
XRPLに拡大
リップル社は11日、Ondoが提供するRWA(現実資産)トークン「OUSG」が、暗号資産(仮想通貨)XRPのブロックチェーン「XRPレジャー(XRPL)」上にローンチしたことを発表した。
OUSGは、ステーブルコイン「RLUSD」で発行・償還が可能。これは単純に1つのプロダクトがローンチしたということだけでなく、未来におけるトークン化金融の1つのモデルであるとし、非常に重要なマイルストーンだとリップル社は説明している。
RWAとは
「Real World Asset」の略。ブロックチェーン上でトークン化されるRWAには不動産、アート作品、トレーディングカード等の実物資産、株や債券等の有価証券などが含まれる。
XRPL上でのローンチは、今年1月にリップル社が計画を明らかにしていた。今回は正式にOUSGがローンチしたことの発表である。
Ondoは金融市場をブロックチェーン上で展開するための資産やインフラを提供している企業。OUSGは、米短期国債に投資できるRWAトークンで、適格投資家や適格購入者が購入できる。
「rwa.xyz」のデータによれば、トークン化した国債のカテゴリーでOUSGの時価総額は、ブラックロックの「BUIDL」、フランクリン・テンプルトンの「BENJI」に次いで3位。本記事執筆時点の年間利回りは4.09%である。

出典:rwa.xyz
OUSGはこれまで、イーサリアム(ETH)、ポリゴン(POL)、ソラナ(SOL)のブロックチェーンでローンチ済み。今回は4つ目のブロックチェーンとして、OUSGはXRPLにアクセスを拡大した。
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RippleXのシニア・バイス・プレジデントのマルクス・インファンガー氏は、今回の発表に以下のコメントを寄せている。
OUSGがXRPL上にローンチしたことは、トークン化金融がすでに理論上のものではなく、実際の市場で成熟してきていることを証明している。
機関は米国債のような高質な資産にパブリックブロックチェーン上でアクセスできるようになっており、同時にコンプライアンスを遵守したり、運用の効率性を向上させたりすることが可能だ。
これは、信頼されている金融資産を年中無休の市場にもたらすことにおける進歩であり、流動性や効率性、資本へアクセスする速さを向上させてくれるだろう。
リップル社は今年2月、XRPLの開発計画を説明。資産のトークン化やDeFi(分散型金融)の領域が発展する中、XRPLは「規制に準拠したオンチェーン金融」を主導する地位を固めてきているとし、機関向けDeFiの次のフェーズでは、流動性の高さ、コンプライアンス機能、シームレスな機関対応を備えたXRPLが活用されるだろうと期待を示していた。
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