
暗号資産の規制整備に期待感
米証券取引委員会(SEC)は21日、ポール・アトキンス氏が委員長に就任したことを発表した。
今年1月にトランプ大統領によって指名されたアトキンス氏は、暗号資産(仮想通貨)に友好的な立場で知られ、デジタル資産の規制枠組み構築を「最優先事項」と位置付けている。
アトキンス氏は就任声明で「資本形成を促進し、公正で秩序ある効率的な市場を維持し、投資家を保護するという使命を推進できることを嬉しく思う」と述べた。「仮想通貨に対して合理的で一貫性のある規制の枠組みを整備すること」を表明しており、この方針は、暗号資産に批判的なスタンスだったゲイリー・ゲンスラー前委員長が採用した執行による規制アプローチとは一線を画すものとなる。
ゲンスラー氏の退任以来、マーク・ウエダ氏が代理委員長として職務を遂行。
この期間中、SECは会計ガイドラインの撤回や執行措置の取り下げなど、いくつかの暗号資産に関する方針転換を行い、ピアース委員が率いる仮想通貨タスクフォースの設立など、業界に対してより建設的なアプローチを示していた。アトキンス氏は2002年から2008年までブッシュ米政権下でSEC委員を務めた経験を持ち、退任後はパトマック・グローバル・パートナーズを設立。銀行や暗号資産取引所、DeFiプラットフォームなどを顧客とするコンサルティング事業を展開してきたとされる。
アルトコインETF実現の可能性は
SECはすでにグレースケールによるXRPおよびドージコインのETF申請を正式に受理しており、法定期限である240日以内に審査と決定を行う義務があり、アトキンス委員長の就任が承認プロセスを加速させると見られる。 ブロックチェーン技術を利用した分散型予測市場プラットフォームのPolymarket(ポリマーケット)では、今年中の承認確率について、ソラナETFは85%、XRPは80%と高い数値を示している。業界関係者からは、暗号資産に関する明確かつ合意可能な規制枠組みの確立に期待が高まっている。