- スイス大手証券取引所、R3社のCordaブロックチェーン利用へ
- スイス大手証券取引所のSIXグループが米R3社の「Corda Enterprise」を用いて、デジタルアセット取引、決済およびカストディサービスに利用することが明らかに。最終目標は「株式を始め、その他金融商品や美術品のような物理的資産のトークン化を進めること」だとしている。
スイス大手証券取引所、ブロックチェーンを利用へ
スイス大手証券取引所のSIXグループが、R3社の提供するブロックチェーン・プラットフォーム「Corda Enterprise」を用いて、デジタルアセット取引、決済およびカストディサービスに利用することが、CoinDeskの報道により明らかとなった。
SIXグループが「Corda Enterprise」を選択した理由としては、以下の2点を挙げている。
- 厳しい規制での利用を想定した設計となっている
- Cordaが多分野で広く使われている
SIX Digital Exchange(SDX)の最高デジタル責任者Sven Rothは、以下のように述べている。
Cordaが広く利用されているということは、とても重要だった。
様々な企業の(ブロックチェーン)製品を確認したが、例えば「ポスト・トレード」のような、ニッチなサービスや大変限られた分野のみを対象としたものが多くあった。我々は、(そうしたブロックチェーン・プラットフォームを利用することで)対象エリアを狭めたくなかった。
SDXの目標は、「規制の行き届いた仮想通貨取引所の創設を開始地点とし、最終的に株式を始めとして、その他の金融商品や美術品のような物理的資産のトークン化を進めることだ」としている。
また、Roth氏の発言によれば、同プラットフォームは2019年の下半期に立ち上げ予定だとし、株式や債券、公債など、既存の銀行サービスで扱われるアセットからサービスを提供開始するとしている。
同氏は、さらに言及している。
(上記した)それらアセットクラスのうちの一つが、ローンチ時に利用可能となる予定だ。
そしてローンチ後には、SIXの証券保管振替機関が取り扱う、その他の資産もトークン化するだろう。
また、我々が提供するDLTのみで商品を扱うことにより、流動性の低下や、どの証券保管振替機関なのかといった問題を解決することができる。
SWIFTも分散型台帳技術を利用へ
金融通信メッセージ・サービスを提供する大手SWIFTは、シンガポール証券取引所、ドイツ銀行、DBS銀行、HSBCホールディングス、スタンダードチャータード銀行、有価証券ソフトウェアを提供するSLIB社と協力し、分散型台帳技術を利用した電子投票プラットフォームの概念実証(PoC)を行うことを発表している。
多くの金融業界おいて、株主投票は紙ベースでの作業が主流となっているため、リソースが割かれ、大変時間を浪費する作業となっており、その点で、同プラットフォームが役立つとしている。
SWIFT社は、DLTの秘めるポテンシャルについて、以下のように説明している。
特に代理投票においては、ミスが多く発生し、処理作業も複雑で、なおかつ手作業となっている。
分散型台帳技術を導入し、透明性や自動化を推し進めることで、それら課題を解決することができる。
このように、現在金融業界において、分散型台帳技術およびブロックチェーン技術を試す動きが加速している格好となっている。
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