はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

膠着状態のビットコイン、ETFの資金流入は回復傾向が顕著に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比+1.97%の1BTC=85,834ドルに。

BTC/USD日足

ビットコイン(BTC)は過去数週間にわたり狭いレンジ内での値動きが続いており、3月11日の安値形成以降、連続した上昇・下落トレンドを形成できない状態が続いている。

DaanCrypto氏の分析によれば、こうした膠着状態は多くの場合、大きな相場転換の前に投資家を振り落とすための荒い値動きの局面がしばしば現れるという。

現在のビットコイン価格は8.5万ドル前後で推移しており、過去のレンジ上限である約9.1万ドルを回復できれば、センチメントとモメンタムが再び強気派に有利な状況となり、新たな高値更新につながる可能性がある。

一方、上値を突破できない場合は、2024年の夏場に形成された7.3万〜7.4万ドル付近の重要なサポートラインへの反落も視野に入る。このレベルでは一定の買い支えが期待できるとの見方もある。

昨今では、伝統金融市場のリスクオフが進むにつれ、ビットコイン(BTC)など暗号資産(仮想通貨)市場の同時不安が訪れている。

The Kobeissi Letterの分析によれば、最近の例では、特に大きなニュースがない中、S&P 500先物がわずか2時間ほどの間に時価総額約6,000億ドルが消失した。

アメリカ個人投資家協会(AAII)のデータによれば、弱気な感情は58.1%に達し、4週連続で55%を超える高水準を維持している。これは2024年後半に弱気感情が30%を下回っていた状況から大きく変化しており、S&P 500が過去最高値からわずか7%下落しているにもかかわらず、弱気感情は過去平均の約2倍に達しているという。

市場の不安定さをさらに増幅させているのが、機関投資家と個人投資家の対照的なポジショニングだ。ヘッジファンドは過去4週間で2021年1月以来最速のペースでテクノロジー株を売却している。これはわずか数週間前に2022年の弱気相場以来最速のペースで同セクターを買い入れていたことからの完全な逆転と言える。

一方、個人投資家はその逆の行動を示している。ナスダック100銘柄への個人投資家の純流入額は時価総額の0.1%に達し、1年ぶりの高水準となった。JPモルガンの個人投資家センチメントスコアは過去最高の4ポイントを記録し、2021年のミーム株取引ピーク時よりも約1ポイント上昇している。

イーサリアムETFの資金流出続く

仮想通貨市場では明確な資金移動の二極化が進んでいる。過去1か月間でイーサリアムETFからは7億6000万ドル以上の資金が流出する一方、ビットコインETFは直近6日間だけでも7億8500万ドルの新規資金を集めており、投資家心理に変化が見られる。

イーサリアムETFは継続的な資金流出に見舞われている。1月末に一時的に1日3億ドル超の流入を記録したものの、2月以降は一貫して資金流出が続いている。現在イーサリアムETFの総純資産は67億7000万ドルで、ETH価格自体は2,000ドル弱で推移している。SoSoValueのデータによれば、2月中旬以降はほぼ毎日資金流出が記録されており、機関投資家のイーサリアムに対する短期的な信頼低下を示している。

先述のThe Kobeissi Letterの分析によれば、イーサリアムに対する機関投資家のショートポジションは2月初旬から40%、2024年11月からは500%急増しており、前例のない弱気姿勢を示している。

対照的に、ビットコインETFは過去1週間で約7億8,500万ドルの新規資金を集め、特に3月18日には単日で2億8000万ドルという顕著な流入を記録した。金融相場全体の地合い悪化に伴い、わずか数週間前までは最大で10億ドル近い日次流出など記録的な資金流出に見舞われていた。

ビットコインETFの総資産はイーサリアムETFの14倍近くに達しており、この格差は今後も拡大する可能性がある。イーサリアムETFからの継続的な資金流出は、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)の規制上の位置づけに関する不確実性や、ビットコインと比較した場合の投資魅力の相対的な低下を反映しているとされる。

ビットコインETFへの資金流入の背景には、連邦準備制度理事会(FRB)が3月の会合で金利を据え置いたことが挙げられる。インフレの沈静化傾向もあり、マクロ経済環境の安定がビットコインなどのリスク資産への投資意欲を刺激しているとの見方がある。

さらに、大手資産運用会社や金融プラットフォームによるビットコインETFへのエクスポージャー拡大も続いており、長期的な信頼の高まりを反映している。ビットコイン価格が83,000ドル以上で安定していることから、多くの投資家はこれを一時的な調整局面と捉え、暗号資産市場への資金回帰が始まっていると見ている。

特集:米国の仮想通貨「準備金」構想

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/20 土曜日
13:22
イオレがビットコイン追加取得、累計保有量101BTC超に
日本上場企業イオレが約1億6640万円分のビットコインを追加取得。ネオクリプトバンク構想の初期トレジャリー運用の一環として実施され、2026年3月期中に120億円から160億円規模の取得を目指している。
11:55
ブラックロックのビットコイン現物ETF、年初来リターンはマイナスも流入額6位入り
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」が年初来のETF流入で6位にランクインした。一方でリターンはマイナスとなっており背景にある投資家心理が注目される。
10:50
メタプラネット、米国預託証券プログラム設立
ビットコイン保有企業メタプラネットがドイツ銀行を預託銀行とする米国預託証券プログラムを設立し、19日より米国店頭市場で取引を開始する。米国投資家の利便性向上と流動性拡大を目指す。
10:33
ビットコイン提唱者ルミス米上院議員が再選不出馬、仮想通貨法案成立に注力へ
仮想通貨推進派として知られるシンシア・ルミス上院議員が2026年の再選不出馬を表明した。任期終了までに包括的な仮想通貨規制法案や税制改革の成立を目指す方針を示している。
10:05
「ビットコイン価格は2035年に2億円に到達」CF Benchmarksが強気予想
CF Benchmarksが2035年の仮想通貨ビットコインの価格を基本シナリオで142万ドルと予想した。ゴールド市場のシェアを獲得することなどを前提とし弱気・強気シナリオも算出している。
09:10
イーサリアム、Glamsterdamの次のアップグレード名は「Hegota」
仮想通貨イーサリアムでGlamsterdamの次に実施されるアップグレードの名称がHegotaに決定。2025年と同様、イーサリアムは2026年に2回アップグレードを行う可能性がある。
08:15
ビットコイン、弱気相場入りか クリプトクアントが需要減速を指摘
クリプトクアントが仮想通貨ビットコインの需要成長鈍化を指摘し、弱気相場への移行を指摘。ETFの純売却や大口保有者の需要縮小、デリバティブ市場のリスク選好低下などが要因として挙げられている。
07:10
コインベース、2026年の税制変更で予測市場がギャンブルより有利になると指摘
コインベースが2026年の見通しレポートで、トランプ大統領が署名したワン・ビッグ・ビューティフル・ビル法により予測市場が従来の賭博より税制面で有利になる可能性があると指摘した。
06:50
アーサー・ヘイズ、FRBの新資金供給策RMPでビットコイン4年サイクル論が終焉と再度主張
著名トレーダーであるアーサー・ヘイズ氏がFRBの準備金管理購入プログラムを分析し、実質的な資金供給(QE)により仮想通貨ビットコインの従来の4年サイクルが崩れたとの見解を示した。ビットコインは2026年に20万ドルに向かうと予測。
06:20
仮想通貨の冬到来か、フィデリティ責任者がビットコインの2026年底値を6.5万ドル付近と予測
フィデリティのグローバルマクロ責任者ジュリアン・ティマー氏がビットコインの強気サイクル終了の可能性を指摘し、2026年の底値を6.5万ドルから7.5万ドルと予測した。機関投資家の参入により従来のサイクル論が変化しているとの見方が広がっている。
05:45
米FRB、仮想通貨企業向け「簡易版マスターアカウント」開設に進展か
米連邦準備制度理事会が仮想通貨関連企業を含む適格機関に決済サービスへの限定的なアクセスを提供する「ペイメントアカウント」案についてパブリックコメントを募集開始。
12/19 金曜日
17:38
税制改正大綱で仮想通貨税制が大きく前進、申告分離課税20%と3年間の繰越控除を明記
政府・与党が2026年度税制改正大綱を決定。暗号資産取引に申告分離課税を導入し、税率は株式と同じ一律20%に。3年間の繰越控除制度も創設される。金商法改正を前提とした条件付きで、2028年施行の見通し。昨年の「検討」から具体化が進み、web3業界の発展に向けた重要な一歩として評価されている。
15:33
米国法銀行初、SoFiがステーブルコイン「SoFiUSD」を発行
米ソーファイ・テクノロジーズが完全準備型の米ドルステーブルコイン「ソーファイUSD」を発表した。パブリックブロックチェーン上でステーブルコインを発行する米国法銀行として初の事例となる。
14:15
2025年の仮想通貨盗難被害額5300億円突破、北朝鮮関連グループの犯行目立つ=チェイナリシス
チェイナリシスが2025年の仮想通貨盗難事件についてレポートを発表。総額5300億円規模であり、Bybitハッキングなど北朝鮮関連グループによる犯行が目立っている。
14:13
サークル、インテュイットと提携 USDC で税金還付や企業決済に対応
ステーブルコイン大手サークルが金融テクノロジー企業インテュイットと複数年の戦略的提携を締結。TurboTaxやQuickBooksなどでUSDCを活用した税金還付、送金、決済サービスを展開し、年間15兆円超の取引に対応へ。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧