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航空貨物輸送大手FedEX、ブロックチェーン利用義務付けを訴える

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

フェデックスが国際配送に政府によるブロックチェーン利用義務付けを訴える
FedEXの最高情報責任者は、国際配送におけるブロックチェーン規格を義務付けることで、業務の効率化や危険物や偽装品等の不正取引の防止を図れると主張。実現には政府と国際配送業界の協力が必要であるとしている。

フェデックスが国際配送に政府によるブロックチェーン利用義務付けを訴える

経済のグローバル化により需要が拡大するにつれ、膨大な書類の手続きの煩雑さや複雑化する顧客ニーズとともに、危険物や偽造品の輸送阻止が大きな課題となっている国際配送。そのような状況の中、業界リーダー自らが政府によるブロックチェーン技術導入の義務付けを訴えた。

FedEXの最高情報責任者Rob Carter氏は、国際配送におけるブロックチェーン規格を義務付けることで、業界内での同技術の普及が推進され、企業間の連携により業務の効率化が図れると主張。同時に、各国政府が頭を悩ませている危険物や偽装品等の不正取引を防ぐ一助になるだろうとの持論も展開した。そして、ブロックチェーン導入の義務付けについて次のように発言を加えた。

我々は、さらなる規制による管理を求めるような組織ではない。しかし、規制の義務付けや推進が非常に有益な場合もある。

これは、カナダのトロントで4月24日と25日の両日開催されたグローバル企業リーダーコミュニティを対象とした初のブロックチェーン国際会議「Blockchain Revolution Global」のパネルディスカッションでの一幕である。

国際配送業界の情報システムでは、従来ペーパーベースの法的書類を使用、さらに電子データもリアルタイムではなく、60年前に開発されたEDIという技術により送信されているという。さらに輸送には多くの業者が関わってくるが、Eメールやファックスおよび宅配便といった方法で情報を共有している。

しかし、Carter氏によると、国際荷物の配送には原産地証明書や特定の取扱免許等、膨大な量の情報が必要であり、その情報なくしては配送自体も行えない。さらに、国際配送の現状は、企業グローバル化もあり、そのサプライチェーンは配送会社一社単独で全てが完結する訳ではなくますます複雑化している。

例えば、ある企業がDHL社を利用して部品をドイツに出荷するとする。その取り付けられた部品はUPS社を介して南アメリカの工場に搬送され、さらに最終組み立てのためにフェデックス社を経由し、日本に輸送されるといった複数の事業者が関与するシナリオは日常茶飯事だとのこと。

そこで、同業他社や関係各国の政府機関、および業界関係者内での正確な情報の共有が重要となるが、その課題を解決するのがオープンな標準化されたブロックチェーンだとDHL社の国際政府問題担当責任者Eugene Laney氏は強調する。

また、UPS社のサプライチェーンソリューション責任者Mahesh Sahasranaman氏は、ブロックチェーンの標準化で重要なのは大多数の参加者によって支持されることであり、アプリケーションがその参加者のために構築されることだと述べている。フェデックス社は、競合大手であるDHL社およびUPS社とともに、500以上の会員を擁する業界団体「ブロックチェーン輸送アライアンス(Blockchain in Transport Alliance = BiTA)」の一員であり、両社と協力して業界全体に展開可能なブロックチェーン規格の構築を進めている。

「我々3社はグローバルな規模でこの問題を見ている」と、フェデックス社のブロックチェーン戦略担当のDale Chrystie氏は述べている。

違法不正対策に関しても

さらに、上記3社はそれぞれ220カ国に事業を展開しており、その国々の90%が歳入を税収と関税に関わっているため、国際輸送品目に対して正確な情報に基づいた課税がなされることは重要となる。

またアメリカ政府は、今月発表した覚書の中で年間5兆5000億ドルにのぼるとされる偽造品や海賊版の不正取引と闘う必要性を強調している。

このような複雑な課題の解決にもブロックチェーン技術は適しているとCarter氏は述べている。ブロックチェーン規格の義務化により、税関や国境管理機関が、輸送品目の出所をより正確に追跡管理することで違法薬物や偽造医療機器などの輸入を識別して阻止することが可能になると同氏は主張している。

アメリカ西部開拓時代には、ゲージの異なる八つの線路がそれぞれ業界の標準となるべく競っており、全国的に統一された鉄道システムの開発に支障をきたしていたという。それを解決したのが、1863年にアメリカ連邦議会が制定した4フィート8-1⁄2インチの業界標準ゲージの採用だったそうだ。

この歴史的事例のように国際配送業界を近代化かつ合理化し、ますます複雑化する顧客ニーズに応えるためには、業界全体に展開するブロックチェーン規格の普及にも同様の対応が必要だとCarter氏は考えているようだ。

なお、先日IT専門調査企業IDCの世界全体のブロックチェーンへの支出額を予測したレポートによると、サービス/流通分野における今年度のブロックチェーン支出は9100万ドル(101億円)になるとみられている。それらのデータからも、国際物流の世界でのブロックチェーン普及の見込みが強いことがうかがえるだろう。

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