WebX完全ガイド
TOP 新着一覧 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

オプション取引が仮想通貨(暗号資産)にもたらす影響とは|クリプタクトの挑戦

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

デリバティブを通した仮想通貨(暗号資産)の価格の安定化への挑戦
仮想通貨の普及に向けた課題としてよく挙げられるのがその値動きの激しさだ。仮想通貨の税金計算ツールなどを提供してきたクリプタクトは、デリバティブの一つであるオプションを普及させることで、仮想通貨の価格の安定化に貢献することを目指している。本記事では、クリプタクトの挑戦について伺った内容を、デリバティブとは何なのかといったところから、初心者にも分かりやすくお届けする。
株式会社Cryptact(クリプタクト)とは
2018年1月、Cryptact創業メンバー3人は元ゴールドマン・サックスで前職ではヘッジファンドと呼ばれる絶対収益型のファンドで運用を担当しており、そのシステム開発を行うエンジニアと共に設立しました。

▶️公式ホームページ:株式会社Cryptact

▶️Twitter:クリプタクト(@Cryptact)

オプション取引が仮想通貨(暗号資産)にもたらすものとは

無料の仮想通貨税金計算ツールを提供する株式会社クリプタクトは今年の3月5日にオプション取引市場を創設を目的とした子会社『株式会社Protoption』を設立。仮想通貨のオプション取引提供へ向けたプロダクト開発を行なっている。

Protoptionは日本企業として、リスクヘッジの手段としての仮想通貨のオプション取引市場を提供することで、機関投資家などを呼び込み、仮想通貨の安定化や普及につなげるのが狙いだという。

オプションを含むデリバティブ(派生商品)は、伝統的な金融市場に対して、まだまだ提供される商品は限られているが、それはなぜなのか?

本稿では、デリバティブの解説から、仮想通貨業界で浸透していない理由や課題、また実現することで市場にどのような影響を与えるか、詳しい詳細を解説する。

提供:株式会社Protoption社 企業ロゴ

クリプタクトのCEOでもあり、デリバティブの提供に取り組むProtoptionのCEOでもある斎藤 岳氏に見解を伺った。

デリバティブとは

デリバティブは、金融派生商品とも呼ばれるのですが、英語の「derivative」(派生した、派生的な といった意味)からきており、その言葉の意味からも分かる通り、現物の資産(通貨、株、債券など)そのものを売買するものではなく、それらの原資産をベースとした別の(=派生した)商品となります。

例えば、先物のような、現物資産を将来売買することをあらかじめ約束した商品は、デリバティブの一種です。その他にもオプションのような、将来売買する権利を売買する商品もデリバティブに該当します。原資産をベースとした商品で、原資産そのものを直接売買しているわけではないような商品が、基本的にデリバティブと呼ばれていると考えていいかと思います。

仮想通貨にあるデリバティブは、先物やオプションなどもありますが、ほとんどはそれらとは異なる「CFD」と呼ばれる差金決済型の商品で占められています。代表的なものでは、所謂BTCFXと呼ばれてるbitmexで取引されている商品やbitFlyer FXといったものが該当します。

仮想通貨のCFDでは、原資産で清算されることがないか、あるいはその条件が極めて限定的なケースが多く、原資産による裏付けがない商品が多いです。その条件下でも原資産(と定義されているもの)に連動した動きをするというのが、市場として興味深いものとなっています。

先物とオプションの違い

先物取引とは「将来の売買を約するもの」であり、オプション取引は「将来の売買をする権利の売買」です。具体例を考えたほうがわかりやすいので、以下に例を挙げます。

まず、先物取引はどうでしょうか。例えば、現在の1BTCあたりの価格が50万円だとします。3ヶ月後を満期日とする、BTC先物が55万円であったとすると、この先物を買うということは、3ヶ月後に55万円で1BTCを購入するということ(と同じ経済性)を意味しており、逆にこの先物を売るということは3ヶ月後に55万円で1BTCを売却すること(と同じ経済性)を意味します。

つまり上記の場合、現物のBTCを今50万円で購入し、同時に先物を55万円で売却すれば、約3か月後に5万円の利益が確定することになります。この5万円は満期日において必ず確定されるものであり、増加することもなければ減ることもありません。

それでは、オプション取引の場合はどうでしょうか。3ヶ月後に55万円で売却できる権利(プットオプションと呼ばれる)を持ったとします。この時、現物を今50万円で購入すれば、約3か月後にこの権利を行使することで、先物と同様に、5万円の利益を確定することができます。一方で、3ヶ月後の1BTCあたりの価格が60万円だったとすると、手数料分は損をしますが、55万円で売却できる権利はあえて行使せずに、市場で60万円で売却したほうがお得です。

つまり、オプション取引の場合は、最低でも5万円の利益が確定できる上に、市場価格によってはさらに利益が増える可能性がある、ということになります。

先物ではこの損益がすでに確定され変わらないものでしたが、オプションでは損益が保証されていて、アップサイドも同時に享受できるという仕組みになっております。ここがオプションを使うことの最大のメリットとなります。

オプションが仮想通貨(暗号資産)業界で浸透していない理由や課題

理由の一つは金融取引に詳しい人材の不足です。オプションとは上記のように保有者にとって非常に便利で都合のいいものですが、一方で、オプションを買うためには、まず売り手がいないといけません。詳細は省きますが、売り手の経済性は買い手とは真逆で、利益は限定されている一方でダウンサイドは市場価格によって大きくなります。

そのため、継続的に売り手になるには、ダウンサイドリスクを適切にヘッジできる能力が必要とされるため、こういった金融取引に詳しい人材や投資家が仮想通貨業界で限られているのが、浸透していない最大の理由であると考えております。

オプションが実現した未来の仮想通貨(暗号資産)業界はどう変わるのか

オプション取引が実現することで、機関投資家の参入も促進され、より投資家層が広がり、流動性の向上やボラティリティの低下に寄与していくと考えております。

同時に、こういったヘッジマーケットが創出されることで、このオプションを使った様々な金融商品、例えば仕組預金や価格変動リスクを排除した定期預金などが提供されていくかと思います。 こうした動きが仮想通貨の価格変動リスクを低下させることにもつながり、より通貨としての利用も促進されていくのではないかと考えております。

なぜ今クリプタクトがその課題に挑むのか

最大の理由は、仮想通貨の価格変動リスクを適切にヘッジできるマーケットの創出にあります。仮想通貨に機関投資家がなかなか参入してこない理由は様々な要因がありますが、商品としてみると、価格変動リスクの高さをヘッジできないことにあります。

すでに普及している先物やCFD商品の場合、例えば仮想通貨を購入して、先物やCFDで空売りをすればヘッジは行えるのですが、上記で説明した通り、これは損益を確定させていることからダウンサイドもないですがアップサイドもなく、そもそも投資する意味がありません。

オプションをうまく使うことで、ダウンサイドを限定的にしながら、アップサイドを享受しにいく、というポジションを組むことが可能となり、こういった適切なヘッジが組成でき、機関投資家の資金を市場に呼び込むためにも、こういった課題に取り組む意義があると考えております。

また、クリプタクトでは、創業メンバーが前職で機関投資家であり、数々のオプション取引を行ってきたことから、この分野で貢献できる余地が大きいと考えております。

提供:クリプタクト

企業紹介

株式会社Cryptact

Cryptactは、bitFlyerと業務提携したことでも有名な仮想通貨の実現損益計算サービスtax@cryptactや、ポートフォリオ管理ツール、portfolio@cryptactをサービス提供している企業。

出典:Cryptact

創業メンバー自身が行っていた仮想通貨取引の損益計算を簡単にするために、2017年に自用目的で開発したのがtax@cryptactの始まりで、機関投資家が利用するような高度なシステムを個人でも使用できるサービスとなっています。2018年11月には、reports@cryptactと称して、元ヘッジファンド運用担当者による仮想通貨マーケットの分析レポートの配信も開始いたしました。

公式ページはこちら

CoinPostの関連記事

日本発 仮想通貨市場にオプション市場を創設|クリプタクトがみるビットコイン市場とデリバティブの成熟化
クリプタクトが、仮想通貨保有の課題である価格変動リスクへの回避手段として、仮想通貨のオプション市場創設を目指す。仮想通貨市場の課題とデリバティブの成熟化で変化する仮想通貨市場とは?
仮想通貨の損益計算ツール「クリプタクト」|投資家支援プラットフォームの構築へ
誰もが暗号資産(仮想通貨)のメリットを簡単に享受できる社会を目指し変革を推し進める、仮想通貨の損益計算ツールを提供するクリプタクト。仮想通貨の魅力や、税制の今後などにも言及。また同社が見据える将来の展望についても語られる。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/11 土曜日
13:30
イーサリアム、温室効果ガス排出量を99%以上削減
ケンブリッジ大学オルタナティブ金融センターは、PoS移行後の仮想通貨イーサリアムが電力需要を大幅低下させ、温室効果ガス排出量が99%以上減少したとする報告書を公表した。
12:00
規制はコストではなく「堀」、NERO Chain創業者に聞く2026年のWeb3業界
WebX2026プラチナスポンサーの豪州発レイヤー1「NERO Chain」創業者Jake Stolarski氏に取材。規制対応を強みとする金中心のRWAトークン化と、規制を「堀」と捉える2026年のWeb3市場観を聞いた。
11:35
ソラナ初期クジラ、23億円相当SOL盗まれたか
オンチェーン調査者のZachXBT氏は10日、ソラナのジェネシスブロック配布に関連する初期クジラのウォレットから約18万900SOLが盗まれた可能性があると報告した。一部はイーサリアムにブリッジ転送されたという。
10:20
ビットコイン6.4万ドル台へ上昇、現物主導の買いと原油安が追い風|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは7月10日から11日朝にかけて上昇した。7月初旬には一時5万7,000ドルまで下落し、年初来安値を更新していたが、足元では6万4,000ドル台まで回復。
10:05
ジーキャッシュ、ZEC偽造脆弱性対応の「Ironwood」アップグレードで実施日程公開
プライバシー仮想通貨ジーキャッシュがOrchardプールの脆弱性に対応する『Ironwood』アップグレードの実施日程を発表。フルノードのZebra移行も並行して進む。
09:40
米住宅法、CBDC禁止条項含み自動発効へ トランプ大統領署名拒否
トランプ大統領が米住宅法への署名拒否を表明した。法案は11日深夜に自動的に法律となり、連邦準備制度理事会によるCBDC発行を2030年末まで禁止する条項も発効する。
08:35
SKハイニックスのトークン化株式がソラナで取引開始、米ADR上場と同時に
韓国の半導体大手SKハイニックスが10日、米ナスダックにADR上場。約280億ドルの調達額は2014年アリババIPO以来最大の外国企業上場規模で、同日ソラナ上でもトークン化株式の取引が始まった。
07:15
AIエージェントで新たな取引体験の実現へ、ビットバンクが実証実験開始
仮想通貨取引所ビットバンクは、AIエージェントを通じた新たな取引体験の実現に向けて実証実験を開始。実証実験の背景や内容、将来的な目標について説明している。
06:55
米上場エンペリー・デジタル、AIデータセンター資金調達のため1400BTC売却
米ナスダック上場のエンペリー・デジタルが5月7日以降にビットコイン1,400BTCを売却し、約8,710万ドルを調達した。AIデータセンター投資や債務返済に充てる方針で、7月10日時点の保有残高は1,514BTCとなった。
06:25
暗号屋、銀行振込対応のステーブルコイン決済「すてぶるペイ」を発表
合同会社暗号屋は10日、銀行振込でステーブルコイン決済を実現する「すてぶるペイ(STBLpay)」を発表した。利用者はウォレット不要、加盟店は与信審査なしで導入でき、7月開催のWebX2026でもデモ展示を実施する。
05:55
英大手銀、2026年末ビットコイン10万ドル予測を維持
英スタンダードチャータードが2026年末ビットコイン価格10万ドルの予測を維持した。ストラテジーのBTC売却を「ノイズ」と評価し、同社が優先株担保へ戦略転換しているとの見方を示した。
05:00
USDC発行企業サークル、信託銀行設立の最終承認を取得
米ステーブルコイン発行大手のサークルは10日、米通貨監督庁から国法信託銀行の設立最終承認を受けた。デジタル資産の機関向けカストディ提供と、将来的なUSDCの準備資産管理を計画中。
07/10 金曜日
19:01
片山金融相、仮想通貨ETFの国内解禁に改めて意欲
片山さつき財務・金融担当相がQUICKセミナーで仮想通貨ETFの国内解禁検討を表明。仮想通貨を金融商品と位置付ける金商法改正案は参院審議中で、成立すれば2027年度施行の見通し。SBI証券・楽天証券は仮想通貨投信の販売準備を進める。
18:00
OKJ、カントンコイン(CC)取扱い開始予定 板取引でのCC取扱いは国内初
OKJが7月15日、カントンコイン(CC)の取扱いを開始予定で、対応暗号資産は54種類に。板取引での提供は国内初。Canton NetworkにはGoldman Sachs等大手金融機関に加え、SBIグループのSBIデジタルアセットホールディングスも運営参加している。
17:03
メタプラネット・JPYCら4社、デジタルクレジット共同検討
メタプラネットとJPYC、Progmatなど4社が、ビットコインとステーブルコイン、セキュリティトークンを組み合わせたデジタルクレジット領域の共同検討を開始した。中堅企業の資金調達課題や「Project NOVA」構想との関係を解説する。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
重要指標
一覧
新着指標
一覧