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「ビットコインETFの可否判断はBTCに影響なし」eToroアナリストの見解

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコインETFの可否判断はBTCに影響なし
大手オンライン取引仲介業eToroのシニアマーケット・アナリストは海外メディアの独占インタビューで、「ETFは仮想通貨の包括的な目標にはほとんど影響を与えない」との見解を示した。現在申請中のETF次期可否判断は5月中旬に予定。

「ビットコインETFはビットコインとは別物」

議論を醸しだしているビットコインETFの最終可否判断時期の延期を巡り、大手オンライン取引仲介業eToroのシニアマーケット・アナリストであるMati Greenspan氏はAMBCryptoの独占インタビューで、「ビットコインの包括的な目標にはほとんど影響を与えない」との見解を明らかにした。

SECは今年3月、「審議により多くの時間が必要」との理由で2つのETF承認可決判断を正式に延期した。4月1日に予定されていたBitwise版ETFの可決判断は5月16日、4月6日に予定されていたVanEck版ETFは21日へ、それぞれ45日の延期となった。同氏はSECが再度延期するとほぼ確信している。最終判断における延期はあと2回(最大240日)まで可能だ。となれば、Bitwise版ETFの最終期限は10月13日、VanEck版ETFは10月18日までになる。

昨年より承認の行方を市場が固唾を飲んで見守る中、Greenspan氏を含む一部の専門家は比較的冷静なスタンスを維持。「SECがビットコインETFを承認するという考えは、基本的には銀行が作ったものを政府が承認するというようなことだ。ビットコイン市場やユーザーにとってそれほど重要なことではない」としている。

ETFがSECによって承認されれば、ヘッジファンド運用会社などの機関投資家が仮想通貨分野に一気に流入すると予想される。仮想通貨投資における可能性をさらに広げるという意味では歓迎すべき動きだろうが、仮想通貨が目指す包括的な金融などの目標への貢献度は低いと予想される。

Greenspan氏の言葉通り、多くのファンドマネージャーにとってはビットコインという新たな投資商品がポートフォリオに追加されるだけのことで、ビットコインや仮想通貨の本質について理解しようと努力するマネージャーは皆無だろう。

その結果、例えば「コールドウォレットが何か」という基本的な事柄ですら把握しないまま売買を行い、不必要な価格ボラティリティを生じさせかねない。それゆえに同氏はビットコインETFは市場の多くの企業に「流動性を提供するのに大いに役立つ」が、あくまでビットコインの投資能力にアクセスするためのもう1つのチャネルであり、「実際のビットコインに基づいていたものではない」と指摘した。

実際のBTC市場は「小規模で規律正しい」

上述のBitwise Asset Management社がSECに先日提出したビットコイン市場報告書に関しても、Greenspan氏はコメントしている。同氏曰く、この報告書では2つの重要なポイントが取り上げられている。1つ目は先日SECの会長であるJay Clayton氏が指摘した「市場操作・仮装売買」。2つ目は実際の取引量を申告している仮想通貨取引所のデータに基づいた、純資産価値(NAV)の計算法だ。

3月20日付けの同報告書は、市場操作、カストディ(保管業務)、流動性、価格設定、裁定取引といったビットコインETFの承認をめぐるSECの懸念を緩和する目的で作成されたものだ。

同社が米最大手Coinbase Proを含む主要取引所のデータを分析し、信頼できると思われる取引パターンの性質を割りだすなど独自の調査を実施した結果、CoinMarketCapなどを通して市場に出回っているデータが誇張されている点を指摘している。「厳密な調査の結果、最大の取引量を報告している取引所は認識できなかった。報告されている取引量の95%は、偽装および/または非経済的な仮装売買である」

CoinMarketCapのデータに基づくと、BTCの1日の取引総額は約60億ドル(約6699億4663万円)という計算になるが、実際は2.73億ドル(約304億8257万円)ほどだと主張している。つまり実際のビットコイン市場は一般的に理解されているよりも「はるかに小規模で規律正しい」というのだ。

ビットコインETFがSECから承認を得るためには、米証券取引所法第6条(b)(5)の要件を満たす必要がある。SECはその要件として「基盤となるビットコイン市場(および具体的な提案)が市場操作に対して独自の抵抗力をもっている」あるいは「仮想通貨取引所は、相当な規模で規制された市場間で監視協定を締結している」ことを挙げている。ここでいう「ビットコイン市場の相当な規模」は、弁護士Chervinsky氏も以前VanEck版ETFが延期された時に指摘したSECの「形式的条件」で、実際すでに満たしているとした。

Bitwise Asset Management社は調査による「数々の発見」は、「Bitwise 版ETFの承認申請が米証券取引所法第6条(b)(5)の要件を満たしていることを証明している」と結論づけた。Greenspan氏はこの報告書が「SECによる承認の可能性を高めた」とし、さらにSECコミッショナーの変更後、多くの投資家が「仮想通貨に関してより強気になるだろう。」と付け加えた。

なお承認の行方については、ビットコイン価格が大幅に変動した場合、ビットコインETFの承認にポジティブあるいはネガティブな影響を与えると予想されるが、「あくまで短期的な影響でしかない」と比較的に楽観視しているようだ。

「ビットコイン取引高の95%に偽装疑惑」 Bitwiseの報告書詳細

ビットコイン取引高の95%に水増し疑惑、ETF申請企業が米SECに報告
Bitwise社はビットコイン取引量の95%が偽装であると米SECへ報告。その他にも取引所の取引量操作などにも言及した。一方で、ビットコイン市場の健全性も主張した。
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