USDTで加盟店決済を拡大
テザーは9日、アフリカでのデジタル資産決済アクセス拡大を目的に、ケニア拠点のフィンテック企業HoneyCoinとの戦略的提携を発表した。この提携により、新たなキャッシュレスPOSシステムを通じてUSDTが主流経済に導入される。
HoneyCoinは、同地域の企業向けに、オンライン・対面取引の両方をサポートするため、決済スタック全体にUSDTを統合する。これは、現地通貨の変動リスクを避けたい人々が増えているサハラ以南アフリカで、ステーブルコインへの関心が高まっていることを示している。
HoneyCoinは、加盟店がレジで直接USDTを受け取れるPOSネットワークを導入する。QRベースの決済と専用端末をサポートし、あらゆる規模の企業がステーブルコイン決済に簡単にアクセスできるようにする。消費者はUSDTで支払い、加盟店は現地通貨で請求し、HoneyCoinがバックグラウンドでリアルタイム為替変換を行う。
このモデルは従来の決済ツールより迅速な決済と低手数料を実現。中小企業がドル連動資産で資金を保有し、運転資金を分散させることも可能になる。
同社はまずケニアでサービスを開始し、その後他市場へ展開する。マルチ通貨ダッシュボード、決済アプリ、オンライン決済オプションも組み込み、実店舗・デジタル両方の商取引を促進する。
HoneyCoinはすでに月間1億5,000万ドル(約225億円)以上のステーブルコイン取引を処理している。企業顧客と協力し、グローバル決済インフラに接続するAPIを開発者に提供。
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サハラ以南アフリカでステーブルコインが拡大
アフリカ経済はインフレ上昇、急激な為替変動、銀行システムの構造的断絶に直面している。こうした状況から、消費者も企業も貯蓄、決済、国際送金にステーブルコインを活用するようになっている。
2024年7月〜2025年6月に同地域へのオンチェーン価値は2,050億ドル(約30兆円)を超え、前年比約52%増加。この流入の大部分はステーブルコインによるものだ。
テザーのCEO、パオロ・アルドイノ氏は、同地域全体でデジタルドルへの需要が高まっていると述べた。「私たちの使命は、すべての人に真の金融包摂を届けることだ。人々が制限なくグローバルなデジタル経済にアクセスできるようにしたい」と語った。
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規制と競争の動向
HoneyCoinとの提携は、ステーブルコインの成長と決済規制の変化がアフリカの仮想通貨普及を左右している時期に行われた。
USDTはアフリカのステーブルコイン活動で優位を占めているが、USDCや現地通貨建ての地域トークンと競合している。M-Pesaなどのモバイルマネーは、特に日常の小売取引で依然として強い地位を維持している。
複数のアフリカ市場の規制当局は、ステーブルコイン決済が為替ルール、資本規制、マネーロンダリング防止基準とどう関わるかを評価中だ。
POSベースのステーブルコイン決済の拡大は、中央銀行や決済当局からの監視強化を招く可能性がある。ケニアでの展開は、HoneyCoinが他地域へシステムを導入する前の初期テストケースとなるとみられる。
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