はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨イーサリアム2.0の新技術導入で、新たに判明した「巨額コスト」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

新技術導入に出資金の必要性
現在イーサリアム財団の調査員らは、PoSへと移行する際に重要となる「VDFs」技術を導入するか否かの決断を下すため、リサーチを進めているが、同技術を導入するために巨額コストがかかる点が浮上したという。これを受け、正確な成功確率の見極めが必要である点を強調した。

新技術導入に16.5億円の出資の必要性

イーサリアム2.0の最終段階にあたる「セレニティ(Senerity)」のアップグレード。セレニティの導入により、イーサリアムのコンセンサス・アルゴリズムがPoWからPoSへ移行する点や、トランザクションの処理能力の大幅向上が見込まれるシャーディングの導入が行われるなど、現在幅広く利用されるイーサリアムブロックチェーンの可能性を大きく広げるとの期待が高まっている。

また、1月31日にGitHub上にて、イーサリアム2.0に向けた開発の進捗状況も開示されるなど、ユーザーへの情報開示も開始している。

そのような中で現在、イーサリアム財団の調査員らが力を入れている点として挙げられたのが、PoSへと移行する際に重要となる「Verifiable Delay Functions(VDFs)」と呼ばれる技術を導入するか否かの決断を下すための、リサーチだ。

VDFsは、強力な乱数生成を実現するもので、生成される乱数のランダム性の向上が期待されている。

このランダム性により、移行予定のPoSにおけるバリデータ選出の際に、予測困難性や公平性がもたらされることで、イーサリアム2.0のエコシステムのより良い礎を築く事に繋がると見られている。

VDFs導入に出資金の必要性

しかし、同財団のリサーチでは、VDFsを導入するための壁もある点が記載されており、その内容として、VDFs導入に際し、イーサリアム財団が1500万ドル(約16.5億円)に及ぶ出資の必要性が浮上しているとのことだ。

これは、出資金に関する財政の点ではなく、予想以上の多額出資が必要になった背景から、成功する可能性をより正確に見極める必要が出てきたというものだという。

イーサリアム財団の調査員Justin Drake氏はCoinDeskに対し、以下のように語っている。

基本的に我々は、VDF導入プロジェクトを遂行するか否かの決断を下すための基礎準備を行なっている。

そのプロジェクトの規模は、1500万ドル(約16.5億円)に及ぶため、我々はそのプロジェクトが成功するかどうかを確実に見極める必要がある。

また同氏は、イーサリアム2.0へのVDF導入の決断を下す前に、複数のテストを実行する予定があることを前提に、そのテストの一つ、VDFsの安全性を検証する「RSAセレモニー」では、世界中からテスト参加者を募る必要性があること点を明かした。

「RSAセレモニー」以外のテストにおいても、ASICsと呼ばれる「VDFを走らせるためのファームウェア」を開発、テストするために、世界中からのテスト参加者を必要だという。

VDFを導入するためには、基本的に処理速度の高速なASICが必要となる。

トランジスターがASICに接続するための手段として、高度なアルゴリズムに従う必要があるが、そのために、世界一速い処理能力を有する必要はないが、十分な速さの処理能力を兼ね備えていることが求められる。

VDFsが導入されることで、イーサリアムのアップグレード後、より良いエコシステムにつながる可能性はあるが、それを実行するための資金がボトルネックとなり、導入に関する判断が遅れている状況になっている。

ただ、VDF導入に関する調査は着時に進んでいる点は、強調し、今後大きくアップデートされるイーサリアムのブロックチェーンエコシステムに期待感を示した。

▶️本日の速報をチェック
CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者12,000名突破。

CoinPostの関連記事

『仮想通貨イーサリアム 2.0』の進捗状況を毎週公開へ|最終段階に向けたプロセスをユーザーへ
1月31日にGitHub上にて、イーサリアム 2.0に向けた開発の進捗状況について公表された。1月から毎週、イーサリアムの四段階アップデート「Senerity」に向かっての最新情報が逐一公開される。
仮想通貨イーサリアム、コード監査のため『ProgPoW』実装延期の可能性が浮上
イーサリアムの開発者コミュニティは、第三者機関によるコード監査の実施を予定しており、以前に仮決定していたProgPoWの実装が延期される可能性が出てきた。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/03 木曜日
18:23
Aptos LabsがYellow Cardと提携、アフリカ20カ国で手数料無料のステーブルコイン送金開始 
Aptos LabsとYellow Cardが提携し、アフリカ20カ国で手数料無料のステーブルコイン送金サービスを開始した。USDT・USDC対応で即時決済を実現し、数百万人のユーザーがステーブルコインをより迅速かつ手頃な価格で利用できるようになった。
18:10
ストラテジー社のビットコイン財務戦略:価値創造と潜在リスクの両面
米国のストラテジー(マイクロストラテジー)などビットコイントレジャリー企業の財務モデルを軸に、株式を通じた投資の仕組みやレバレッジ効果、税務上のメリットなどを解説。日本のメタプラネットなど類似上場企業の動きも取り上げ、再現性の条件やリスク要因を多角的に考察する。
17:26
スイスFINMA規制のAMINA銀行、リップル社RLUSDを世界初サポート
スイス金融監督局(FINMA)規制下のAMINA銀行が、リップル社の米ドル建てステーブルコイン「RLUSD」の取扱いを開始。時価総額660億円超のRLUSDをサポートする世界初の銀行として、機関投資家向けに保管・取引サービスを提供。
16:14
米仮想通貨取引所コインベース、「LiquiFi」買収でトークン発行支援事業強化へ
米コインベースがトークン管理プラットフォーム「LiquiFi」を買収。トークン発行者を初期段階から支援するプラットフォームであり将来的に機関投資家向けサービスにも統合予定だ。
16:02
オルタナ信託設立とProgmat・ALTERNAの協業深化
三井物産デジタル・アセットマネジメントは、デジタル証券特化の信託会社「オルタナ信託」を設立。Progmatと協業し、ST発行・管理基盤を導入。ST市場の効率化と拡大を目指す。
12:04
ビットコイン反発で11万ドルに接近、Bitfinex分析ではQ3の季節性要因を警戒
仮想通貨取引所ビットコインは前日比+2.6%の108,733ドルまで上昇。Bitfinexレポートによると、4月安値から50%反発後は10-11万ドルのレンジ相場に移行し、第3四半期の季節性要因で平均リターン6%の「最弱四半期」を警戒する。一方、米国初のソラナステーキングETFが取引開始し初日3,300万ドルの好調なスタートを記録。
09:50
「ビットコイン保有者の大多数が含み益、HODLが主流に」Glassnode分析
Glassnodeの週次レポートによると、仮想通貨ビットコイン投資家の大多数が含み益状態で、長期保有(HODL)が市場の主要メカニズムになっている。
09:31
米SIFMA、証券トークン化の規制作りでSECに要望書簡送付
米SIFMAはSECに対し、RWAに分類される株などの証券のトークン化に対する規制整備について提案を行った。オープンで透明性の高いプロセスを通して、ルールを作るべきだと主張している。
08:55
米テック富豪ら、仮想通貨向け銀行「Erebor」設立を計画=報道
ピーター・ティール氏らテック投資家が仮想通貨企業向け銀行Erebor設立を計画。全米銀行免許を申請、シリコンバレー銀行の後継を目指す。
08:20
米上場の中国系アパレル企業アデンタックス、ビットコインを最大12000BTC買収へ
ナスダック上場の中国系企業Addentaxが最大1万2000BTCの買収で基本合意。約13億ドル相当を株式交換で取得予定、5月発表の8000BTCから規模拡大。
07:55
ブラックロックのIBIT、手数料収入が「S&P500ETF」超え
ブラックロックの仮想通貨ビットコインの現物ETF「IBIT」は、同社のS&P500のETFよりも手数料収入を生み出していることがわかった。IBITはビットコインETFの資金フローを主導している。
07:30
ドル指数が2022年以来の安値に、ビットコインや金に与える影響と今後の見通し=Cryptoquant分析
Cryptoquantが2日に発表した分析によると、ドル指数が2022年来安値を記録する中、ビットコインは膠着状態が続く。長期保有者の含み益減少も指摘。
06:55
ビットコイン、2025年後半に20万ドル到達目標を維持=スタンダードチャータード銀
スタンダードチャータード銀行のケンドリック氏がビットコイン20万ドル予測を維持。ETFや企業購入の拡大により2025年後半に史上最大の上昇を見込むか。
06:10
リップル、米国銀行ライセンス申請 サークルに続く動き
リップルが米通貨監督庁に国家銀行免許を申請。RLUSDステーブルコイン規制対象化とサークルとの競争激化が注目される。
05:50
オープンAI、ロビンフッドの株式トークン化サービスとの提携を否定 未承認でトークン発行か
OpenAIがロビンフッドの株式トークンサービスへの関与を公式否定。未上場企業トークン化における先買権問題が浮き彫りに。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧