39社に2兆円規模の売却圧力
世界的な株式指数を提供するMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が、仮想通貨を大量保有する企業を主要指数から除外する方針を検討している。
MSCIは2026年1月15日に最終決定を発表する予定で、承認されれば同年2月の指数見直しで実施される。
MSCIは世界中の機関投資家が参照する株式指数の提供会社だ。同社の指数はETF(上場投資信託)やインデックスファンド(指数連動型の投資信託)の運用基準として広く利用されている。
企業がMSCI指数に組み入れられると、指数に連動する数兆ドル規模のファンドから自動的に資金が流入する。逆に指数から除外されれば、これらのファンドは保有株を機械的に売却せざるを得ない。
今回の提案は、総資産の50%以上を仮想通貨で保有する企業を投資ファンドとみなし、株式指数から除外するというものだ。
除外されれば、パッシブファンドによる強制売却が発生するだけでなく、企業の資金調達能力が大幅に低下する。指数に組み入れられていることで得られていた機関投資家からの継続的な資金流入が途絶え、株価下落圧力が強まる恐れがある。
仮想通貨保有企業の支援団体ビットコイン・フォー・コーポレーションズ(BitcoinForCorporations)によると、この措置が実施されれば39社で100億ドルから150億ドル規模(約1兆5,000億円から2兆2,500億円)の強制売却が発生する可能性があるという。
関連:ストラテジー社、ビットコイン保有企業の扱いめぐり書簡 MSCI指数除外案に反対表明
業界から強い反発、1,200超の署名集まる
この提案に対し、業界からは強い反発の声が上がっている。支援団体ビットコイン・フォー・コーポレーションズは、MSCIに提案の撤回を求める請願書に1,268の署名を集めた。
同団体は「単一の貸借対照表指標では、企業が事業会社かどうかを反映できない。顧客、収益、事業運営、ビジネスモデルが変わっていなくても、この規則により企業が除外されてしまう」と批判し、実際のビジネスモデルや事業特性に基づいて分類すべきだと訴えている。
最大のビットコイン保有企業であるストラテジーは12月10日付の書簡で、この提案を「誤った判断」と批判し、MSCIは中立的な立場を維持すべきだと主張している。
ナスダック上場のストライブ・アセット・マネジメント(Strive Asset Management)も反対意見を表明し、一律除外ではなく「デジタル資産保有企業除外版」の指数を別途作成することを提案した。
これにより、投資家が回避したい場合はその指数を選択し、通常の指数を利用したい投資家は完全な投資ユニバースにアクセスできるとしている。
関連:ビットコイン保有企業の指数除外方針に反対、ストライブ社がMSCIに書簡
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