインは69,000ドルから76,500ドルの範囲に達する可能性がある。これはケンドリック氏が再び購入を検討するレベルだという。
この短期的な下落予測は、先日のCNBCインタビューでの強気な長期見通しと対照的だ。その時ケンドリック氏は、機関投資家の参入と米国における「規制の明確化」が市場のボラティリティを時間とともに低下させ、今年中に20万ドル、トランプ大統領任期終了前には50万ドルという上昇につながると予測していた。
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