
「suiUSDe」と「USDi」発行の計画
スイ・グループ・ホールディングス(SUIG)は1日、暗号資産(仮想通貨)SUI(スイ)の開発を支援するスイ財団およびEthena(エセナ)と提携し、スイのチェーンを土台とした独自ステーブルコイン「suiUSDe」および「USDi」をローンチすると発表した。
デジタル資産トレジャリー企業(スイ・グループ)、ブロックチェーン財団(スイ財団)、ステーブルコインプロバイダー(エセナ)による業界初の協業となる。この発表を受けて、仮想通貨スイは5%上昇した。
スイ・グループのマリウス・バーネット会長は、次のように説明している。
suiUSDeとUSDiの立ち上げにより、スイ・グループはデジタル資産トレジャリー企業の従来型モデルから脱却し、エコシステムの中心的な流動性ハブとして機能する『SUI Bank』(銀行のようなもの)を構築するという長期的なビジョンを持つインフラ・ビルダーへと進化していく。
同社は、スイ・ブロックチェーン全体の流動性、実用性、長期的な価値を高めるメカニズムを創出すると共に、ステーブルコインの普及と取引に関する新たな収益源も開拓して、株主に経済的価値を提供することに注力していく方針だ。
ナスダック上場のスイ・グループは、7月末に仮想通貨スイを蓄積する財務戦略を開始している。
ステーブルコインとは
価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。
特徴や提供時期
suiUSDeは、スイのブロックチェーンにネイティブなシンセティック(合成)米ドルステーブルコインである。米ドルを裏付けとするのではなく、複数のデジタル資産とそれに対応するショート先物ポジションの組み合わせによって裏付けられる。
また、USDiはブラックロックが提供する米国債裏付けトークンBUIDLを担保としたステーブルコインだ。
スイ・グループによると、suiUSDeとUSDiの主な特徴は以下のとおりである。
- 準備金から生み出される純収益の一部が、スイ・グループのSUI保有額増加およびバランスシートの強化に充てられる予定。
- EVM(イーサリアム仮想マシン)ではなく、エセナのインフラを活用する。
- 米ドルの相対的な安定性と、スイの高速でコンポーザブル(各部分を組み立て可能)なレイヤー1インフラを組み合わせることで、高速・低コストの取引と、より広範なエコシステムとの統合を目指す。
スイ・グループは、suiUSDeとUSDiを2025年末までに提供開始できると見込んでいる。米国ユーザーだけでなく、世界中のユーザーへのアクセスを拡大していくことを目指すとも述べた。
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