- 高額かつ数十回に渡るXRPとXLM送金が確認
- 大口の送金状況をブロックチェーンのデータから追跡するBOT「Whale Alert」の報告で、BittrexとUpbit間で大量のXRP(リップル)とXLM(ステラ)の送金が行われていたことがわかった。各通貨共に、1千万単位の送金が数十回に渡って行われた。一体何が行われたのか、周辺状況を探った。
お詫びと修正
ただいま公開した記事のタイトルに桁数の誤りがあったため、修正いたしました。なお、記事内の内容には変更はございません。
誤解を招く表現がありましたことを、深くお詫び申し上げます。
高額かつ数十回に渡るXRPとXLM送金が確認
大口の送金状況をブロックチェーンのデータから追跡するBOT「Whale Alert」は28日、BittrexとUpbit間で大量のXRP(リップル)とXLM(ステラ)の送金が行われていたことを報告した。
9,999,999 #XRP (3,188,260 USD) transferred from #Bittrex to #UpBit
— Whale Alert (@whale_alert) February 27, 2019
Tx: https://t.co/Q3AMc5FEZ6
10,000,000 #XLM (867,121 USD) transferred from #Bittrex to Unknown wallet
— Whale Alert (@whale_alert) February 27, 2019
Tx: https://t.co/Tpfgtmhhjt
これらの送金額でわかるように、キリのいい数字での送金、かつ全ての取引が同額で行われていたことがわかっており、Whale Alertの情報では、XRPの取引だけで1時間の間に1000万XRPの送金が50回、金額にして1.59億ドル(176億円)にのぼるという。
We tracked 50 transactions of 10 million #XRP each from #Bittrex to #Upbit the past hour. The total value of the transactions was $159,536,070 USD.
— Whale Alert (@whale_alert) February 27, 2019
XLMに関しても同様にかなり多くの送金履歴が報告されていたため、バグなのではないかとのコメントが殺到したが、Whale Alert側は「大量送金が行われているが、表示的なバグではない」とする発言を行なっている。
また、BittrexからUpbitにこれらの送金が行われたのち、UpbitからBittrexに返却する動きも確認された。(全額ではなく、把握できる範囲では約1億1千万XRPが残されている)
なぜこの大量送金が行われているのか?現状でおきている状況をまとめる。
送金は公式によるものか
今回の送金履歴は、基本的にBittrex(米国)とUpbit(韓国)で行われており、どちらも各国での大手取引所に該当する。
これら2つの取引所の関係性は、2017年10月カカオトークを手がける「カカオ社」が出資するフィンテック企業がUpbitを立ち上げる際、独占的なパートナーシップを締結、立ち上げ時のセキュリティ面の技術サポートや、運営サポートをBittrexが行うといった密接な関係性を持っている。
今回考えられる可能性としては2点ある。
- Bittrexのメンテナンスに関係
- XRP関連でテスト送金
Bittrexのメンテナンス
今回行われた送金のあと、日本時間28時朝6時よりBittrexの大型メンテナンスが行われている。
今回のメンテナンスでは、Bittrexまたはパートナー企業(ホワイトラベル採用取引所など)との取引エンジンを大幅強化することを目的に、UI/UXの強化、または後日公開の秘密のアップデートなどが内容に挙げられており、同時刻のウォレットは一時的にオフラインになる点を報告していた。
ツイッターでの不正送金に関する言及がないことや、継続的にアップデートの内容を告知している点を踏まえると、今回の送金は、このメンテナンスに関連したものである可能性は考えられる。
このアップデートに伴い、Bittrex側はウォレットのオフライン化を発表しているが、この送金時にXRPだけでなく、XLM、POLY、POWR(後者2通貨は1度の送金のみ)が送られていることを踏まえると、アップデートなど取引所自体の事情による公式の送金であることが考えられる。
なお、通常の取引所ではハッキングの懸念を防ぐため、大量送金時には公式の送金である旨を報告することが多くあるが、今回はアップデートの報告のみで、送金に関する内容は発表されていない。
XRP関連でテスト送金
また可能性の範囲として考えられるのが、Bittrexが先日リップル社とxRapidを採用する”プリファードパートナー”の契約を締結に関連する動きだ。
この契約は、XRP Ledgerを通したXRP決済を目的とした、「プリファードデジタル資産取引所」の役割を担っている(要するに流動性を利用してUSDとXRPの両替を担う)もので、XRPを大量保有する取引所として、Bitso(メキシコペソ)、Coins.ph(フィリピンペソ)と共にパートナー契約に至っている。
この点で注目したいのが、メンテナンスが開始される前に、XRPが両取引所(Bittrex、Upbit間)を往復した点だ。他の通貨はUpbitへ送金されたまま、メンテナンスへ突入しているが、XRPのみ一部の資産を残して返金される動きが見られている。
よって、これが送金に関連するテストを行なった可能性はあり、xRapidを採用している関係から、XRP送金やxRapidに関する動きである可能性は考えられる。
今回のメンテナンスの事項には、パートナー企業との取引エンジン強化があるが、これは各国フィアット通貨と仮想通貨とのシームレスな流動性向上に繋がる可能性が高く、この辺りで新たな施策を考えている可能性は注目しておきたい動きとなりそうだ。
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