WebX完全ガイド
TOP 新着一覧 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

政府はビットコインを廃止することができるのか

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

政府はビットコインなど仮想通貨を禁じることは可能であるが、完全に禁じることは難しい
先日発表された中国のビットコイン取引禁止で、多くの人がどのような影響があるのかを危惧しています。中国は取引及びICOを禁止しただけで、仮想通貨自体の使用の禁止はしていません。しかし、世界的に見ると、仮想通貨の使用も禁止している国々もあり、慎重に通貨を選ぶ必要があります。

9月30日から10月1日の週末で、中国基盤の仮想通貨取引所であるBTCCが中国の通貨”元”による国内取引を凍結しました。

中国規制当局は、9月5日に国内の全ての仮想通貨取引所に対し、閉鎖の通達、新規ユーザーの登録の禁止、そして9月15日までに”元”と仮想通貨との取引を廃止する趣旨を発表しました。

同じく中国基盤の取引所であるHuobiとOKCoinの二つの取引所も同様の取引廃止の計画を発表しました。

しかし、ここで明らかにしたいのは、中国は仮想通貨の取引及び、ICOを廃止しただけであって、仮想通貨自体の使用を禁止した訳ではないということです。

それでも、多くの人は政府がビットコインのような仮想通貨自体も禁止してしまうのではないか、そして、それが仮想通貨全体に影響してしまうのではないかという考えが頭をよぎってしまったかもしれません。

実際、政府が仮想通貨自体を禁止するのは可能なのです。

ボリビア、エクアドル、カザフスタン、そしてバングラデシュは既に仮想通貨自体の使用を禁止しました。

ロシアは、2014年の10月に仮想通貨を廃止する原案を発案しており、近頃それが施行されるのではないかという噂も広まっていますが、最近はブロックチェーン技術やマイニング事業に積極に取り組んでいるため、この噂が現実になる可能性は低いと考えられます。

複数の政府がその国の代替となる通貨を望まない形でシフトしてしまわないように、様々な策を講じてきました。

カンボジアは、独自の通貨であるリエルを守るためドルの使用を禁止しました。

シリアは、2013年に自国以外の通貨の全てを使用禁止にしました。

そして、アメリカ政府は2000年代半ばにリバティ金貨及びE-ゴールドを廃止しました。

よって、それぞれの政府は仮想通貨の使用を禁止することが出来ると言えるでしょう。

しかし、問題は政府がそれを実際に禁止するか、または、どの程度の制限をかけるのか、そして、それは仮想通貨を使用する上で、人々にどのような影響を与えるのかということです。

一部のビットコイン支持者は、政府による完全なるビットコイン規制は現実的に不可能であると語りました。

Jon Matonis (以下、Matonis氏)は、

「政府によるビットコインの禁止は、1920年代に出されたアルコールを禁止するものと同様に無力なものとなるでしょう」

と言及しました。

政府はどのようにして、匿名で使うことのできるビットコインを禁じるのでしょうか。

Matonis氏は

「需要のある商品は[…]禁止だけで、使用者がいなくなるような単純なものではない」

と語りました。

初心者の方は、流通貨幣の需要はその他一般的な商品の需要とは異なるということを理解してください。

お金は、様々なネットワークの中心にあるものだからです。私は、バスタブにジンを浸すという誰もがしないようなことでも楽しむことができます。

しかし、ビットコインのような仮想通貨の利便性は、他の大多数の人々が使うことによって初めて成り立つのです。

よって、ビットコインに対しての考えは統一される必要があります。周りの人がビットコインを使うと信じられないのであれば、その人自身がビットコインを受け入れることもできないからです。

さらに、仮想通貨に、非金銭的な要素が欠けていれば、例え全員が代替案として魅力的だと感じても、需要はゼロにまでなってしまう可能性があります。

一般的に、政府は、考えの統一、取引政策の採用、代替通貨の使用による罰則から流通貨幣を決定します。

法定貨幣を宣言することで、例えば、政府は個人が特定の通貨に対しての顕著な期待値の焦点(例えば、仮想通貨と言った時に多くの人がビットコインを連想するとしたら、このビットコインのこと)を生み出すことができるのです。

法定通貨は、法の元に特権を持つものでもなく(状況によっては持つ場合もありますが)、実質はただの呼称を持つ通貨以外の何物でもないのです。

ただ単に、私はあなたが使っている通貨を使用したいだけであって、あなたも私が使っている通貨を使用したいだけなのです。

そして、それがドルを法定通貨にし、ビットコインが法定通貨として認められない、というだけのことなのです。

政府は、経済という枠組みの中で、非常に大きく強力であるが故に、この期待値の焦点を生み出す立場になることが多いのです。

もちろんビットコインにシフトすることでメリットを得ることの方が、この考えの統一にかかる費用よりも安易で安価なのであれば、これを優れた代替案として捉え、政府からではない新たな期待値の焦点(フォーカルポイント)の刷り込みが試されます。

この場合、政府は彼ら自身の通貨を推し、ビットコインが市場に拡大するのを防ぎ、受け入れられないように取引政策に訴えるかもしれません。

税金を集め、ビットコインではなくドルを使用することで、政府はドルの需要を保証し、同時にビットコインの牽制をします。

全ての政府が取引政策に基づいて、流通貨幣を決定できるわけではありませんが、比較的大きな政府の場合は、流通貨幣の決定が可能なのです。

もし政府が取引政策から流通貨幣の決定を行える規模でない場合でも、最終手段が残されています。それは処罰です。

禁止された代替通貨を使用しているところに処罰を下し、代替通貨の将来の価値を減少させることで、法定通貨の価値を保てるのです。

よって、取引政策に基づいて流通通貨を決定できる大規模な政府に対し、処罰を有効活用すれば、規模に関わらず処罰を割り当てられる力さえあれば、どんな政府でも流通通貨の決定ができるのです。

しかし、政府には仮想通貨ユーザーに処罰を与える際にハードルとなることがいくつかあります。

まず第一に、政府はそのユーザーを見つけなければなりません。

そして、Matonis氏や様々な人が言っているように、ビットコインのような仮想通貨は匿名で取引ができるので、個人とそのビットコイン口座を結びつけるのが困難なのです。しかし、困難ではありますが不可能ではありません。

もしある個人が、完全に匿名な取引システムを構築したとしても、様々な取引から個人を特定されてしまうのです。

例えば、あなたが何らかの商品やサービスを購入したとして、その取引のどこかで、あなたはその商品を受け取るなり、サービスを受け取るなりしなくてはなりません。

そして、その時にあなたの個人情報が特定されてしまうのです。

さらに、匿名の取引を行なったとしても、取引の相手方が政府のエージェントである可能性も少なからずあります。なぜなら、おとり捜査は実際に行われているからです。

さらに重要なことは、上記のハードルを見返してみると、幅広い取引を根絶させるのはたいして難しくないということです。

仮想通貨の送金、受け取りなどの使用も禁止され、処罰が与えられると「ビットコイン使用可能」という看板をみることもなり、ビットコインで取引を行う相手を探すのも困難になります。

ほとんどの人は、いかなる時も法律を破りたいとは思っていないでしょう。

日常生活で繰り返される取引で、わざわざ個人情報を隠し、取引相手を調べるなどの手間をかけたい人はほとんどいないと言っていいでしょう。

誰が好き好んで無駄な手間をかけてまで禁止された通貨で、牛乳やパンを買わなければならないのでしょう。

ほとんどの場面で、ほとんどの人にとってプライバシーはそれほど大切ではないのです。

政府は、全てのビットコインの取引を無くすのは非常に困難、というよりも不可能に近いでしょう。

しかし、やる気のある政府であれば、ビットコインを多くのユーザーにとって魅力のないものにし、潜在的なネットワークの規模を縮小させることはさほど困難ではないのです。

そのような市場では、ビットコインは、マイナーな通貨として粛々と機能するか、全く機能しないでしょう。

しかし、もちろん例外もあります。法定通貨が政府によってうまく運用されていなかったり(ハイパーインフレなど)、闇市場では標準的に禁止された通貨を使うことになるでしょう。

これは、現在のベネズエラに顕著に現れています。もし、たかが昼食を買うために違法な取引を必要とするのなら、ビットコインを使用することに対してリスクを考えずに済むでしょう。

そして、たかがランチで違法の支払いを起こしていると、それが常習化し、誰もが常時違法な支払い方法を取り続けます。

しかし、このようなケースは例外であり、ビットコイン支持者が存在し続け、政府がビットコインの使用を完全に禁止できなかった場合、政府は主張を制限することはありません。

幸運なことに、現時点で仮想通貨を禁止している国は極少数です。

しかし、脅威は確かにあります。政府が仮想通貨取引を完全に無くすことは不可能に近いですが、仮想通貨の取引を格段に減らすことは出来るのです。このことを念頭に置いて、私たちは慎重に通貨を選ばなければなりません。

そして、引き続き金融プライバシー及び分権通貨のメリットを公言していくと共に、仮想通貨のメリットを無くすことなく、仮想通貨の完全廃止の正当性を無くす、賢明な規制をサポートしていく必要があります。

これは、二番目に良い解決策であり、一番の解決策は世界に複数の有力な政府が存在することでしょう。

Can the government destroy Bitcoin?

Oct 5, 2017 by William J. Luther

参考記事はこちらから

CoinPostの考察

現時点で自国通貨以外を禁じている国はいくつかあります。

それらの国の中にはたとえビットコインなどの仮想通貨でも使用できない体制となっています。

ビットコインや仮想通貨が世界中で普及しはじめ、各国でその対応・規制を整えるようになってきました。

その理由の一つに、仮想通貨を利用した違法行為があります。アメリカ政府はその悪事を根絶するために専門組織を編成するなど取り締まりを始めています。

現時点では、先進国で仮想通貨自体を禁じている国はありません。この記事では仮想通貨を完全に禁じることは困難であるが、力を弱めることは可能であるとされています。

それぞれの自国通貨と仮想通貨がどのように共存していくのか、自国通貨が仮想通貨の利便性や普及により価値が薄まってしまうのか、政府の仮想通貨の判断が重要です。

Google Newsでフォロー
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/01 日曜日
11:30
ビットコイン、急落し1200万円台に AI関連決算と雇用統計が焦点|bitbankアナリスト寄稿
ビットコイン(BTC)は、AI投資採算性への懸念とバイナンスからの大規模不正流出が重なり、1200万円台まで急落した。目先はAI関連企業の決算ラッシュと米雇用統計が相場の方向感を左右する焦点となる。
09:25
週刊仮想通貨ニュース(10/30)|バイナンス流出・BTC価格予測・リップルの発表のまとめ
今週は、リップルによる年間プロダクト収益のランレート発表、グーグルのセキュリティツール限定公開、ビットワイズによる仮想通貨ビットコインの価格予測、バイナンスの不正流出に関する記事が関心を集めた。
10/31 土曜日
14:02
仮想通貨犯罪追跡大手チェイナリシス、不正アクセス被害に
仮想通貨分析大手チェイナリシスが30日、顧客のユーザーIDや氏名などへの不正アクセスを公表した。10月には日本の佐川急便や米国のオラクル・ヘルスを含む数百件の個人情報漏えいも確認されている。
13:45
米クラリティー法案が再び焦点に、バイナンス被害で資産凍結の法的保護めぐり論争広がる
仮想通貨取引所バイナンスで約63億ドル(1兆円超)の被害が出たハッキングを受け、ルミス上院議員は、クラリティー法案が成立していれば不審な取引を凍結できたと主張した。これに反論も出ており、業界団体は取引所の連邦監督を議会に求めている。
13:10
テザー社、USDT準備金の超過分が1兆円超えに回復 6月末から約2倍に
ステーブルコインUSDTを提供するテザー社は、7~9月期の準備金保証報告書を公表した。9月末の超過準備金は79.5億ドルで6月末から約2倍になっている。
11:02
ハイパーリキッドの収益源多角化、USDC準備金利回りなどの割合増加=レポート
グレースケールによると、ハイパーリキッドのコア取引手数料は9割超から約6割に低下し、HIP3や準備金利回りなど様々な部門からの収益が前年から倍増している。
10:20
東証上場イオレ、保有151.21ビットコインを全量売却へ AIデータセンター投資に充当
東証上場のイオレは30日、ビットコイン151.21BTCの全量売却を決議した。売却見込額は18億3,100万円、売却損は約2億5,400万円の見込みで、代金はAIデータセンター事業関連投資に先行して充てる。
09:20
北朝鮮ハッカー、バイナンス1兆円窃盗の大半をわずか約20分で実行 秘密鍵に頼らず署名悪用
バイナンスで1兆円相当の資産が流出し、大半が約20分に集中したことが判明。分析会社は秘密鍵の盗難・漏洩ではなく署名の仕組みへの侵害と指摘し、EIP-7702が悪用された手口を踏まえ、承認ルールの独立判定などの対策を挙げた。
07:32
米CFTC委員長、バイナンス被害めぐり仮想通貨取引所が選べる伝統金融並みの保護を提案
米商品先物取引委員会(CFTC)のセリグ委員長は30日、バイナンスで29日に起きたハッキングを受け、仮想通貨取引所が任意で連邦登録できる選択肢を設ける考えを示した。米国のデリバティブ市場と同じサイバー対策などが適用される。
07:05
米仮想通貨関連株が全面安、1兆円規模のハッキングも市場全体への脅威は限定的とアナリストが見解
30日の米国株式市場ではバイナンスの1兆円不正流出事件を受けて、コインベースが10.62%、サークルが9.3%下落した。ウォール街の3社は市場全体の脅威になる根拠は乏しいとみている。
06:20
トランプ大統領、バイナンス1兆円被害めぐり北朝鮮関与の可能性を調査中
トランプ大統領は30日、仮想通貨取引所バイナンスのハッキングに北朝鮮のハッカー集団が関与したか調べていると話した。チェイナリシスは1兆円近くのハッキングは北朝鮮によるものだと強く確信している。
06:05
バイナンス、ハッキング被害の補償に約1兆円を確保
バイナンスは31日、ハッキング被害の補償に自社資金63億4000万ドル超を確保したと明らかにした。被害額の約80%分は流出と同じトークンで保有しており、残りも買い付けを進めている。
10/30 金曜日
21:25
SBI VCトレードとビットバンク、バイナンスの暗号資産流出で顧客資産に影響なし
SBIホールディングスが30日、バイナンスの暗号資産不正流出事案について、子会社各社のバイナンスに対するエクスポージャーは現時点で限定的で、連結業績への影響はないと発表した。SBI VCトレードとビットバンクの顧客資産への影響もない。
19:10
バイナンス、ハッキング調査で複数の侵入箇所が判明
バイナンスは30日夕方、仮想通貨の流出事件で他の侵害箇所が見つかったと公表した。出金サービスは45時間後の再開に向けて予定通りに進んでいるという。
17:29
レジャーに続きトレザーでも不正部品の報告 東南アジア販売店経由
ハードウェアウォレット大手トレザーは30日、東南アジアの販売店クリプトビリスが売ったSafe 5に不正部品が組み込まれていたとの報告を公表。同店で3月以降に購入した利用者に新しいリカバリーフレーズでの資金移動を求めた。レジャーの改ざん事件に続く報告。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
重要指標
一覧
新着指標
一覧