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ヴィタリックがDAOの欠点を指摘、ゼロ知識証明などによる改善を提案

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「プライバシーや意思決定に課題」

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は19日、Xへの投稿で自律分散型組織(DAO)のあり方を改善するための提案を行った。

ブテリン氏は現在、DAOは、トークン保有者の投票によって管理される資金庫を指すようになったと指摘。しかしこの設計は非効率で、乗っ取られやすく、人間による政治力学の弱点を緩和するという目標には遠いと述べている。

DAOとは

自律的に機能する分散型組織を指す。「Decentralized Autonomous Organization」の略。一般的な企業などとは違い、経営者のような中央管理者が存在しない。参加メンバーやアルゴリズムによって運営管理が行われる。

ブテリン氏は、DAOが効果的に機能するための2つの主要な課題として、プライバシー保護と意思決定疲労を挙げた。

「プライバシーがなければ、ガバナンスはソーシャルゲームになってしまう」と述べる。誰がどのような票を投じたかが分かる場合、社会的・人間関係的な圧力で運営に関する投票行動が左右されることを示唆した格好だ。

また、「意思決定疲労」は、人々が毎週意思決定をしなければならない場合、最初は熱心に参加者が集まるものの、時間が経つにつれて、参加意欲や情報収集への意欲が低下してしまうという問題である。

ブテリン氏は、まずプライバシー保護のためにはゼロ知識証明(ZKP)を活用することが有効だと主張した。ゼロ知識証明とは、秘密の情報を一切開示せずに、その情報を持っていることや、特定の条件を満たしていることを証明する暗号技術だ。

マサチューセッツ工科大学(MIT)の元研究者でゼロ知識証明の専門家、ハリー・ハルピン氏は、これに関して次のようにコメントした。

DAOは民主主義政治の未来だ。人々は、大統領選での投票結果を公表したくないのと同じように、トークンガバナンスにおける投票結果も公表したくないだろう。ゼロ知識証明はそうしたプライバシーを実現する一つの方法である。

関連:「ゼロ知識技術を中核に据える未来へ前進」=イーサリアム財団トップ

コミュニケーションツール導入を提唱

さらに、ブテリン氏は意思決定疲労を解消するためのAI(人工知能)や合意形成のためのコミュニケーションツールを採用することを提案した。

その上での注意点としては、AIにより人間の意図や判断を置き換えるのではなく、人間の判断をスケールアップし強化するものとして、慎重に導入する必要があると指摘している。

また、DAOの一連の機能にはコミュニケーション層も含めることが重要であり、その目的のために特別に設計されたフォーラムやプラットフォームが必要になると続けた。マルチシグや適切に設計された合意形成ツールを挙げている。

ブテリン氏は、今後もDAOは様々な目的のために必要だと強調した。優れたオラクルの作成、オンチェーン紛争解決、リスト管理、プロジェクトの迅速な立ち上げや長期メンテナンスなどに使用できるとしている。

なお、オラクルとはブロックチェーンの外部にある現実世界のデータ(価格、天気、イベント結果など)をスマートコントラクトに安全に供給するための仕組みやサービスである。

関連:ヴィタリック、2026年をイーサリアムの自己主権回復の年と宣言

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