
今週の週次レポート
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が、今週の暗号資産(仮想通貨)ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
今週の週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円相場は前週に引き続き確りと推移し、19日正午時点で、1730万円台で推移している。
週明けはシカゴマーカンタイル取引所(CME)のBTC先物が窓埋めを達成したことで、相場は一時失速するも、ドル建てで8月14日の史上最高値と9月1日の安値の半値戻しとなる11万5865ドル周辺で下げ止まり、その後は同水準を挟み込み揉み合いに転じた。
しかし、16日の米国時間からは、米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え利下げ観測から金利が低下し、BTCはジリ高に推移。17日の東京時間には1725万円まで反発した。
一方、この日の海外時間からは一転して警戒感が広がり、相場は1700万円周辺まで水準を下げた。FOMCでは9カ月ぶりの利下げが決定され、ドットプロットでは年内あと2回の利下げの可能性が示されたが、パウエルFRBが利下げを急がないと記者会見で発言したこともあり、相場は上下に大きく振れた。
ただ、段階的な利下げの可能性が示唆されたことで、イベント通過後は安心感から買い戻しが入り、18日の米国時間には1750万円を試す展開となった。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】
出所:bitbank.ccより作成
今回のFOMCでは、会合参加者の19人中9名が年内2段階の利下げを支持し、1名は5段階(25bp×5)の利下げを支持した一方、6名は金利据え置きを支持し、1名は1段階の利上げを支持し、FRB内での意見の相違がはっきりと浮き彫りになった。
パウエル議長も今回の利下げを「リスク管理」と称し、物価上昇と雇用リスクの板挟み状態でバランスを注視していくスタンスを示した。よって、今回は利下げに踏み切ったものの、FRBメンバーの総意としてハト派的な政策の軌道修正がされたという印象は極めて薄かった。
ただ、ドットプロットの中央値が2段階引き下がったことで、市場にとっては良くも悪くも答え合わせができたと言えよう。直前には警戒感も窺えたことから、イベント通過後のBTCは確りと推移している。
足元ではドル高と債券安(金利高)が気掛かりではあるものの、これは債券市場が来年に向けた利下げを織り込み過ぎていたことの反動と言え、影響は短期的だろう。
チャートの側面では、ドル建てBTC相場は上述の半値戻し11万5865ドルをクリアしており(第2図)、18日には一目均衡表で強い買いシグナルとされる「三役好転」も完成した。
FOMC通過もリスクオンムードが保たれるなか、こうしたテクニカル的なセンチメントの改善も追い風になると指摘され、目先のBTCは12万ドル(約1770万円)を試す展開が視野に入る。12万ドルの上抜けに成功すればいよいよ全値戻しも意識されるだろう。

【第2図:BTC対ドルチャート(日足)】
出所:Glassnodeより作成
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