
世界30超の金融機関と共有台帳を開発
国際銀行間決済ネットワークSWIFTは29日、ブロックチェーン基盤の共有台帳を技術インフラに追加すると発表した。世界30以上の金融機関と協力し、24時間365日のリアルタイム国際決済を最初のユースケースとして開発を開始する。
SWIFTは今回の声明で、コンセンシス(Consensys)と協力して台帳の概念プロトタイプを作成すると明らかにした。規制されたトークン化資産の取引を促進し、既存システムと新興システム間の相互運用性を確保する設計となる。参加金融機関にはバンク・オブ・アメリカ、JPモルガン・チェース、シティ、HSBC、三菱UFJ、みずほなど16カ国の銀行が含まれている。
ハビエル・ペレス=タッソ最高経営責任者は「金融機関が決済体験を次のレベルに引き上げるための道を開いている。SWIFTの実証済みで信頼されたプラットフォームを業界のデジタル変革の中心に据える」と述べた。同社は既存のフィアット決済レールの改善と並行してデジタル金融に向けた準備を進める戦略を採用している。
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SWIFTは現在1.15万を超える金融機関に200カ国以上でサービスを提供している。同社は2023年にも複数のブロックチェーンでトークン化資産転送の実験を実施しており、XRPレジャーやヘデラなど複数のネットワークで相互運用性をテストしていた。2025年中にはデジタル資産と通貨取引のライブ試験を実施する予定も発表された。
一方、ザ・ビッグ・ホエールは26日、SWIFTがイーサリアムレイヤー2のリネアでメッセージングシステムのオンチェーン移行実験を行っていると報じた。BNPパリバやBNYメロンなど複数の金融機関が参加し、高度な暗号学的証明によるプライバシー強化が選定理由とされている。
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