はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米国の戦略的ビットコイン準備金で市場構造が転換点迎える=Geminiレポート

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコイン市場構造に変化

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所Geminiは11日、オンチェーン分析企業Glassnodeと共同執筆した最新レポートで、米国の戦略的ビットコイン準備金の設立は、機関投資家資産としてのビットコイン進化における重要な転換点になると指摘した。

米トランプ政権は2025年3月、大統領令により戦略的ビットコイン準備金(以下、SBRと記述)を設立し、国家の準備資産として正式にビットコインを保有する方針を固めた。米国政府によるSBRの導入は、ビットコイン(BTC)に対する認識を一変させ、機関投資家のビットコインへの信頼を新たな高みへと導くこととなった。

機関投資家によるビットコインの保有は急速に拡大しており、ビットコイン流通供給量の30%以上が取引所、上場投資信託(ETF)、企業、政府など、216の中央集権型機関によって保有されている。この事実は、ビットコインが長期資本と戦略的保管に支えられ、機関投資家レベルのインフラへの移行が進んでいることを示しているとレポートは説明した。

中でも、中央集権型取引所、米国のビットコイン現物ETF、規制されたデリバティブ・プラットフォームがビットコイン取引量の75%を占めている。中央集権型取引所のビットコイン残高は過去2年で減少したが、その大部分がファンドや現物ETFに移行した。

国家が保有する準備金は、その大半が法的執行措置を通じて取得されたもので、約20万BTCを保有する米国が最大の保有国となっている。一方、エルサルバドルとブータンは、規模は小さいながらも継続的な購入によってビットコインを蓄積する戦略をとっており、機関投資家の信頼を強化する役割を果たしている。

レポートは、国家および規制された機関によってビットコインの採用が拡大するにつれ、ボラティリティは低下傾向にあると指摘。ビットコインは依然としてリスクオン資産だが、伝統的金融システムへの統合が進むにつれ、値動きはより安定し、投機的な極端な動きに左右されにくくなったとまとめた。

関連:神谷議員、米国のビットコイン準備金政策紹介 税制改正も要望

関連:ビットコイン準備金とは | 米国・各州の法案動向まとめ

SBRがビットコインに与える影響

レポートによると、戦略的ビットコイン準備金を導入した国家にとって、投資された1ドルは、時間をかけて市場を1.70ドル分動かすことができ、短期的には最大25ドルまで動かせるという。

特に需要とボラティリティが高まっている時期には、市場価値が投資資本よりも上昇する傾向にあることから、レポートでは、時価総額の変化と純資本流入の比率を表す時価総額乗数(MCM:Market Cap Multiplier)を使って推定した数値を示した。

弱気相場では、1ドルの流入額に対し、時価総額は約0.7ドル増加するが、強気相場では最大3.7ドルの増加になると試算。ビットコイン(BTC)のジェネシスブロック(最初のブロック)から累計的に測定すると、1ドルの流入額に対し時価総額は約1.7ドル増加することになる。

一方、短期的な影響に限定すると、30日間のMCMは特にボラティリティの高い時期にはほぼゼロから25倍の範囲になる。平均すると短期的なMCMは約8倍となり、1ドルの資本が価格を一時的に8ドル動かす可能性があることを意味すると説明した。

現在、主要なSBRは法的執行措置によって取得した資産を保有しているに過ぎないが、その存在は今日の準備金戦略におけるビットコインの役割の正当性を立証するものだと、レポートは主張。機関投資家による採用が進むにつれ、その影響力は、保有額に対してだけでなく、投資家がビットコインを評価し、世界の金融アーキテクチャに統合するために使用する枠組みを通じて拡大するだろうと総括した。

関連:米議員がトランプのビットコイン準備金令を法制化へ 大統領交代でも撤回困難に

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/16 火曜日
18:08
米SEC委員長が警告、「仮想通貨が史上最強の金融監視システムになる恐れ」
SEC委員長が仮想通貨タスクフォース円卓会議で、過度な規制により仮想通貨が史上最強の金融監視システムになる恐れがあると警告。国家安全保障とプライバシー保護のバランスを強調し、トランプ政権の方針と一致する姿勢を示した。
17:22
ナスダック、23時間取引体制を提案 仮想通貨取引モデルが影響か
ナスダックが1日23時間の株式取引体制を米SECに提案。仮想通貨の24時間取引が投資家の期待を変化させたことを背景に、2026年後半の導入を目指す。NYSEも22時間取引の承認を取得済み。
16:15
ペイパル、SparkでPYUSD貯蓄商品をローンチ 年利4.25%
ペイパルがSparkと提携し、年利4.25%のPYUSD貯蓄商品を開始。10億ドルの預金目標を掲げ、Paxosの連邦免許取得により規制面での優位性も確保。
15:27
中国で仮想通貨マイニング施設が大規模停止か 当局が2週間前に警告
中国新疆で仮想通貨マイニング施設の大規模停止が報じられた。ビットコインのハッシュレートが急落し、40万台のマシンが停止したとの推定も。2021年の全国取り締まり後、地下で復活していたマイニング活動に再び規制の動きか。
13:30
2025年ブロックチェーン人気ランキング、XRP初のトップ10入り=CoinGecko
CoinGeckoが2025年ブロックチェーン人気ランキングを発表した。ソラナが2年連続トップとなるも関心度は12ポイント減少した。XRPレジャーが初のトップ10入りを果たし、SuiとBNB Chainのシェアが大幅に拡大した。
13:00
Visa、銀行向けステーブルコイン事業支援を開始
決済大手Visaが「ステーブルコイン・アドバイザリー・プラクティス」を立ち上げた。銀行や企業のステーブルコイン戦略構築を支援する。
11:07
トランプ関連のアメリカン・ビットコイン、1000BTCを追加購入
トランプ関連のアメリカン・ビットコインが12月に1000BTC以上を追加購入。上場企業上位100社の保有総額は108万BTC超に達し、企業のビットコイン財務戦略が加速。
11:05
SBIとスターテイル、信託型円建てステーブルコイン共同開発へ
SBIホールディングスとStartale Groupが日本の金融規制に準拠した円建てステーブルコインの共同開発でMOUを締結。信託型3号電子決済手段として2026年度1Qのローンチを目指す。
10:20
仮想通貨「市場構造法案」採決は2026年に先送り
米上院銀行委員会がビットコインなど仮想通貨の市場構造を定める「市場構造法案」の採決を来年に先送りした。超党派による協議が継続中だ。
10:05
仮想通貨投資商品、先週は約1340億円の資金が純流入
仮想通貨投資企業CoinSharesは、デジタル資産投資商品全体の先週における資金フローは約1,340億円の純流入だったと報告。ビットコインなどの原資産別のデータも公開している。
09:59
ビットコインのアクティブアドレスが1年ぶりの低水準に、マイナー収益圧迫
ビットコインのアクティブアドレスが66万件と1年ぶりの低水準に落ち込み、マイナー収益も減少。Glassnodeによると、ETF承認後に取引がオンチェーンからETF経由にシフトしており、手数料の低迷が続けば長期的なネットワークセキュリティに懸念が生じる可能性がある。
09:35
メタマスクがビットコイン対応を追加、法定通貨での購入や送金が可能に
イーサリアム最大級のウォレット、メタマスクがビットコインのネイティブサポートを発表した。法定通貨での購入、ネットワーク送金、他の仮想通貨との交換機能が利用できるようになった。
08:30
ビットワイズ、ハイパーリキッドETFの修正届出書を提出 
ビットワイズが16日、ハイパーリキッドETFの修正登録届出書を提出し、ティッカーシンボルと運用手数料を設定した。ブルームバーグのアナリストは、通常こうした動きは上場が近いことを示すと指摘。
08:05
ビットコイン一時80万円下落、米規制先送りと雇用統計前で市場に警戒感広がる|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは直近24時間で一時約80万円下落した。米上院で市場構造法案の審議が2026年へ先送りされることが決定されたことに加え、米雇用統計が16日に発表されることを受け、投資家の警戒感が高まったことが主な下落要因である。
07:50
トランプ大統領のFRB議長候補、仮想通貨支持派ハセット氏に反対の声=CNBC
CNBCによると、FRB議長候補として有力視されていたケビン・ハセット氏に対し、トランプ大統領に近い高官らから反対の声が出ている。トランプ氏は13日、ケビン・ウォーシュ元FRB理事が候補リストのトップに浮上したと述べた。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧